不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2021.07.05 11:35
アルメックス 宿泊施設向け公式アプリ作成サービス開始 短時間・低コストでリピーター獲得の一助に
USEN―NEXT GROUPのアルメックス(東京都品川区)では、ウィズコロナに即した宿泊施設向けの新サービスを相次いで市場に投入。今年からは新たに公式アプリ作成サービス「Stay Concierge(ステイ・コンシェルジュ)」の提供をスタートさせた。
同アプリは旅マエと呼ばれる予約時はもちろん、滞在中の旅ナカ、旅行終了後の旅アトまでサポートする機能を搭載したもの。このサービスを利用することで、短時間、低コストで自社オリジナルアプリの開設が可能となり、顧客囲い込みが可能になる。
楽天トラベルをはじめとするOTA経由の予約者に対しても、ウェブ上でチェックイン手続き等を促す機能も搭載。あらかじめアプリ利用者へQRコードのデジタル証を発行し、ウィズコロナ時代での非対面・非接触で、双方にとって安心・安全なホテルオペレーション作りを支援する。
予約からチェックイン後の照明操作、VOD再生、ルームオーダー機器連動が可能なほか、コンシェルジュとしての機能も装備する。メインページが予約機能とコンシェルジュ機能に分かれており、コンシェルジュ機能は予約をした店舗や滞在中の店舗ごとにカスタマイズされているため、予約中ホテルのルート案内やルームオーダーを素早く呼び出せることができる。
デジタル会員証を発行すればQRチェックインも可能だ。会員証をデジタル化してスマートフォンアプリで管理できるため、QRコードを表示してスマートチェックインができ、各種システム連携で様々な機能を提供する。
アプリ機能の一部に関しては、特許出願中で、今後はホテルブッキング会社との連携も予定している。
アルメックスが提供する他商材と連携することもできる。例えば、AndroidSTBを用いた客室向けテレビシステム「IoT Terminal」は、宿泊施設の客室に専用端末を設置することで、施設側が宿泊者の滞在状況を可視化することができるセンシング技術を活用した製品として開発。
これにより、客室の室温や湿度を計測し、コントロール機能と連携し、快適な空間を提供することができる。また、照度や消灯時間の把握、テレビの視聴状況等のデータを蓄積し、滞在状況の把握などに活用することが可能だ。
同製品は前述の「ステイ・コンシェルジュ」で作成された公式アプリと連動することで、ゲストのスマートフォンがテレビのリモコン替わりとなり、テレビやビデオ・オン・デマンドなどの映像サービスの操作や、空調、照明などのコントロール、さらにルームオーダーなどが可能になる。コロナ禍で、非接触がキーワードになっており、ゲストへの安心・安全を提供する。
従来の客室インフォメーション機能では、管理画面から簡単に作成できる設計を施し、館内施設の案内や観光、周辺案内などは動画もアップロードできるようにし、客室内ペーパーレス化にも便利に活用することができる。その他、1000タイトル超の映画・ビデオタイトルを備えた映像サービスや客室ごとのWi―Fiアクセスポイント、ミラーリング、館内施設混雑状況表示機能など、客室滞在での快適性を追求したサービスとなる。
ロイヤルホテル×さくらインターネット IT企業との人材交流スタート クラウドビジネスの創出目指す
クラウドコンピューティングサービスを提供するさくらインターネット(大阪府大阪市)では、リーガロイヤルホテルなどを運営するロイヤルホテル(同)と、両社の社員が互いの会社へ出向する人材交流を7月1日よりスタートさせた。
今回の人材交流では、さくらインターネットは、ロイヤルホテルのホスピタリティを学び、自社の「CS(カスタマーサクセス)」の向上を図ることで、さらに顧客のニーズに沿うサービス創出を目指していく。一方、ロイヤルホテルは、さくらインターネットのクラウドコンピューティングサービスを含めたITスキルを学ぶことで、自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していく。 独立行政法人情報処理推進機構の調査によると、海外ではIT企業以外に所属する情報処理・通信に携わる人材の割合が5割を超えているのに対して、日本では3割を切っている。
このようにIT企業以外で、IT人材が少ないことからシステムの自社開発が難しく、外部発注に頼らざるを得ない状況が、日本でのDX実現の大きな壁となっている。外部発注の場合、会社の成長状況や業界の変化へ対応するための改修に発注作業が毎回必要となり、多大な時間を要するのが現実だ。それに対し自社開発の場合は、会社の状況や業界の変化へ柔軟に対応でき、DXの迅速な推進が可能だ。
さくらインターネットは、日本のDXを推進するクラウド事業者として、この課題を解決したいとの思いから、今回の人材交流に至った。今後も、同社はIT企業以外との協業および人材交流を積極的に行っていく計画だ。
今回の交流を通じて、ロイヤルホテルの「ホスピタリティ」とさくらインターネットの「クラウドコンピューティングサービス・ITスキル」を兼ね備えた人材を育成し、日本のDXを推進する新たなクラウドビジネスの創出を両社で目指していきたいという。
東急リゾーツ&ステイ 館内に貸し会議室を併設
東急リゾーツ&ステイ(東京都渋谷区)では、企業の宿泊研修や勉強会、展示会等に対応する為、貸し会議室を運営・経営するTCフォーラム(東京都新宿区)と「東急ステイ新宿イーストサイド」(同)で提携し、ホテル内に貸し会議室「AP東新宿」を併設していく計画だ。
東急ステイとTCフォーラムの既存施設において初めてとなるホテルと貸し会議室の一体化により、会議や研修場所を探す企業の担当者は同時に宿泊施設を探す手間がなくなる。また施設利用者には、東急ステイの特徴である客室内の洗濯乾燥機や快適に仕事ができるライティングデスクを常設、一部の客室ではミニキッチンも備わっているため、2泊から1週間以上など長期研修等でも、自宅を出るときに最少の手荷物で利用することができる。
ホテルと貸し会議室が一体である事により、従前の客室と貸し会議室それぞれの用途に限定しない新たな使い方を提案する。コロナ禍に端を発した社会情勢の変化も相俟って、会議室の使用方法はリアルのみの運営からオンラインを交えたハイブリット型の会議室運営が求められている。「AP東新宿」では、これらの要望に対応するためウェビナー「インターネット上で配信するセミナー」も可能な設備を整える。
これらのオンライン化とホテルと貸し会議室一体である事によって、従前の使用方法に限定しない“使い方”も計画。例えば、研修後の客室では、「当日の研修内容を録画し研修生へ配信、客室にいながら当日の復習ができる環境」の構築や、展示会用途では、「リアルの展示会(会議室)×出展者とのweb通信(客室)」を可能にし、関心ある場合は出展者の客室へ移動し、商談といったことが可能になる。
スーパーホテル 国内146店目を河口湖近くに
「Natural,Organic,Smart」をコンセプトとして、地球にも人にも優しいホテルを目指すスーパーホテル(大阪府大阪市)では、7月16日に国内164店舗目となる「スーパーホテル富士河口湖天然温泉」(山梨県南都留郡)を開業させる。富士急ハイランドや地元飲食店とのコラボなど、山梨ならではの取り組みで地域活性化を狙っていく。
同ホテルは、富士急行線「河口湖」駅より車で約5分に位置、建物構造RC造5階建て、客室数105室。
客室では従来のユニットバスタイプではなく、フルセパレートタイプの客室を初めて設置。今後ますます観光需要が拡大されることを見込み、複数名での利用者に朝からゆったりと身支度してもらえるよう用意した。
女性の美容と健康を考えたレディースルームにも同タイプの浴室を用意。レディースルーム限定で美容ブランドReFaの肌を美しくするシャワーヘッド「ReFa FINE BUBBLE」を試すことができる。
同社オリジナルのプランとして提供する「富士急ハイランドフリーパスプラン」は、富士急ハイランドの絶叫マシーンに一日何度でも乗り放題のチケットがセットになったプラン。また、「地元飲食店のお食事券セットプラン」は、富士河口湖でしか味わえない地元の人気飲食店の食事券が付いたプラン。山梨名物「ほうとう鍋」を味わえる店をはじめ、提携店舗を拡大させている。
京都センチュリーホテル 2タイプのコンセプトルーム新設
京都センチュリーホテル(京都府京都市)は、創業93年を迎え新コンセプト「Nostalgic Journey」を掲げ今年4月1日にリブランドしたが、このほど、コロナ禍における新しい生活様式に合わせた2種類のコンセプトルームを7月1日より各1室ずつ新設した。
「テレワークルーム」は、コロナ禍で多様化した働き方や学習スタイルに合わせ、ホテルの客室でありながら、シェアオフィスのような個室空間を提供。室内はベッドの代わりにリクライニングチェアを配置しており、広々としたスペースを確保しつつリラックスも可能。オンラインミーティングや電話、資料を広げての仕事も、ホテルの客室で安全・安心・快適に行うことができる。
一方、「アニバーサリールーム」は、「レストランでの祝いはありきたり」と感じる人や、」特別感のあるかわいらしい装飾のお部屋でお祝いをしたいけれど、良い場所が見つからない」といった要望に応えるコンセプトルーム。
ホテルメイドのケーキ付きのため、部屋に着くまでにこっそり準備をする必要もない。扉を開けるまではコンセプトルームとはわからない仕様となっており、サプライズでの祝いも可能だ。