不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2021.08.10 11:03

グローバルエージェンツ 若年層ターゲットに新ブランド始動「ライブリーホテルズ」事業の柱に
 6ブランド11ホテルを運営しているグローバルエージェンツ(東京都渋谷区)はこのほど、6ブランドを統括。アンブレラ・ブランドとして新たに「LIVELY HOTELS(ライブリーホテルズ)」をリリースする。
 ブランドコンセプトは、「自分をアップデートする場所」。従来型ホテルのただ寝るという機能的価値ではなく、滞在を通してゲスト自身に何らかのアップデートが得られる「体験価値」を提供していこうというもの。
 同ブランドでは、全てのホテルでクリエイティブなデザインと世界観でコンセプトを表現。建築デザインからインテリアデザイン、グラフィックデザインといったビジュアル面のデザインだけでなく、見落とされがちな機能デザインも細部に至るまで設計し、非日常感と、使いやすさの両立を追求した。
 また、コンシェルジュではなく新たに「キュレーター」と呼ぶ役職を配し、予約まで含めて何でもするというスタンスではなく、できることはゲスト自身で、そしてホテル側は情報の蓄積と編集に特化してゲストに届けるという、これからのホテルにおけるゲストホスピタリティのあり方にチャレンジ。
 各ホテルで、ホテル周辺地域とのネットワーキングを積極的に行い、魅力や情報を蓄積・編集し、ゲストの属性、滞在期間、利用頻度などに合わせて最適な情報を届け、発見や気づきなどゲスト自身のアップデート機会を提供する。
 従来の都市型ホテルでは、ビジネス利用が主体で年齢層も30代以上が中心であったのに対し、ライブリーホテルズでは、宿泊者の7割を20代が占め、コロナ禍における新たなニーズを創出しているという。   若年層に向けて同ホテルズでは、100種類を超えるゲームや生活家電などのレンタルアイテム、カジュアルから高品質まで揃える豊富なコスメアメニティを取り揃え、自宅のような感覚で利用できるよう配慮した。
 同社ではゲストとの長期的なリレーション構築にはDX化が必要不可欠と捉え、2019年より本格的なDX強化に着手。現在ではPMSを自社開発し業務を徹底的に効率化。2020年にはモバイルシステムを開発し、部屋のリクエストからルームサービスまでゲストのスマホで全てが操作可能な滞在スタイルを提供している。
 2021年からはCRM(顧客管理システム)も自社開発し、高度なデータマネジメントによりパーソナライズされたサービスを、スタッフ一人ひとりが等身大のホスピタリティマインドで行うことで、ゲストとの強いエンゲージメントを生み出し、選ばれつづけるホテルとなることを目指していく。

「スマイルホテル」年内に2棟オープン
 全国でホテルやスキー場、ゴルフ場などのホスピタリティ事業を展開するホスピタリティオペレーションズ(東京都千代田区)では、年内に2棟を相次いでオープンさせる。
 9月1日には三重県名張市に「スマイルホテル名張」をリブランドオープン。同社グループが運営する三重県内のホテルとしては、「プレミアリ ゾート夕雅 伊勢志摩」に続く2店舗目。「スマイルホテル」「スマイルホテルプレミアム」ブランドのホテルとしては県内初、全国では64店舗目の出店となる。
 同ホテルは、近畿日本鉄道大阪線「名張」駅から徒歩約1分に位置。
客室数は全83室、シングルルーム、ツインルームの他、キッチン付きの デラックスツインルームがあり、用途に応じて選ぶことができる。
 また、大小4つの会議室もあり、スクール形式で最大156名まで収容可能。
 一方、11月28日にオープンする予定なのが、「スマイルホテル金沢西口駅前」(石川県金沢市)だ。同ホテルは、石川県内では、「スマイルホテル金沢」に次ぐ2店舗目。「スマイルホテル」「スマイルホテルプレミアム」ブランドのホテルとしては、全国で63店舗目の出店。新築グランドオープンとしては、今年に入ってから5店舗目となる。
 同ホテルは、JR「金沢」駅西口から徒歩約4分に位置。北陸ビジネスの拠点として、また兼六園や金沢21世紀美術館など、人気観光地への拠点としても至便な場所にある。
 客室は、ダブル・ツイン・ユニバーサルの全153室。内装は、歴史と伝統を感じさせるデザインをテーマに、金沢ならでは、加賀友禅の基調色といわれる「加賀五彩」を随所に配置。コントラストのある色彩を実現した。
 ホスピタリティオペレーションズは、全国でホテルはもちろん、スキー場、ゴルフ場などを展開している。また近年は、グループ会社の独立系ホテルネットワークから「スマイルホテル」へのFC加盟も増加している。

マリオット ”モクシー”が京都に上陸
 世界最大級のホテルチェーンであるマリオット・インターナショナル(本社・米国メリーランド州)は、同社が展開する30ブランドの一つであるモクシーブランドとして、7月1日に「モクシー京都二条」(京都府京都市)を開業させた。
 同ホテルは、「モクシー東京錦糸町」、「モクシー大阪本町」、「モクシー大阪新梅田」に続く日本国内で4軒目、京都初進出となる。
 同ホテルは、JR・京都市営地下鉄「二条」駅から徒歩3分に位置、京都駅や市内の主要観光地とのアクセスに便利な立地にあり、大阪国際空港からも車を利用し1時間程度でアクセスが可能な場所にある。
 24時間オープンのロビーラウンジでは、ゲスト同士が思いのままに遊べるカードゲームやボードゲームを用意。同ブランドの特徴である共同スペースのライブラリーは、自由に使えるデスクや快適な椅子を並べ、「クリエイティブなアイデアを刺激する広々とした空間で、京都の旅のアイデアを練ったり、ワークススペースとして活用したりと目的に合わせてご利用いただけます」(同社)。
 158室の客室は、プレミアムルームの「さくら」、高層階の「もみじ」、低層階の「うめ」の3カテゴリー。ベッドタイプはツインまたはクイーンの2タイプを用意。木目調の壁紙や家具が特徴で、シモンズ製ベッドマットレスや空間を有効活用できる折り畳み式の家具を備え、「ゲストが好みに合わせ快適に滞在いただけるよう機能的にデザインされています」(同社)という。
   モクシーホテルは、ミレニアル世代をターゲットに、節約志向の旅行者向けブティックホテルというコンセプトの下、スタイリッシュなデザインとリーズナブルな価格で利用できるサービスを組み合わせたブランド。

プリンスホテル タッチパネル式スマートミラー導入
 通信、IT、ビルディング・オートメーション技術を提供するSanko IB(東京都港区)は、静岡県熱海市にオープンした「プリンス スマート イン 熱海」の客室に、ICTを活用したタッチパネル式のスマートミラーを提供した。
 同ホテルは“イノベーションを追求する次世代型ホテル”であり、Sanko IB はICTを活用した最先端のスマートなサービスとしてタッチパネル式のスマートミラーを提供するもの。 
 スマートミラーは、ホスピタリティ業界向けにカスタマイズされたタッチパネル式のミラーに、館内案内などのホテルインフォメーション、時刻、天気予報などの旅行時に必要な情報を表示する。
 「プリンス スマート イン 熱海」では、ホテルインフォメーションや天気予報のほか、世界時計、音楽のコンテンツを表示。日本語と英語の言語選択が可能。朝の身支度の合間や就寝準備時間の合間など、ゲストの旅行に必要な情報をサポートする。
   同社では、ホスピタリティ業界の様々なグレードのビジネスに貢献すると共に、今後もスマートミラーを活用した製品、サービスを公共施設や病院、オフィス環境など、様々な場所への展開も検討している。
 「プリンス スマート イン 熱海」は、プリンスホテルのイノベーションを担う新しいホテルブランド「プリンス スマート イン」2号店として静岡県熱海市にオープンした次世代型ホテル。

ベルーナ 「定山渓ビューホテル」改装
 ベルーナ(埼玉県上尾市)の子会社であるグランベルホテル(東京都中央区)では、8月1日に「定山渓ビューホテル」(北海道札幌市)をオープンさせた。今回のオープンに際し、ロビーやラウンジ、売店等の改装を実施した。
 同ホテルは、JR「札幌」駅よりバス約66分に位置、客室数は全647室。
 全647室の客室には青畳や木の香りが特長の和室や高級感あふれる洋室、和室に洋間がついた広々とした空間の和洋室、窓から180度パノラマの景色を楽しめるコーナースイート、最上階に位置する贅沢な特別室を用意する。
 館内にある約4000㎡の総面積を誇る道内最大級室内プール「水の王国ラグーン」は、子供から大人まで楽しめる多彩なアトラクションを揃えている。そのほかにもレストランや露天風呂に加え、大小さまざまな会議室や宴会場を完備している。

アパホテル 京都・舞鶴にFC加盟店
 アパホテル(東京都港区)では、エヌ・ブィ・エフサービス(京都府京都市)とフランチャイズ契約を締結、7月27日に全84室の「アパホテル〈西舞鶴駅前〉」としてリブランドオープンさせた。
 同ホテルは、JR「西舞鶴」駅から徒歩3分に位置、鉄筋コンクリート造陸屋根8階建て。舞鶴市は、近代日本有数の軍港「舞鶴港」の港湾都市として栄え、近年舞鶴港は、対岸地域である北東アジアとの貿易機能と、京阪神地域の交通インフラを活用した最適な国際物流港としての重要性が高まっている。 また、「海の京都」と呼ばれる京都北部地域は、日本三景の1つ「天橋立」を有し観光業が盛んで、ビジネスはもちろん、国内レジャー、インバウンドなど幅広い宿泊需要を取り込んでいく。 
 開業にあたり、フロント、ロビーのリニューアルを実施。客室には50型大型液晶テレビ、照明スイッチ等を集約した枕元集中コントローラーを導入した。 
 フロントにはアプリチェックイン専用機を導入。公式サイト・アパアプリで予約し、アプリ上で事前にクレジットカード決済をするアプリチェックインを行うことで、当日のチェックイン手続きを大幅に簡素化することができる。




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