不動産トピックス
ビル業界ミニトピックス
2021.06.21 11:41
■「都心5区のオフィス空室率を見ると昨年5月あたりから緩やかに上昇を続けておりますが、実は地方の政令指定都市(ビジネス地区)でも空室率上昇の動きがあります」と語るのは、ニッセイ基礎研究所(東京都千代田区)金融研究部の吉田資氏だ。
大手オフィス仲介会社の三鬼商事(東京都中央区)が毎月発表する「オフィスマーケットデータ」によると、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡と地方の主要なビジネス地区で緩やかに小幅の上昇が続いている。多少動きに違いはあるものの折れ線グラフは右肩上がり。現状はまだ良くとも、今後は埋め戻しが厳しいオフィスビルの発生が想定される。また吉田氏は、18日に三幸エステート(東京都中央区)と共に「『仙台オフィス市場』の現況と見通し(2021年)」と題したレポートを発表。仙台の今後のオフィス市場については、空室率の上昇と成約賃料下落の様子が垣間見える。昨年には3000坪を超えるオフィスの新規供給があったこと、また「せんだい都心再構築プロジェクト」を背景に、複数の大規模開発が現在も進行中であること、が要因と見られるが、これら新築ビルや大規模開発をキッカケに街の魅力向上にも期待している。
■在宅ワークの普及により、個室ブースへのニーズの高まりが目覚ましい。特に家具の製造販売を手掛ける事業者が多く参入する傾向にある。この傾向はある業界にも影響を与えている。
スペース内の使用時間やCO2濃度などを管理できる製品「SMASSO」を提供するスペースコネクト(東京都目黒区)の代表の福西氏は「最近、家具製造の事業者様からのお引き合いが増えています」と話す。
個室ブースをオフィスやコワーキングスペースなどに導入した後、その管理方法はある種の課題となっている。こういったスペース管理系のテックへの波及効果は今後も続くかもしれない。
■東京五輪開催まであと1か月に迫っている。テレビをつければ見ない日はないほど、各所で取沙汰されている。どの選手が出場するのか。スポーツファンにとって気にせずにはいられない話題の一つでもある。
四ツ谷の共立ビル代表の佐原氏は「前職でスポーツ関連の仕事をしていたこともあり、オリンピックの動向は気になっています」と話す。新型コロナ禍での開催となり様々な意見が飛び交う状況下。都内のエリアにプラスの波及効果が生じることに期待している。
■先週の1面に掲載した東計電算(川崎市中原区)の自動検針アプリ「AiRe」。毎月の検針及び請求業務が簡略化できるスマートフォンのアプリケーションで、管理会社や設備機器のメンテナンス会社から好評を得ているが、実は自社で不動産の管理やメンテナンスを行う不動産オーナー(ビルオーナー)からも好評を得ている。
特に各メーターの検針や確認に使用されており、書き間違いやスタッフの労力解消に効果的。オーナーの中には「視力が低下しメモリが見にくくなったので、非常に助かった」と感謝されたケースもある。