不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2021.11.15 10:31
湘南レーベル ”サウナ&ステイ”をテーマに平塚の施設をリニューアル
DDホールディングス(東京都港区)の連結子会社である湘南レーベル(神奈川県藤沢市)では、神奈川県平塚市で企画運営していたホテル「THE HOURS」を湘南のサウナ&ステイをテーマにしたホテル「3S HOTEL HIRATSUKA」としてリブランドオープンさせる。
同ホテルは、平塚駅より徒歩4分に位置し、客室数は全139室。今回のリブランドでは、1階にあるフロント&ロビー部分を大きく改造し、サウナ&温浴を新たにオープン。「セルフロウリュできる本格フィンランド式サウナは檜の香りに包まれ、より上質なサウナ体験をお楽しみいただけます。また外気浴室・水風呂も完備しており、出張や仕事の疲れを存分にリフレッシュできます」(同社)。
サウナ&温浴は、宿泊者以外にも利用することが可能で、3時間の客室利用とサウナ&温浴がセットになったショートステイを用意。仕事帰りや旅の途中に立ち寄ることもできる。
同社はこれまでに、ビジネスホテルとして、「THE HOURS」「PARK IN HOTEL ATSUGI」「Travel inn」、カジュアルホテルとして「8HOTEL」など、コンセプトに合わせたブランドを展開してきた。
もともと、主要顧客を絞り込んだブランディングを進めてきた同社だが、更なる戦略として、それぞれコンセプトを合わせたブランドとして統一感を持たせていく考えだ。
同社は2007年の創業以来、「湘南を世界のSHONANへ」というスローガンのもと、「湘南の感度の高いビーチカルチャー」をベースとした、人々の暮らしにかかわる事業に注力。ホテル運営事業はじめ、飲食事業、貸コンテナ事業、賃貸事業、戸建て不動産販売事業、貸別荘事業等を展開している。
基本的にはオーナーから土地・建物を借り上げて管理・運営するビジネスモデルだが、「湘南」ブランドを最大限に生かした不動産活用提案が、同業他社との一線を画している。
例えば若い世代に向けたシェアハウス「SUNNYSIDE INN」。鎌倉市材木座の第一号は、海を臨む屋上テラス、サーフボードラック、住民達が集えるウッドテラスを完備した全10室。オンライン英会話会社との提携により、湘南で暮らしながら学びをシェアする「湘南留学」が注目を集めている。
一方、土地オーナーとのネットワーク造りのスタートと位置付けている貸しコンテナ事業では、「ルームマートコンテナ」ブランドで、神奈川県内に57現場以上の設置実績を持つ。
土地活用だけでなく、今年3月には新たにJR藤沢駅前に不動産売買専門店「SLE不動産」を出店、6月には大和にも出店させた。同社が持つ湘南の土地オーナーネットワークや、ホテルに代表されるビーチカルチャーデザインを活かし、仕入れから企画開発・販売までを手掛けるコンセプト型分譲住宅はもちろん、ライフスタイルに合わせた売買仲介までを取り扱っていく。
プリンスホテル 「地球環境に優しい」宿泊プラン開始
箱根湯の花プリンスホテル(神奈川県足柄下郡)は、地球環境に配慮したホテルを目指し、客室内にプラスチックアメニティーを設置しない宿泊プラン「~地球環境に優しい旅を~ECOcationプラン」を11月10日から販売を始めた。
深刻化するプラスチックごみ問題を受け、2022年4月にはプラスチック資源循環促進法の施行が予定され、「脱プラスチック」に対する取り組みは、ホテル事業者にとって取り組むべき大きなテーマとなっている。同ホテルでは施行に先立ち、脱プラスチックへの取り組みの一環としてこのプランを開始したもの。
このプランでは歯ブラシやヘアブラシ等のプラスチックアメニティーを客室内に設置せず、必要なものは利用者自身で持参してもらう。利用者には特典として、洗って繰り返し使えるシリコンストローを進呈する。環境にやさしい製品をプレゼントすることで、同プランの利用をきっかけに利用者の日常生活での脱プラスチック意識向上にも期待している。
プリンスホテルでは、自然エネルギーによる発電事業や自治体と連携した環境保全活動や食品ロス削減への取り組みに加え、使い捨てプラスチック製ストローの廃止、ゴルフ場の使い捨てビニール袋の提供終了等、「脱プラスチック」を進めている。「箱根湯の花プリンスホテル」は開業以来、地熱を施設内エネルギーや温泉に使用する等自然資源を利用した環境に配慮した営業を行ってきた。今後も「脱プラスチック」を始め、環境に配慮した取り組みを積極的に行っていきたいという。
カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント 29連泊可能の中期滞在企画
カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント(東京都港区)では、今年7月より一次募集、9月より二次募集を開始したプレミアムプラン「新マンスリープラン」の販売好調を受け、対象施設を全国に拡大した「新マンスリープラン第3弾」をスタートさせた。更に、コロナ禍での地方移住・二拠点生活(デュアルライフ)需要の高まりを背景に、より多くの利用者に生活拠点の選択肢としてホテルステイを選べるよう、14連泊から29連泊の中期滞在に対応した「新定額プラン」を新たに販売開始する。
同社では、ビジネスの長期出張やコロナ禍でのテレワーク拡大を受け、30泊以上連泊する方を対象に全国10施設限定で「新マンスリープラン」を提供してきた。 コロナ禍の影響によりテレワークが普及し、都心と地方に拠点を構えて暮らすデュアルライフが注目を集めるなど、住まいに対する考え方や暮らし方が大きく変わりつつある。今回の新プランでは、対象施設の全国拡大に加え、14泊以上から宿泊日数を柔軟に選べるプランを用意することで、ライフスタイルに合わせた1ヶ月以下の短期~中期でのホテルステイが可能になる。
カンデオホテルズのコンセプトは、世界で唯一の“4つ星ホテル”。単に高級な5つ星ホテルと手軽な3つ星ホテルの中間に位置することを意味するのではなく、上質さと使いやすさを両立しながら、その両方を兼ね備えることで、今までのホテルではかなえられなかった感動を創造することと位置付けている。
送客支援サービス導入 沖縄各ホテルで
観光業界で働くプロフェッショナル向け情報プラットフォーム「トラベルビジョン」や、観光に関するB2B事業を展開するエフネス(東京都渋谷区)は、コロナ禍収束後の国内旅行需要の高まりに向けて、ホテルの「客室ノーリターン仕入れ」を実施する。
「ロワジールホテル&スパタワー 那覇」、「ホテルマハイナ ウェルネスリゾートオキナワ」で、コロナ禍収束後のホテル客室流通における新たなモデルを模索するために一部客室で開始する。
従来のホテル客室流通は、ホテルの自社ウェブサイトやOTAでの販売はもちろん、大手をはじめとする旅行会社の団体旅行やグループ向けのパッケージツアー商品への組み込みが主だったが、コロナ禍収束後は、顧客との関係が深い中小規模旅行会社や、インハウス旅行会社のオリジナル企画パッケージ旅行、ワーケーションを兼ねた中期滞在、自宅建替え時の滞在場所としての長期滞在等々新たな市場ニーズも想定される。エフネスは、特別価格・条件にて旅行会社へホテル客室を販売し、新たな価値が付加された沖縄旅行の販売を通じて、コロナ禍に苦しむ旅行会社が活路を見出す一助になれるよう尽力していきたいという。
アシズリホテル グランピングを充実化
高知県のホテル「アシズリテルメ」(旧足摺テルメ)は、全国約80施設のリゾートホテル・グランピング施設の開業支援、運営受託を行うDot Homes(東京都品川区)による全面リニューアルを経て、11月1日にリニューアルオープン。
「グランピング」とはグラマラス(魅惑的な)とキャンピングを掛け合わせた造語。新型コロナウイルスにより大きな変化を遂げた観光業の中でも、「三密回避」もできるとして再熱したキャンプブームによるアウトドア需要の増加は著しく、特に注目されているのが、手軽に良質なアウトドア体験ができる「グランピング」だ。
「アシズリテルメ」のグランピング施設である「ドームテント」には、洗練されたラグジュアリーな空間でありながらも、最大限に全身と五感で「自然を感じる」デザインを施している。ドーム内は自然素材を感じる家具や自然に溶け込むような透明の家具を配置し、人工的な世界観から離れた空間を演出している。
オーシャンビュールーム・オーシャンビュールーム(ジャクジー付き)・デラックスルーム(貸切サウナ付き)・プレミアルームなど、各部屋で違うデザインを施す。ラウンジ、レストラン、地酒バー、大浴場などを併設する。
東急リゾーツ&ステイ 京都2店を名称変更へ
東急リゾーツ&ステイ(東京都渋谷区)は、京都府内で運営する2店舗を「東急ステイ京都両替町通」より「東急ステイ京都三条烏丸」、「東急ステイ京都新京極通」を「東急ステイ京都阪井座(四条河原町)」として11月1日より名称変更した。
「東急ステイ京都両替町通」を「東急ステイ京都三条烏丸」と称し、駅名を組込むことで立地の利便性を伝え、東急ステイならではの便利さを改めて訴求した。また、「東急ステイ京都新京極通」は「東急ステイ京都阪井座(四条河原町)」へ変更し、松竹創業の地である京都・新京極「阪井座」の歴史と伝統文化、滞在型ホテルとして広い客室に洗濯機・電子レンジを備えた東急ステイブランドが融合することにより、松竹と東急ステイ、昔と今が織りなすエンターテイメント性のあるホテルを目指していく。
「東急ステイ京都両替町通」は、京都市営地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅徒歩2分、客室数182室。「東急ステイ京都新京極」は、阪急京都線「河原町」駅徒歩1分、客室数54室。