不動産トピックス
今週の一冊
2021.05.24 10:34
コロナ禍で変わる投資環境
不動産投資の曲がり角でどうする?
著者:寺岡 孝
発行日:2020年9月1日
発行所:クロスメディア・パブリッシング
価格:1480円(税別)
コロナ禍で曲がり角どころか急転直下で地下まで叩きつけられた業界も多いが、不動産投資はどうか。本書は、オフィス解約の動きが出始めた昨年夏の視点であるが、現在もその方向性はうなづける。
コロナが生み出したマスク需要、非接触や除菌作用の製品に注目が集まり、売れ筋商品の上位はコロナ対策のモノばかり。「ニューノーマル」はさて根付いただろうか。
本書は不動産投資の曲がり角の背景を問う。「東京23区や大阪市内の過剰なワンルーム需要にどうする?」、「購入した利回りの大きい地方ボロ物件を、どうする?」、「コロナ禍の賃料延滞と空室リスクを、どうする?」ーすでに市場価値のある収益物件は買われており今は不動産投資の転換期と言えよう。 著者は投資の世界の淘汰スピードもこれから加速し、「不動産は都心の物件なら安全」という神話も崩れることも予測されるという。
不動産投資会社依存のサラリーマン大家は知らずに破綻へ向かっているそうだが、本書エピローグは印象的だ。この数年、社会的ステータスの高い人の相談が増え、現実直視せず投資の失敗を認めない人も多いらしい。投資の曲がり角は投資家の転換期でもあろう。