不動産トピックス
今週の一冊
2021.07.26 14:20
トランクルーム需要はどうなる
なぜトランクルーム投資が注目されているのか? 自己資金100万円台ではじめる不動産投資
著者:浦川 浩貴
発行日:2021年5月28日
発行所:幻冬舎
価格:800円(税別)
投資対象の拡大が止まらない。「かぼちゃの馬車」事件のシェアハウス投資、コインランドリー投資、太陽光発電投資、仮想通貨とやらまで。情報収集だけで一苦労だ。「いっときブームになった太陽光発電投資は、かつてのうまみはすでになくなっていますし」(はじめに)、コインランドリーは店舗乱立で利益は出にくくなっているとか。「一見して手を出しやすい投資先でも一筋縄ではいかない」が、なかなか実感しにくいものだ。さて、本書がすすめる「トランクルーム投資」は、初心者でも成功する確率が高い投資だという。
著者はトランクルーム投資会社で都内に投資用のトランクルーム26店舗を展開。今後更に増やすというが、さてトランクルームはマンション投資とは違い、駅近でなくても築古物件でも可能、トラブルが少ないといったメリット多数。本書ではデメリットは「初期費用と集客のみ」とあるが、需要が減少する可能性については触れていない。トランクルーム仕様事例も「定年退職後の趣味のスペース」、「手作り商品の在庫置き場」、「捨てられない人のモノの置き場」などどこか浮ついているように見える。少子高齢化が一層進めば、都心の極小マンション住人は増加しトランクルームを利用するだろうか。新しい投資商品を探している方は是非本書の予想が絵空事かどうか、じっくり考えてほしい。