不動産トピックス
クローズアップ シェアオフィス編
2021.05.06 11:26
コロナ禍以降、オフィスや働く場の在り方が大きく変化した。特にリモートワークや在宅勤務を採用する企業が増えており、自宅では集中できないといったニーズから自宅近くのシェアオフィスを利用する人が増えている。
職住近接を実現する郊外型サテライトオフィス「Solaie+Work(ソライエプラスワーク)」
東武鉄道(東京都墨田区)は職住近接を実現する郊外型サテライトオフィス「Solaie +Work(ソライエプラスワーク)」を2020年6月から開始。「Solaie +Work草加松原」と「Solaie +Workふじみ野」を皮切りに今年3月には「Solaie +Work鎌ケ谷」と「Solaie +Work坂戸」の2拠点を開設した。
元々東武グループでは、2017年~19年において厚生労働省による「『仕事と子育てを支援する』サテライトオフィスのモデル事業」に参画。埼玉県草加市、埼玉県富士見市、神奈川県横浜市に立地するサテライトオフィス3施設を運営してきた。利用者の約75%は近隣住民や通勤途中に同オフィスがある人で、利用して子育てや介護との両立にも役立ったという結果が出たとのこと。その結果を受けて、東武鉄道が事業主体となり、沿線の2施設を職住近接が実現できる郊外型サテライトオフィスとして「Solaie +Work」を開設した。同オフィスを拡充させることで自宅近くでの作業拠点の増加や業務効率化等に寄与し、沿線利用者の利便性向上にも繋がる。
新たに誕生した「鎌ケ谷」と「坂戸」は、より昨今のワークスタイルや利用者のニーズを意識した施設である。特にテレワークにおけるウェブ会議の需要増加に伴い、坂戸のオフィスでは51m2の施設内に計9席を用意したが、4席はオープン席、5席は完全個室のワークブースを設置した。ブースは、コクヨ(大阪市東成区)の個室型スマートワークブース「WORK POD」を採用。遮音性能や快適性に優れ、約30秒間ごとに室内の空気を入れ替える自動換気機能も備えている。
沿線開発部の森田圭氏は「『鎌ケ谷』にも個室を4席設けました。従前から運営する『草加松原』や『ふじみ野』でも顧客からの要望に応え設置に向けて動いており、3月に『WORK POD』を導入しました。またどの施設も駅至近にあり、ソライエプラスワークの会員であれば、野村不動産(東京都新宿区)が都心部で展開するサテライト型シェアオフィス『H1T(エイチワンティー)』の相互利用も可能です。都心と郊外の施設を利用できる環境を整えたことで、これまで以上に利便性は高まったと思われます」と語った。
今回の新設で4拠点となる「Solaie +Work」。同社は沿線の利便性向上や職住近接の環境を整えることを目指し、今後も適した環境や場所があれば積極的にサービス拡充を図る方針だ。
小田急Gとザイマックス「ZXY」24年3月までに30拠点まで整備予定
小田急電鉄(東京都新宿区)、小田急不動産(東京都渋谷区)、小田急SCディベロップメント(東京都新宿区)の小田急グループ3社とザイマックス(東京都港区)は、「小田急沿線における商業施設を中心としたワークプレイス拡大に関する基本協定」を締結し、2021年3月15日に小田急線「代々木上原」駅構内(改札外付近)に両者連携による1号拠点「ZXY(ジザイ)代々木上原」を開業した。24年3月末までに小田急グループの駅周辺や商業施設等に「ZXY」を30拠点まで整備する計画だ。
「ZXY」は、ザイマックスが運営する15分単位の完全従量課金制による法人会員向けのサテライトオフィス。セキュリティに配慮した個室中心の施設・設備が特徴となっており、拠点数は増えている。今後本厚木や湘南台などの郊外エリアに位置する生活密着型の商業施設等での拠点拡大を推進する。また「ZXY」は法人向けに平日利用のみとなっているため、土日祝日における個人向けの新たなサービスも展開する計画だ。小田急不動産による個人向けの新たなサービスを今年6月頃より開始し、個人のプライベート空間として、オンラインによる資格取得や語学レッスンなどのスキルアップのための利用なども見込んでいる。