不動産トピックス
今週の一冊
2021.04.19 16:40
著者:大島 大容
発行日:2020年10月1日
発行所:中央経済グループパブリッシング
価格:1900円(税別)
不動産鑑定士は難易度の高さや地味なイメージからか、不動産鑑定業務に従事する人数は減り続け、全国に5千人もいないという。
独立開業が可能な試験ではあるがさほど人気がないのはその実態が掴みにくいからだろうか。
本書は、不動産鑑定士の実務を丁寧に解説。ほか、試験対策、業界の実情、独立のすすめなど。鑑定士七つ道具の巻き尺、サンスケ(三角スケール)、距離を測るレーザー測定器の使い方、所有者に内密の担保調査のコツ、ゴミ屋敷評価の苦労、地価公示の地域分科会での検討など、業界外から見ると新鮮な内容も多く読み応え大いにあり。第3版まで重ねる売れ行きも十分納得。
これからのビジネスチャンスは空き家対策関連業務、コロナ禍では家賃減額請求による継続賃料評価が大きい」など、業界を知り尽くした著者だからこその視点だ。
「鑑定評価業務に固執して『他の鑑定士よりいい鑑定評価書がかけます』は時代遅れ」など、公的な仕事でもある鑑定業ビジネスの将来性分析は面白い。
不動産鑑定評価は全世界で必要とされておりい海外不動産の業務も今後のグローバル化では大いに需要があるだろう。