不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2021.09.06 10:44

KPG 「富裕層向け」宿泊施設を沖縄・箱根に バケーションレンタル事業を拡大
 ホテルはもちろん、リゾート、レストラン、スパ、エンターテインメントなど多岐にわたる事業開発や宿泊施設運営を展開しているカトープレジャーグループ(KPG 東京本社・東京都千代田区)では、スタイルの異なる宿泊施設を相次いで開業させる計画だ。インバウンド需要消滅で苦境が続く宿泊業界の中で、富裕層向けに特化した施設を展開している同社は、独自の路線を歩んでいる。
「中村正人」氏私邸10月より貸し出しへ
 同社は新たな宿泊施設の在り方として、「バケーションレンタル」を提案しているが、10月より「GLAMDAY VILLA OKINAWA 中村邸」(沖縄県匡頭郡)を開業させる。
 この施設は静岡県熱海市にある「GLAMDAY VILLA海森風」に続くもの。「沖縄の絶景の地で自由・贅沢を愉しむ新しいスモールラグジュアリーリゾートとして、1日たった一組だけをお迎えします」(同社)。
 同施設は編曲家・作曲家「中村正人」氏の私邸を今までにないバケーションレンタルの新しい業態としたもの。
 それぞれが望むかたちを愉しめる新しいリゾートとして、最大9名までのグループや家族で利用することができる。従来のバケーションレンタルという方式に、ホテルサービスを付加し、宿泊客の要望に合わせたバトラーのおもてなしと共に自由で贅沢な滞在を提供する。
 中村氏とその家族が世界各地から集めた家具や調度品をそのままに、中村氏の世界を共感することができる。広大なガーデンにあるプライベートプールからは東シナ海に沈むサンセットが臨め、ナイトシーンでは一面に輝く満点の星空がラグジュアリーリゾートを演出。完全プライベート空間だからこそ叶う非日常が体験できるという。
 ダイニングキッチン、3つのベッドルームを設置。リビングから続くオープンエアテラスではバーベキューや、カジュアルなパーティー、沖縄の赤瓦が特徴的なガゼボを利用したウエディングなど様々な利用を期待している。
 夕食は沖縄の代表的な食材を使ったGLAMDAY VILLAスタイル・バーベキューコースから、食事スタイルを選ぶことができる。
 同社は沖縄で「1000室プロジェクト」を打ち出し積極的に展開。現在、リゾートホテルとして「カフーリゾートフチャクコンド・ホテル」、「オキナワグランメールリゾート」など合わせて600室以上を運営。2020年までには1000室まで拡大していきたいという。
新「ふふ」ブランド来年1月に開業
 同社はまた、不動産大手ヒューリック(東京都中央区)との合弁会社であるヒューリックふふが経営する「ふふ 箱根」(神奈川県足柄下郡)を2022年1月26日に開業させる。
 同施設は、「森林の香り 岩と草花 箱根連山が広がる山のリゾート」がコンセプト。「自然の光とリンクした日本を感じる穏やかな空間の中に、箱根らしい力強い岩と草花が深みを演出し、大自然の中にいるようなラグジュアリーリゾートです」(同社)。
 客室は全39室全てスイートルームで8タイプ。「日本の木々を感じる客室は、整った美しい設えの中に、箱根らしい力強い岩石、繊細な竹細工の花器に生けられた季節の草花が山のリゾートを彩っています。大きなソファやデイベッドが配されており、眼前に広がる箱根連山を前にゆったりとした時間をお過ごしいただけます」(同社)という。
 大浴場は、箱根連山を目の前に絶景が広がり、木々の隙間からのぞく幾重にも重なる山々が望めるロケーション。温泉は、大浴場と客室で異なった泉質を用意。
 大浴場は乳白色のにごり湯。一方、客室はアルカリ性のしっとり湯。また、スパには、ヒノキのおがくずに包まれる酵素浴を用意する。
 「ふふ」シリーズは、都心から1・5~2時間程度の距離にある温泉リゾート地を中心に、高級旅館の開発・取得を進めており、これまでに「熱海 ふふ」(静岡県熱海市)、「河口湖 ふふ」(山梨県南都留郡)などを開業させてきた。
 「日本でトップレベルの高級旅館の運営を目指すことで、旅館運営のノウハウを蓄積し、所有と運営の両面から、成長産業での競合優位な事業ポートフォリオの構築を図る。

シャトレーゼグループ カフェ店舗併設リゾート
 長野・山梨・静岡エリアで複合リゾートビジネスを展開するシャトレーゼリゾート八ヶ岳(長野県南佐久郡)は、グループ会社の菓子専門店「シャトレーゼ」が全ての店舗で販売する「バウムクーヘン」商品の製造事業を新たに展開するため、長野県南佐久郡小海町内に製造工場を竣工した。
 この工場には、シャトレーゼのプレミアムブランド「YATSUDOKI(ヤツドキ)」の店舗・カフェを併設し「YATSUDOKI TERRACE(ヤツドキテラス)」として営業を開始した。
 この「YATSUDOKI TERRACE」は、同社施設「石和温泉(山梨県)~湯けむりとワインの宿~富士野屋」に次ぐ国内2店舗目となる。シャトレーゼと顧客をつなぐ新しいコミュニケーションの業態として、同社施設を中心に展開を加速。今後も出店を継続し、シャトレーゼプレミアムとして新しいライフスタイルを体感できる施設として醸成させていく計画だ。
 カフェでは、バウムクーヘンの焼成作業などの製造工程が見学できる設計になっており、シャトレーゼのバウムクーヘンが焼き上がる様子を間近で見学できるのは世界で初めてのこととなるという。
 車で3分ほどの場所には、同社が保有する「小海リゾートシティ・リエックス」を構え、宿泊、ゴルフ、スキーなどが楽しめる。

スーパーホテルが徳島に新店をオープン
 スーパーホテル(大阪府大阪市)は、7月30日に国内165店舗目となる「スーパーホテル徳島・小松島天然温泉」(徳島県小松島市)をオープンさせた。小松島西高校や地元飲食店とのコラボプラン、お遍路さん応援プラン等で地元を応援し、宿泊客と共にSDGsを推進していく。
 同ホテルは、「徳島空港」より車で約30分に位置、RC造、8階建て、客室数は99室。
 同ホテルオリジナルのプランを用意する。小松島西高校食物科の学生が地元の食材を使った地産地消の献立を考え、企画した弁当が付いたプランや、四国八十八箇所を巡礼される「お遍路さん」を応援するプラン、港町小松島ならではの新鮮魚介を生簀から取り出しその場で調理する店や、阿波牛など徳島県を存分に味わえるラインナップの飲食店と提携するなど様々なサービスを提供する。
 館内にある天然温泉「金長の湯」は、あらたえうずしおの湯から運んだ天然温泉で、美肌はもちろん、神経痛や腰痛症などに効果的と言われている。健康増進や疲労回復も期待できるという。

湯快リゾート 九州4カ所目、大分初出店
 温泉リゾート体験を提供する湯快リゾート(京都府京都市)は、大分県初の出店となる「別府鉄輪温泉 湯快リゾートプレミアム ホテル風月」をオープンさせた。
 同施設は九州エリアでは4館目。ワンランク上の食と空間を提供するホテルタイプ“湯快リゾートプレミアム”となる。JR「別府」駅からバスで15分に位置し、客室は北館で洋室67室・和室3室、南館は和室26室の合計96室。随所に別府特産となる竹細工の意匠を施し、落ち着いた趣きのスタイリッシュなパブリックスペースや、天然温泉の大浴場、屋上露天風呂などを配置する。
 食事は、大分県を代表する高級食材“豊後牛”はローストビーフ握りで、市場直送の海鮮はお寿司やお造り、別府ならではの温泉蒸篭蒸しを提供する。
 また、ホテルには「里の駅 かんなわ」や「日帰り温浴施設 夢たまて筥」が併設されている。




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