不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2021.02.22 10:56

宿泊施設のIoT化をバックアップ USENグループが相次ぎ製品
 USEN―NEXT GROUPのアルメックス(東京都品川区)では、宿泊施設向けの新サービスを相次いで市場に投入する。このほど公式アプリ作成サービス「Stay Concierge(ステイ・コンシェルジュ)」をリリースした。
このアプリは旅マエ(予約時)はもちろん、旅ナカ・旅アトまでサポートする機能を搭載した公式アプリ作成サービス。このサービスを利用してもらうことで、短時間、低コストで公式アプリの開設が可能となり、より一層のリピーター囲い込みが可能になる。また、OTA経由の予約者に対し、WEB上でプリ・チェックイン手続きを促す機能も搭載。アプリ利用者へQRコードのデジタル証を発行し、ウィズコロナ時代での非対面・非接触で安心・安全なホテルオペレーション作りを支援する。
 予約からチェックイン後の照明操作、VOD再生、ルームオーダー機器連動が可能なほか、コンシェルジュとしての機能も装備する。メインページが予約機能とコンシェルジュ機能に分かれており、コンシェルジュ機能は予約をした店舗や滞在中の店舗ごとにカスタマイズされているため、予約中ホテルのルート案内やルームオーダーを素早く呼び出せることができる。
 デジタル会員証でQRチェックインできる。会員証をデジタル化してスマートフォンアプリで管理できるため、QRコードを表示してスマートチェックインが可能になる。各種システム連携で便利機能を提供する。
 同社の他商材と連携することもでき、アプリ機能の一部に関しては、特許出願中。近日中に、ホテルブッキング会社との連携も予定している。
 また、同社はAndroidSTBを用いた客室向けテレビシステム「IoT Terminal」をリリースした。
 同製品は、宿泊施設の客室に専用端末を設置することで、施設側が宿泊者の滞在状況を可視化することができるセンシング技術を活用した製品として開発。これにより、客室の室温や湿度を計測し、コントロール機能と連携し、快適な空間を提供することができる。また、照度や消灯時間の把握、テレビの視聴状況等のデータを蓄積し、滞在状況の把握などに活用することが可能だ。 
 同製品は前述の公式アプリ作成サービス「ステイ・コンシェルジュ」で作成された公式アプリと連動することで、ゲストのスマートフォンがテレビのリモコン替わりとなり、テレビやビデオ・オン・デマンドなどの映像サービスの操作や、空調、照明などのコントロール、さらにルームオーダーなどが可能になる。コロナ禍で、非接触がキーワードになっており、ゲストへの安心・安全を提供する。
 従来の客室インフォメーション機能では、管理画面から簡単に作成できる設計を施し、館内施設の案内や観光、周辺案内などは動画もアップロードできるようにし、客室内ペーパーレス化にも便利に活用することができる。その他、1000タイトル超の映画・ビデオタイトルを備えた映像サービスや客室ごとのWi―Fiアクセスポイント、ミラーリング、館内施設混雑状況表示機能など、客室滞在での快適性を追求したサービスとなる。

スーパーホテルが160店目をオープン
 スーパーホテル(大阪府大阪市)は、2月6日に国内160店舗目となる「スーパーホテル石川・能美根上スマートインター」(石川県能美市)を開業させた。石川県では2店舗目の出店で、無料ウェルカムバーや天然温泉、朝食ビュッフェなどのサービスに加え、能美市の地元飲食店や地域の職人と提携し、人と地球を元気にする地域密着ホテルを目指していく。
 同ホテルは、北陸自動車道「能美根上スマートIC」に隣接し、小松空港からは車で約15分に位置。建物はRC造、9階建て、客室数126室。
 客室にはYouTubeやNETFLIX等のインターネットアプリが視聴可能な4K対応大型テレビを設置するほか、シーリングライト一体型のプロジェクターによるシアタールームも用意する。
 全客室天井仕上げに調湿や脱臭に効果的な「珪藻土」を使用。「光触媒式空気清浄システム」をパブリックスペースの一部に搭載。「シリカ・ナノコロイド・シールド」でパブリックスペースを抗菌加工するなど、更に安心・安全な空間づくりに努めている。また足元からウイルスを持ち込まないために、ホテル入口に「消毒マット」を設置する。抗酸化力や浸透力に優れた「健康イオン水」を客室はじめ全館どこでも供給する。
 天然温泉「九谷五彩の湯(くたにごさいのゆ)」は、石川県の別所新加賀温泉から運搬した天然温泉を男女別の大浴場で提供。疲労回復や健康増進に効果的で、ちょっとした旅行気分も味わうことができる。
 朝食ブッフェには、能美の陶芸家が制作した九谷焼の食器を活用したり、ラウンジの壁面インテリアに九谷焼のプレートを施したりと、地域応援の取り組みに力を入れている。

アパGがWBF新大阪を取得
 アパグループ(東京都港区)はこのほど、大阪市の「ホテルWBF新大阪スカイタワー」の取得を決定した。2021年3月30日より「アパホテル〈新大阪駅タワー〉」としてオープンを予定し、アパホテルが運営にあたる。 
 同ホテルは、地下鉄御堂筋線「新大阪」駅徒歩2分に位置した400室、32階建てのタワーホテル。敷地面積911・82㎡、延床面積8067・95㎡。
 今後同社は、全客室のVODサービスを無料化するなど、滞在中の満足度を高め、顧客満足度向上に繋げていく。
 同社の大阪市内のタワーホテルは、全1704室・34階建て・2023年1月開業予定の「アパホテル&リゾート〈大阪梅田駅タワー〉」、全2060室・40階建て・2024年秋開業予定の「アパホテル&リゾート〈大阪難波駅タワー〉」の2棟を建築・設計中で、同ホテルの取得により、全5棟・5930室になる。
 同社の日本国内のタワーホテル数は、建築・設計中・開業準備中を含め、全14棟・1万5222室となる。今後も、ホテル運営・人員効率の向上を踏まえたドミナント戦略を積極的に行いながら、大型ホテルの出店を図り、アパホテルネットワークの拡充を目指していく。 
 同社はアパホテルネットワークとして海外、FC、パートナーホテルを含む全国最大級の662ホテル10万2393室を展開しており、年間宿泊数は約2613万名に上る。2010年4月にスタートした「SUMMIT 5(頂上戦略)」では、東京都心でトップを取る戦略を開始。現在、東京23区内で直営ホテル78ホテル・1万9000室を展開している。
 2015年4月にスタートした「SUMMIT 5―2.(第二次頂上戦略)」では、東京都心から地方中核都市へとエリアを広げ、大型タワーホテルの出店も積極的に進めていき、アパホテルネットワークとして10万室展開を達成した。

シンガポール発日本初進出ホテル
 アスコット社(本社・シンガポール)はこの度、NTT都市開発(東京都千代田区)が福岡県福岡市で開発を進めている複合商業施設「福岡・今泉公園前プロジェクト」で、コリビングをコンセプトとした日本初進出となるホテル「lyf Tenjin Fukuoka (ライフ天神福岡)」を6月16日にグランドオープンさせる。
 「lyf(ライフ)」は、ミレニアル世代が中心となって運営されるミレニアル世代やミレニアルなマインドを持つ人達のためにつくられた「住む・泊まる」「働く」「交流する」が一体となった新しい住環境である、コリビングスタイルのホテルブランド。今回日本に初進出するブランドで、シンガポールとタイでは既に展開しており、今後も5か国11物件の新規オープンが予定されている。
 同ホテルは、暮らし、仕事、遊びのためのコリビング空間で様々な分野のクリエイティブな発想を持ったゲスト同士を結び付け、新たな過ごし方を提供し、コミュニティの発展を支援する。
 施設はシェアスペースのほか、全131室、4つの客室タイプを用意。
 シンガポールや福岡を拠点とするデザイナーによるインテリアデザインが特徴的な同ホテルのシェアスペースは、コワーキングスペースから設備の整ったソーシャルキッチンまで多岐にわたる。さらに、lyfチームがキュレーションするプログラムやイベントに参加して地元のコミュニティとつながる機会も用意する。

ホテル一畑が大幅リニューアル
 ホテル一畑(島根県松江市)は、2020年11月より新館増築のため休館しているが、5月16日にリニューアルオープンさせる。1968年10月1日の開業以来、半世紀余りの永きにわたり培ってきた伝統を受け継ぎながら、新たなホテルのコンセプトである「郷土を想う(Hotel for Local)」、「お客様を想う(Hotel for Visitors)」を基に、「皆様に愛されるホテル一畑を目指して参ります」(同社)という。
 新ホテルでは、アクセス向上を図るため、従来の南側玄関に加え、北側にも玄関を設けることで、最寄り駅の「松江しんじ湖温泉駅」からは、徒歩約1分と利便性を高めた。
建物は6階に展望大浴場、3~6階を客室、2階レストラン、宴会場、1階にはレセプション、カフェ&バー、ショップなどを併設する。
 「ICHIBATA Elegance」をデザインコンセプトに、伝統とまごころを受け継ぎ、水の都松江の魅力を最大限に生かした、正統な上質さを演出する。客室フロアは、出雲・松江の神事を執り行う装束などをイメージした「日本の伝統色」を使用したフロアごとに異なるカラーデザインとした。

シェフが自宅に出張
 リーガロイヤルホテル東京(東京都新宿区)は、3月1日から5月31日まで、自宅にシェフとサービススタッフが訪問し、ホテルの本格的な料理とサービスを提供する「RIHGA Private Chef Service(リーガプライベートシェフサービス)」を開始する。
 コロナ禍において、外出を控えている家族や友人との会食や祝い事の場に、シェフとサービススタッフが自宅に赴き、リーガロイヤルホテルの本格的な料理を提供する。4種類の西洋料理コースの中から事前に選ぶことができ、慣れ親しんだ自宅でくつろぎのひとときを楽しむことができる。




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