不動産トピックス
今週の一冊
2021.10.25 10:39
公正価値を知る意味は?
ビジネス図解 不動産評価のしくみがわかる本
著者:富田 建
発行日:2021年8月16日
発行所:同文館出版
価格:2,000円(税別)
「不動産売買で損をしないためには、『世間一般から見て妥当と判断される価格』、すなわち『公正価値』を把握し、自身の行おうとする売買が不利か否かを検討するとよい」という。当たり前ではあるが、そうそう上手くいかないのが不動産ビジネス。公正価値を把握していたとしても、購入希望者が二人いれば価格は上昇するだろう。「評価の仕組み」をしっかりと理解しておこう。
さて著者は不動産の価格は、「得体のしれないもの」という。そして本書で「不動産評価の基礎知識から価格の本質、法令や税務、鑑定評価実務、相続や立退きなどの問題と解決策まで」を、不動産鑑定士であり、公認会計士・税理士の著者の経験から得た豊富な実例を交えて解説。新築戸建て相場の調べ方や相続時の不動産評価、立退料の鑑定評価、伝家の宝刀の開示請求、現地調査の心得など広くカバーした1冊。「プレーヤーへの提案」として「過度の迷惑営業や善良な一般の方を欺いて自己の利益を獲得しようとする者もなくはないでしょうが」、社会全体にプラスになる業務であるかもという意識の上で本書を活用して活躍頂きたいとのことだ。公正価値の提示の意義を今一度かみしめよう。