不動産トピックス
クローズアップ VR・CG編
2021.11.08 12:04
打合せをオンライン上で行う企業が増えた。在宅勤務やリモートワークでも対応できるため、普及が進んだことが背景にある。と同じようにVRやCG等による技術も進歩。不動産業界でも採用する企業は増えており、同様に自宅や外出先からでも手軽に閲覧できることが採用に繋がっている。
バーチャルフォトステージング CG再現でリーシングに活用
PeeVee(ピーヴィー、東京都中野区)は、バーチャル技術やCGを駆使した、不動産事業者向けのプラットフォーム「REPMP(リプンプ)」を提供している。
REPMPは、バーチャル上でのインテリアコーディネートを可能にしたサービス。入居前の空き部屋に家具・家電などを配置したイメージ空間をプラットフォーム(サイト)上で観ることができる。新築・中古・賃貸・リフォーム物件などジャンルを問わず、室内空間をCGで再現可能。業者はモデルルームを用意する必要がなくなり、モデルルーム用のコストも抑えることができた。室内のデザインは希望にあわせて自由に変更でき、入居前のインテリアを楽しむことも可能。加えて360度のパノラマサービスは、スマートフォンやタブレット端末などからも拝見できる。
新たな入居先や売買物件・投資物件の様子を確認したいクライアントに対し、部屋の様子を提供できる点が好まれている。既に賃貸用住居のリーシングや売買物件の紹介に必須となった。昨今は新築オフィスビルのリーシングツールに活用されている事例も増えており、同社もビル分野の開拓に余念が無い。
システム事業部の杉浦学氏は「2017年にサービスを開始して以降、対面営業の削減や早期に販売活動が行えること、安価にモデルルームのようなイメージの部屋をHPやサイト上に掲載できることなどが、導入した事業者から好まれています。必要な資料も『寸法入りの間取り図』や『工事概要書』、『物件の構造が確認できる写真(施工前)』と、不動産に携わる事業者なら簡単に用意できる内容です。その点も導入を検討しやすい要因と思います」と語る。
更に同社のサービスは割安と納期が短いことが強み。例えば、写真にCG画像を合成した「バーチャルフォトステージング」は、画像1枚につき1万円から。静止画、パノラマ360度に対応しており、柔軟性も高い。一方、フルCGで制作する「バーチャルステージング」では、画像1枚につき5万円から。こちらも静止画、パノラマ360度に対応し、フォトステージングより多少期間は必要となる。
杉浦氏は「当サービスを導入すれば、不動産販売や仲介業務において施工段階から営業活動やリーシングができます。コロナ禍においてリーシングのスタートは早い方が断然良く、かつ入居や購入に繋がりやすい感度の高いクライアントへ結びつきやすいです。自社の保有物件に生かせるかどうかを自身で見極めかつ悩むのではなく、一度企業へ相談してみることが良いと思われます」と語った。
スペースリー いい生活とシステム連携 不動産会社の業務をクラウドでサポート
スペースリー(東京都渋谷区)は、不動産市場のIT化を推進するクラウド・SaaSを開発、提供する不動産テック企業のいい生活(東京都港区)が運営する全国約1400社、4000店舗以上の不動産会社の日々の業務を支えるクラウド・SaaS「ESいい物件One」において、先月28日よりVRクラウドソフト「スペースリー」の物件情報データ連携を開始した。京王不動産(東京都渋谷区)における連携を皮切りに、今後不動産会社の日比谷の業務改善のためのシステム連携を展開する。
今回のシステム連携によって、不動産事業者は「ESいい物件One」に登録した賃貸物件情報を「スペースリー」にデータ連動することで、取り込んだ物件情報をもとにVRコンテンツを自動作成することが可能になる。これにより、内見業務を効率化すると同時に、不動産業界の課題でもあるテレワークの普及につなげる狙いがある。
スペースリーでは今後も、VRと空間データ活用のためのプラットフォームとして、人々の生活の根幹である住まい・不動産の市場が、今よりもさらに良いものになるようなITサービスを提供するとしている。
間取りを実物大で体感できる3次元LEDシアター
ROOVは10月9日にグランドオープンした日鉄興和不動産(東京都港区)の新築分譲マンションの合同サロン「LIVIO Life Design!SALON UENO」に採用された。
新築分譲マンションでは、物件の建設地近くに建設する物件毎のマンションギャラリーにお客を招き、豪華なモデルルーム体験や様々な情報・資料で商談を行う販売手法が長年取られてきた。日鉄興和不動産ではその長年のビジネスモデルをクライアントの視点で見直し再構築。その結果、合同サロンである「LIVIO Life Design!SALON UENO」の開設となった。あらゆる間取りを実物大で体感できる3次元LEDシアターにROOVが採用され、これまで2次元の図面のみで検討するしかなかったモデルルーム以外の間取りを、さらにイメージしやすくなった。