不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2021.11.22 10:40

ファーストキャビンHD 第1号店をリニューアル 新体制でリブランディングをスタート
 ファーストキャビンHD(東京都港区)は11月9日よりリブランディングを実施する。このほど公式アンバサダーとしてフリーアナウンサーの宇賀なつみ氏を起用したほか、11月10日にはグループ第1号店である「ファーストキャビン御堂筋難波」(大阪府大阪市)もリニューアルオープンさせた。
 「ファーストキャビン」は、羽田空港、関西国際空港のほか、東京、大阪、福岡などの主要都市に展開し、飛行機のファーストクラスをイメージしたコンパクトホテルを提供してきた。今回、これまでのサービスと設備に加え、更なる価値を生み出す新コンセプトとして「STAY SMART」を掲げ、賢い選択で時間の余裕が生まれ、ワーク&ライフの価値が上がる、新しいホテルの在り方を提案していく。
 同社は新コンセプト「STAY SMART」のもと、忙しい日々を過ごす現代人へ、手軽に都心に泊まるという選択で、時間の余裕が生まれワーク&ライフの価値が上がるコンパクトホテルを提供する。リーズナブルに泊まれるファーストキャビンの手軽さは、「あえて自宅に帰らない」という合理的な選択を可能にし、忙しい日々の中で貴重な時間を生み出し、利用客の心と身体を充実させていきたいという。リニューアルオープンする「ファーストキャビン御堂筋難波」は、以前より好評の大浴場とサウナを一新し、健康づくりを支援するパーソナルジムやイベントスペースなどの機能を併設した。複数人数の宿泊にも対応する完全個室の「プレミアムクラス」も用意した。
 同社はこの5月に、不動産テックを活用した新築投資用IoTレジデンスの企画開発を行うタスキ(東京都港区)と、資本業務提携契約を締結している。この提携は、ファーストキャビン社が第三者割当の方法により普通株式100万株を発行し、タスキが100万株を引き受ける。取得価額及び出資比率は、相手先の意向を踏まえ守秘義務契約により非公表。
 両社はこれまで互いに培った空間活用のデータとノウハウを組み合わせることで、「住む」「過ごす」「泊まる」という多様な空間体験データを、テクノロジーを活用し、すべての顧客に快適な空間を提供していく。
 具体的には、タスキのReTechを含むDX領域で得たネットワークと知見を基に、ファーストキャビン社のDX推進をサポートし、テクノロジー基盤の導入、デジタル人材の育成支援を図ることでホテル運営のスマート化を図る。
 また、タスキの商品のペルソナとする東京都心でアクティブに活動する若い世代(単身者)に向け、自宅、職場とは別の「第3の場所」として、コロナ禍の理想のライフスタイルを実現させるウェルビーイングな空間を提供。新しい形として、テレワークキャビンやサブスクリプションによる新しい居住スタイル、ラグジュアリーなペットホテルの空間創造に取り組んでいく。
 また、タスキとファーストキャビン社の営業活動で有効活用可能な事業用地、空きオフィス、空き店舗等の空間情報を共有し、不動産オーナーに対するクロスセル・アップセルの提案による収益機会の拡大に取り組んでいく。
 ファーストキャビン社はコロナ禍の影響で、今春破産したものの、7月にジャスダック上場会社の新日本建物(東京都新宿区)が、非連結子会社でホテル運営や不動産関連ビジネスなどを手がけるNAP(東京都新宿区)を通じて、ファーストキャビンが保有する高級カプセルホテル「ファーストキャビン」のフランチャイズ事業と運営受託事業を取得している。

JHAT ペットシッターサービス開始
 JHAT(東京都港区)では、アニスピホールディングス(東京都千代田区)と提携し、同社が運営する「hotel MONday」、「MONday Apartment」、「ICI HOTEL」、「GATE STAY」で、客室利用者を対象にペットシッターサービスを開始する。
 現在の日本では、愛犬を同伴した旅行は大変困難だ。宿泊先、移動手段、旅行の前にクリアすべき事柄は多い。旅行に出たとしても、旅先では愛犬を預ける先も少なく、常に同伴する必要があった。
 従来、ホテルの宿泊規則では、宿泊者がペットシッターサービスを希望した場合でも、宿泊者不在の間に宿泊者以外が客室を利用してサービスを行うことを認めないケースが多い。このため同社は、アニピスホールディングスと提携することで、同社のペットシッターに限り、施設内でペットシッター業務が行えるようしたもの。
 海外のホテル業界で、旅行に於いてペット同伴が当たり前となっているという。2020年の全米ホテル&ロッジング協会の調べでは、全体の75%の宿泊施設がペットフレンドリーであると発表された。エコノミーチェーンホテルでは98%、中位チェーンでは78%がペットフレンドリーだった。
 翻って日本の現状を見ると、東京都23区内のドッグ受入ホテル施設は全体の2%。同社では、運営する15施設にドッグフレンドリールームを完備し、7月には103室の「イチホテル浅草橋」を全室ドッグフレンドリールームとした。

「ヒルトン横浜」2023年開業
 ヒルトン(米国・バージニア州)はこの度、ケン・コーポレーション(東京都港区)とその関連会社を通じて「ヒルトン横浜」(神奈川県横浜市)のフランチャイズ契約を締結。同ホテルは、2023年秋の開業を目指し、ケン・コーポレーションが所有、運営を行う。
 同ホテルは、ケン・コーポレーションが横浜みなとみらい21地区で計画を進めている「Kアリーナプロジェクト」の一部となる。プロジェクトの敷地内には、約2万人を動員可能とする世界最大級の音楽アリーナ「Kアリーナ」のアリーナ棟、「ヒルトン横浜」のホテル棟の他、オフィス棟があり、街区全体を「ミュージックテラス」としてエンターテインメントを提供する。
 延床面積約3万4850㎡、地上26階、地下1階の同ホテルには、スイートを含む全339室の客室の他、スペシャリティレストラン、オールデイダイニング、カフェ・バーラウンジなどの料飲施設3店舗の他、エグゼクティブラウンジ、フィットネスジム、宴会・会議スペースを備える予定だ。
 ケン・コーポレーションの佐藤繁社長は話す。
 「『ヒルトン横浜』は、当社の世界最大級となるアリーナの他にも様々な開発計画が進められ、これから更なる発展を遂げる横浜にとって中心的な一流ホテルになると確信しています。国内外の多くのお客様に訪れていただくことはもちろん、地域の方々にとっても、駅やオフィス街にも至近の活気溢れる立地であり、かつ、横浜における新しい“大人の社交場”となることを目指します」
 ヒルトンは、世界122の国と地域に6700軒以上、100万室以上のホテルを展開している。日本では、コンラッド・ホテルズ&リゾーツ、ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ、ダブルツリーbyヒルトン、キュリオ・コレクションbyヒルトン、LXRホテルズ&リゾーツの5ブランド・18軒のホテルを展開している。

ロイヤルホテルがグアムに新設
 ロイヤルホテル(大阪府大阪市)では、ケン・コーポレーション(東京都港区)とその関連会社を通じてフランチャイズ契約を締結し、グアムに「リーガロイヤル・ラグーナ・グアム・リゾート(RIHGA Royal Laguna Guam Resort)」を2022年春に開業する計画だ。リーガロイヤルホテルグループとして海外での開業は28年ぶりとなる。  
 「リーガロイヤル・ラグーナ・グアム・リゾート」は、7月開業の「リーガグラン京都」に続く12軒目のホテルで、フランチャイズでの提携は4軒目となる。
 ホテルは空港から車で約15分に位置。2006年にケン・コーポレーショングループが取得後、2007年に「シェラトン・ラグーナ・グアム・リゾート」としてリニューアルオープンした。
 ホテルは全318室、全室オーシャンビュー・全室バルコニー付き。料飲施設のほか、プール、宴会場、スパ、フィットネスジム、クラブラウンジ、チャペルなどを併設する。

OYO HOTEL テレワークプラン
 OYO Japan(東京都港区)が展開する「OYO Hotel(オヨ ホテル)」は、「OYO ホテルマーキュリー 浅草橋」(東京都台東区)にて「”究極”の仕事・作業部屋プラン」の提供を開始した。8時~24時まで最大16時間、2000円~での利用が可能で、Wi-fiも無料完備されているため、年末に向け仕事に集中したい人をはじめ、これからの受験期に備えた合宿先としての需要を期待している。
 客室には、高品質で圧倒的な信頼性を誇るオカムラ(東京都港区)社のワークチェアとデスクとモニター、スタンドライトを完備する他、延長コード付き、コピー機、文具の無料貸し出しサービスなどを用意する。
 同ホテルは、浅草やスカイツリーなどの観光地に近い、シックで落ち着いたホテル。館内には大戸屋がある。
 同社は2019年に日本でサービスを開始した宿泊事業「OYO Hotel(オヨホテル)」の運営会社。全国各地に200以上のホテルや旅館を「OYO Hotel」と「OYO Ryokan」の2ブランドで展開している。




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