不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2021.04.12 10:42
三井不HM 三井不との連携を強化 客室をワーキングスペースとして販売
三井不動産ホテルマネジメント（東京都中央区）では、三井不動産（東京都中央区）との連携を強化。三井不動産ホテルマネジメントが運営する「ザ セレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」「ｓｅｑｕｅｎｃｅ」の合計１０ホテルを新たに三井不動産が展開している法人向けシェアオフィス「ワークスタイリング」の「ワークスタイリングＳＨＡＲＥ」の提携拠点として提供する。
今回の連携によって、すでに提携済みの２８ホテルとあわせて日本国内３８ホテルすべてに、プライベートな個室ワークスペースの提供ネットワークを拡大することとなった。
新型コロナウイルスの感染拡大を契機にテレワークを推進する企業が急増したことで、通信環境やセキュリティ等が整備されＷＥＢ会議などに対応できる個室ワークスペースのニーズが増加している。
ワークスタイリングは高まるニーズを捉え、昨年９月に「ザ セレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」との連携を開始し、対象ホテルの客室をプライベートな個室ワークスペースとして提供してきた。また、同年１２月には郊外エリアを中心とした個室特化型サテライトオフィス「ワークスタイリングＳＯＬＯ」のサービス提供を開始した。
今般、ワークスタイリングは「ザ セレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」「ｓｅｑｕｅｎｃｅ」との提携拠点を日本国内すべてのホテルに拡大することで、個室ワークスペースの提供体制をさらに強化する。「三井ガーデンホテルズ」等の１０ホテルが加わることで、ワークスタイリングの拠点ネットワークは２０２１年３月末までに提携拠点３８ホテルを含む１２６拠点に拡大する。
三井不動産は、多様化する企業のニーズや様々なビジネスシーンに合わせた法人向けフレキシブルサービスオフィス「ワークスタイリングＦＬＥＸ」、全国に広がる拠点を１０分単位で利用可能な法人向け多拠点型サテライトオフィス「ワークスタイリングＳＨＡＲＥ」、郊外エリアを中心とした法人向け個室特化型サテライトオフィス「ワークスタイリングＳＯＬＯ」を展開している。２０２１年３月現在、会員企業数は約６００社、登録会員数は１６万人超。
三井不動産ホテルマネジメントにとって、「ワークスタイリング」は、１０分３３０円、時間３３００円のため、仮に１日使ってもらえれば１日１万円になり、メリットは大きい。
スーパーホテル 大阪府内11店舗目オープン 地域との協業体制
スーパーホテル（大阪府大阪市）は、国内１６１店舗目となる「スーパーホテル関空・熊取駅前」（大阪府泉南郡）をオープンさせた。
大阪府では１１店舗目の出店で、地域活性化プロジェクトとして乗馬やサバイバルゲームなどの「オープンエアーで楽しめる体験」や、熊取ならではの「健康を意識した地元の食」といった企画を進め、地域密着のホテルを目指していく。
同ホテルは「熊取」駅より徒歩約２分に位置、ＲＣ造１０階建て、客室数は１０８室。
館内では夜間のパブリックスペースにオリジナルカクテルやワインなどを用意し、ラウンジとして活用することができる。また、高濃度人工炭酸泉「けやきの湯」も併設する。
焼きたてパンやオーガニック野菜サラダなどの健康的なメニューのほか、熊取産の泉州タマネギなどを使用したカレー、熊取町の農家生産のブロッコリースプラウト、柴田養蜂場の「泉州産 生ハチミツ」などのご当地メニューも提供する。
客室は１０８室のうち５１室に約１５㎡のハイブリッドルームを採用、ＹｏｕＴｕｂｅやＮＥＴＦＬＩＸ等のインターネットアプリが視聴可能４Ｋ対応大型テレビを客室に設置するほか、シーリングライト一体型のプロジェクターによるシアタールームも配置している。
新型コロナウイルスの感染症予防にあたり、スーパーホテルグループ医療法人嘉健会「思温病院」病院長・狭間研至医学博士の指導のもとに手指消毒・検温だけでなくエントランスに靴底消毒マットを設置するなど徹底した防疫対策を行っている。「大阪天然温泉店における新型コロナウィルス無症状者及び軽症者受け入れの経験で培ったノウハウも活用し、安心・安全なサービスの実施に日々取り組んでいます」（同社）。
and factory 異業種とのコラボレーション進める
ａｎｄ ｆａｃｔｏｒｙ（東京都目黒区）では、同社が運営する、ウェルネスを届けるスマートホステル「＆ＡＮＤ ＨＯＳＴＥＬ ＫＵＲＡＭＡＥ ＷＥＳＴ」をメーカーと顧客を繋ぐプラットフォームの場とし、様々なパートナー企業との取り組みを進めていく計画だ。
その第一弾として、家電メーカーのデロンギ・ジャパンの人気商品が体験できる客室プラン提供する。
アイコナ・トリブート電気ケトル／空気清浄機能付きファン／マルチダイナミックヒーターといった人気３商品が体験できる。
「明日への期待と共に日々をさらに良くしてゆく」という意味をこめた“Ｂｅｔｔｅｒ Ｅｖｅｒｙｄａｙ” を謳うデロンギ・ジャパンとウェルネス体験を通して「個人が生き生きと輝ける社会を実現する」というミッションを掲げる「＆ＡＮＤ ＨＯＳＴＥＬ ＫＵＲＡＭＡＥ ＷＥＳＴ」が、両者のコンセプトを掛け合わせ、”Ｂｅｔｔｅｒ Ｗｅｌｌｎｅｓｓ ｆｏｒ Ｂｅｔｔｅｒ Ｅｖｅｒｙｄａｙ”という新たなメッセージを発信することで、より豊かな日常を提案していきたいという。
今回ビジネスプラットフォームの場として開放する「＆ＡＮＤ ＨＯＳＴＥＬ ＫＵＲＡＭＡＥ ＷＥＳＴ」は、今年１月に「ウェルネスを届けるスマートホステル」とコンセプトを新たにリニューアルオープンした。「ウェルネス」を軸に様々なイベントやパートナーとの協業を行うことで、体験型宿泊施設としての強みを訴求していく。
サンフロンティア不がマリオットブランド第2弾開業
サンフロンティア不動産（東京都千代田区）グループは、マリオット・インターナショナル（米国・メリーランド州）との協業第２弾として「ＨＩＹＯＲＩチャプター京都トリビュートポートフォリオホテル」（京都府京都市）を６月１８日にオープンさせる。
同ホテルは、京都市営地下鉄東西線「京都市役所」駅徒歩４分に位置、敷地面積１６６４・９８㎡、延床面積８１５８・１２㎡、鉄骨造、地下１階地上６階建て。客室数は２０３室。レストラン、大浴場、フィットネスセンターなどを併設する。設計・施工は清水建設。
館内にある「ＣＨＡＰＴＥＲ ＦＡＣＴＯＲＹ（チャプターファクトリー）」は、京都をよく知るコンシェルジュが、宿泊者に合わせた京都の過ごし方を提案する。旅のコンシェルジュデスクと、“和尚からホテルの支配人まで”京都を知り尽くした人々の様々な旅の記録がそれぞれ１枚の一筆箋となり集まる場所。「あなたの旅の記録も一筆箋として書き、そして残すこともでき、あなたの旅の一筆箋をオリジナルなデザインにするための様々な道具もご用意しています」（同社）。
レストランではイートクリエーター（東京都中央区）が運営する「松也―ＭＡＴＳＵＮＡＲＩ―」とのコラボレーションメニューを提供する。「朝食や軽い食事はもちろん、ショコラと小豆を随所に用い、テクスチャーや香りの妖艶さの相乗効果を追求した焼き菓子やパン、ソフトクリーム、かき氷など多種多様なメニューをご提供します」（同社）。
客室はスイートルーム２室を含む全２０３室で、平均２３㎡の客室は、快適な睡眠を追求した空間と、大画面で写真や動画を共有できるＴＶシステム、無料Ｗｉ―Ｆｉなどの環境を整備した。
また、スマートチェックインや、スマートフォンをルームキーとして登録できる機能などのサービスのほか、様々な要望をシンプルにひとつの客室電話ボタンで依頼できるマリオット・ホテルズのワン・ストップ・サービス「アット・ユア・サービス」を導入する。
小野写真館 「旅館貸切プラン」で新たな需要開拓
ブライダル事業を手掛ける小野写真館（茨城県ひたちなか市）は、同社が所有する「桐のかほり咲楽」（静岡県下田市）で「旅館貸切プラン」の販売を開始した。
同旅館を旅行として利用する顧客に絞ることなく、ビジネス利用やファミリーのみで利用したい層などの需要を見込んでいる。同社では様々な祝いことからビジネス研修や慰安旅行、忘新年会など多彩な利用方法を想定しているという。
館内はもちろん、敷地内の設備は全てが利用可能。敷地内にはガーデンも完備しており、バーカウンターや椅子なども用意する。 同社では温泉旅館イコール宿泊・旅行という既成概念から、同館を他の利用目的や用途がないかと検討してきた。そこで、同館ならではの４部屋しかない小規模なスペースの有効活用として「丸々の完全貸切のプラン」をリリースすることで、使用用途に絞ることなく様々なシーンで多くの利用者が宿泊できるようにした。
小野写真館は、同旅館を２０２０年１０月１日にＭ＆Ａで取得。同社は創業１９７６年、小野社長は２００５年、両親から家業を引き継ぎ、写真館１店舗から「フォトスタジオ事業」「成人振袖事業」「ブライダル事業」と複数の事業を立ち上げ年商を約８倍に成長させた。現在フォトスタジオ事業１０店舗、ブライダル事業９店舗、成人振袖事業１１店舗の合計３０店舗を運営している。
同社は、「宿泊×写真」と掛け合わせることで、通常営業に加え、旅館を全館貸し切りにした親族だけの挙式や還暦祝い、銀婚式、金婚式など祝いの場を設け、カメラマンが１日密着してアルバムを制作する新たなプランを提供するなど新たなサービスを展開している。
