不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2021.06.07 10:37

タップ DX化進む宿泊施設のオペレーション モバイルアプリサービス提供開始
 ホテルなど宿泊施設向けにトータルシステムを提供しているのがタップ(東京都江東区)だ。同社は2017年の30周年を機に、創業者の代表取締役会長林悦男氏が「マイホテル・マイオペレーション」を掲げ、全てがセルフスタイルでホテルや旅館を利用する未来構想を発表すると共に、同社がPMS会社からホテルエンジニアリング会社に変わっていくと宣言している。
 同社は現在、生産性向上を目的とした次世代のホテル旅館オペレーションを推奨する観点から多言語対応した「スマート PMS」の開発を進めている。第一弾として、非接触対応型・ホテル旅館向けウェブ及びモバイルアプリサービス「tapAppli」の提供を開始した。
 これは、宿泊施設の利用者が予約から滞在中、チェックアウトまで自身のモバイルで実現可能な非接触対応のソリューションを提供するもの。
 同社はこのシステムを通じ、衛生管理対策として対面接触サービスの削減、三密回避、コロナ禍における感染症リスクを軽減し、利用者と事業者双方に安心と安全を提供していきたいという。
 「モバイルチェックイン・QRコードによるカードキー発行」「モバイルチェックアウト精算・電子レシート発行」による無人チェックインやチェックアウトはもちろん、「宿泊約款などモバイルでの参照等客室ペーパーレス化の実現」「カフェ・レストラン利用時のモバイルオーダー」「モバイル端末による飲食店舗や大浴場など、パブリックスペースの混雑状況把握」といったサービスを用意する。
 例えば、チェックイン前にQRを発行することで、あらかじめ希望の部屋を確保することができる。同社によればこのサービスは「飛行機予約イメージ」だという。また、滞在中の手配品などを借りる際やアクティビティの予約がスマホで可能になるなどリゾートホテル含めて様々なニーズに対応する。
 同社は以前より宿泊施設のDX化の提案として、同サービスの開発を進めてきた。昨年来のコロナ禍によって早期の採用が期待されている。既に大手チェーン店での採用が進んでいるという。
 「tapAppli」を利用したサービスは、各施設の用途や状況に応じてカスタマイズが可能。同社もこれまでのPMSでの経験から、施設ごとの要望に対応する体制を確立している。
 このサービスを活用することで、施設は煩雑な仕事を省力化することができ、その分のマンパワーを宿泊者への「おもてなし」強化に向けることを同社は期待している。
 今後同社では、「ホテル客室・電化製品の遠隔コントロール機能」、近距離無線通信、生体認証情報などを活用した様々なスマートキーである「NFC」、「AIを用いた多言語対応のチャットボットやマップ機能を活用した観光情報との連携」機能を追加していく計画。  将来的に様々な企業アライアンスを広め周辺観光施設との相互連携やタクシー配車などの交通インフラとも繋がる「旅の統合アプリ」としてバージョンアップを進めていきたいという。
 「当社はこれからも『安全・安心・清潔・エコ・コンビニエンス』を追求し、より価値ある体験(ユーザー・エクスペリエンス)を提供するべく活動していく」(林武司社長)。

アゴーラ 東京銀座 「贅沢貸し切り」「ビジネス」プランをスタート
 「アゴーラ 東京銀座」(東京都中央区)は、4月9日にオープンしたが、それを記念して、コロナ禍でも安心して旅行ができる「贅沢貸し切りプラン」と、ビジネスパーソン向け「ビジネスプラン」も販売している。
 同ホテルは、東京観光やビジネスの拠点に便利な「東銀座」駅徒歩2分の立地にある。全97室の客室はシンプルなデザインで落ち着きある時間を提供する。
 「贅沢貸し切りプラン」は、1泊5万3600円からで、トップフロアにある「エグゼクティブスイート」と隣接の「デラックスツイン」、向かいの「エグゼクティブツイン」の3室を貸し切るプラン。
 エグゼクティブスイートはデラックスツインとコネクトできるので、2世帯家族でも安心して利用可能だ。エグゼクティブスイートのダイニングルームには、大画面のテレビ、テーブルも完備されているため、家族、友人同士で食事しながらのムービーナイトも楽しめる。また、同フロアにあるアウトドアラウンジも貸し切れるので、周りを気にせずケータリングやお酒を楽しむなど、多彩な使い方ができる。
 一方の「ビジネスプラン」は、仕事の疲れを癒せるサイズのベッドを完備した「スーペリアーキング」を用意する。1階にあるラウンジではパソコン作業、打ち合わせも可能。ラウンジではコーヒーや紅茶など、各種ドリンクを用意しているので、自身のペースに合わせ、休憩することもできる。また、朝食はホテルから徒歩3分の「PRONTO」にて、「ハムチーズトーストセット」を用意する。自宅とは別の仕事場を持つことで、オンオフの切り替えができる。
 同プランは4泊以上より、3万7000円から。

チョイスホテルズジャパン 「コンフォートイン京都四条烏丸」開業
 全国に「コンフォートホテル」「コンフォートイン」「コンフォートスイーツ」を展開しているチョイスホテルズジャパン(東京都中央区)では5月17日、京都府京都市中京区に「コンフォートイン京都四条烏丸」を開業させた。同ホテルは、京都府内で3番目のコンフォートブランドとなる。
 同ホテルは地上5階建て全63室。京都市営地下鉄烏丸線「四条」駅徒歩約5分に位置し、京都市内の各スポットへの移動が便利で、「四条」エリアは、観光やショッピングの中心地として知られており、同ホテルを拠点に京都観光を楽しむことができる。
 館内には、コンフォートブランド初の大浴場を完備。人工炭酸泉の大浴場で、宿泊者は無料で利用可能。朝食は「京都を楽しもう 京の彩り あさごはん」をテーマに、京都丹波産コシヒカリの炊きたて飯やおばんざいを中心としたメニューをビュッフェスタイルで提供する。だし巻きたまごや和風カレーを組み合わせて、「だしまきサンド」や「カレー蕎麦」など、京都ならではのメニューを味わうこともできる。
 チョイスホテルズジャパンは、北海道から沖縄まで全国各地でホテルを展開している。同社はホテルフランチャイズの加盟店の募集・指導・管理・運営。世界40カ国以上に7000軒以上のホテルを展開するアメリカのホテルチェーン「チョイスホテルズインターナショナル」の、日本におけるマスターパートナーとして、日本全国に「コンフォートホテル」、「コンフォートイン」、「コンフォートスイーツ」を展開している。

「ハイアット 東京ベイ」相互物産がハイアットとFC契約で
 「ハイアット リージェンシー 東京ベイ」(千葉県浦安市)が7月12日にオープンする。同ホテルは、ハイアットと相互物産(東京都千代田区)が、各関連会社を通じて締結したフランチャイズ契約に基づいて運営される。 
 同ホテルは、東京ディズニーリゾートや幕張メッセ、また都心からアクセスの良い浦安市のベイエリアに位置した東京湾を望むアーバンリゾートホテル。客室は10室のスイートを含む全350室、最大6名で利用可能なファミリールーム、東京湾を一望できるオーシャンビュールーム、テラスルームなど、目的や好みに応じて選ぶことができる多様な客室タイプを用意している。 
 9階以上にはクラブフロアを設け、スイート、クラブルームに滞在する利用者は専用クラブラウンジを使う。開業に伴い新設したクラブラウンジは、風や水の流れをイメージしたインテリアでしつらえ、ブッフェカウンターの天板には自然の力強さが感じられるウォールナットの銘木を使用した。
   全室にはクロームキャストを導入し、宿泊者自身のスマートフォンやタブレットを客室内の大型テレビ画面に投影して、映画や動画、音楽などを楽しむことができる。
 相互物産は、不動産開発・賃貸・運営を目的とし1963年11月に創業されて以来『添い遂げる覚悟の街づくり』をスローガンに、各グループ会社を通じて商業施設・オフィスビル等不動産の開発、運営、賃貸及び管理事業を展開している。

スーパーホテルがテレワークプラン
 スーパーホテル(大阪府大阪市)は、コロナ禍で増加したホテルへの長期滞在やテレワーク利用などの需要に応えるべく、「マンスリー&ウィークリープランキャンペーン」の販売を開始した。
 「マンスリープラン」は30連泊で12万円、1泊当たり4000円から。「ウィークリープラン」は4連泊で1万8000円からで、1泊当たり4500円。
 同社のホテルでは、天然温泉やウェルカムバーが利用可能。健康増進や疲労回復に効果があり、免疫力活性化にもつながるという天然温泉や人工炭酸泉の大浴場が利用できる。
 また、夜間のラウンジでは自分好みのカクテル作りができるウェルカムバーも利用可能。ラウンジには食事の持ち込みも可能なため、種類豊富な酒やソフトドリンクと共に密を避けて食事をとることができる。
 客室は元々「ぐっすり」にこだわって作られた防音設計のため、静かな環境で仕事に集中できる。Wi―Fi無料、オンラインミーティングにも対応できる。




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