不動産トピックス

第23回不動産ソリューションフェア 注目の出展企業・セミナー紹介【飯沼総合法律事務所】

2021.08.10 11:18

 ビルオーナーが業務や法律に関わる最新情報を常にキャッチしておくことで、将来の経営戦略を練っていくことが可能となる。不動産ソリューションフェアではブース、セミナーで最新の情報をプロがお伝えする。今回、紹介するのは業務効率化を支援するクラウドサービスと、民法改正などを取り扱うセミナーだ。

コロナ禍で増加する中途解約、オーナーの対処法は
【セミナー】飯沼総合法律事務所 弁護士 児玉譲氏
「テナント中途解約の場合の貸主の損失カバーの方法~違約金や保証金の償却など特約の有効性」
9月16日(木)15:40~16:30 B会場

 弊紙コラムでお馴染み、飯沼総合法律事務所(東京都中央区)の児玉譲弁護士によるセミナー開催を本年も開催する。今回のテーマは「テナントの中途解約」である。
 賃貸ビルに入居するテナントは、飲食業態を中心に売上低迷に伴い賃料の負担が大きな重荷となりつつある。既にオフィス・店舗の縮小や統廃合の動きは加速しており、契約期間を一部残しての解約や、一定期間の賃料未払いによる明渡し請求事例は増加している。 保証金が貸付金の意味であれば、期間満了の場合には保証金の全額返還につながるのだが、期間満了の場合に全額返還ではなく保証金の一部を償却する(返還しない)との特約も少なくない。
 過去の判例では、期間満了の時に返還されない保証金の償却部分を、賃貸建物の損耗の補償などを目的とするものとして、約定の期間のうちの賃借利用期間の割合に応じて保証金の償却部分を按分して返還しない額を定めることができるとの見解を示している。
 だがこれでは、賃貸人としては期間の中途で解約された場合、残存期間の賃料への期待が害され新たな賃貸のコストも生じ、それらの補てんとしては不十分となってしまう。そこで特約において、中途解約の場合は保証金を返還しない(全額没収)と定めるケースも生じる。こうした特約は、契約自由の原則により有効のようにみえる一方で限界があり、賃貸人の損失に比して過大な額の負担となるような特約は暴利行為で無効とされる恐れがあるため注意が必要だ。本セミナーでは過去の判例を交えながら、中途解約の場合でもオーナーが不利益を被らない対処法を解説する。




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