不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2021.12.20 10:44

星野リゾート 「OMO」ブランドを大阪に
 星野リゾート(長野県北佐久郡)が運営している都市観光ホテルブランド「OMO」は、大阪府大阪市浪速区に「OMO7(おもせぶん)大阪 by 星野リゾート」を2022年4月22日に開業させる。
 同ホテルは、JR線「新今宮」駅目前に位置。延床面積3万7253・18㎡、地上14階建て、客室数436室、ライブラリーラウンジ、ショップ、カフェテリア、レストランなどを併設する。大阪の風情を色濃く残す新世界エリアに隣接し、大阪の観光名所からアクセスの良い新今宮駅の目の前に位置し、都市観光需要を期待している。コンセプトは「ほれてまうわ、なにわ」で、大阪らしさが詰まった都市観光ホテルを目指す。
 客室は8タイプを用意。広さは29㎡~61㎡で、多様な旅のシチュエーションに合わせて使い分けられる。
 特徴的な客室タイプのひとつが「いどばたルーム」。客室には、大阪の代表的な観光スポットが描かれた「OSAKA ボード」、その前には大きなテーブルとソファを設えたリビングを配置した。四隅にあるベッドスペースはそれぞれ間に仕切りがあり、プライベートな空間としてくつろげることも特徴。最大6名が宿泊でき、友人グループや家族で利用を期待している。他にも秘密基地のような2段のやぐら式ベッドスペースが特徴的な「だんだんルーム」、キッチンやウォークインクローゼットが付いた、暮らすような滞在ができる「OMO ハウス」などを用意した。
 パブリックスペース「OMO ベース」は、大阪の旅を楽しくするディープな仕掛けが満載のパブリックスペース。全長約85m、高さ5mの空間には、「ご近所マップ」に加えて、「OMO カフェ&バル」「OMO ダイニング」「ライブラリーラウンジ」などを配置。ここでは、イベントに参加したり、読書をしながらくつろいだり、フォトスポットで記念写真を撮影したり、大阪の食文化を堪能したりと、さまざまな過ごし方が可能だ。
 「ご近所マップ」はスタッフが実際に足を運んで見つけてきた、ガイドブックには載っていない近所でおすすめの店やディープなスポットなどを掲載している。
 施設だけでなく、街を丸ごと楽しみつくすためのサービ「Go―KINJO(ごーきんじょ)」も提供する。これは、ホテルから徒歩圏内の「街」を知り、新たな発見や出会いを通して街に溶け込むことをサポートするサービス。「ご近所ガイド OMO レンジャー」と「ご近所マップ」の2つのコンテンツで構成されており、開業に向けて、OMO レンジャーが友人のように街を案内し、利用者と一緒に旅を楽しむガイドツアーを開発している。
 「OMO」は星野リゾートが全国に展開する都市観光ホテルブランド。ブランドコンセプトは「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」。地域と一体となって街を楽しみ尽くす旅を追求する。2022年春までに、「OMO3 東京赤坂」(東京都港区)、「OMO3 札幌すすきの」(北海道札幌市)、「OMO5 小樽」(北海道小樽市)、「OMO7 大阪」(大阪府大阪市)の開業を予定している。

「うめきた2期地区開発事業」で3タイプのホテル建設
 三菱地所を代表会社とする、うめきた2期開発事業者JV9社は、「うめきた2期地区開発事業」で計画している、スーパーラグジュアリーホテル(SLホテル)、ライフスタイルホテル(LSホテル)、アップスケールホテル(USホテル)について、SLホテル、LSホテルのオペレーターをヒルトンに、USホテルのオペレーターを阪急阪神ホテルズにそれぞれ決定した。併せて同プロジェクトでホテル事業の幹事社であるオリックス不動産とヒルトンが運営委託契約を締結し、SLホテルの名称を「ウォルドーフ・アストリア大阪」に、LSホテルの名称を「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」に決定した。
 ヒルトンの最上級ラグジュアリーブランド「ウォルドーフ・アストリア」は関西初、ライフスタイルブランド「キャノピーbyヒルトン」は日本初進出となる。「ウォルドーフ・アストリア大阪」は2025年度上期、「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」は2024年度上期、USホテル(阪急阪神ホテルズ)は2024年度下期の開業を目指す。 
 事業者JVは2020年12月にプロジェクトの工事に着手し、2024年夏頃の先行まちびらきに向けて開発を推進している。ホテル事業は、大阪市内で需要が高い富裕層向けのSLホテルをはじめ、関西・大阪のカルチャーを発信するLSホテル、通常のビジネスホテルとは一線を画したグレード感をもつUSホテルで構成され、世界中からビジネス・観光を誘引することを目指している。
 「ウォルドーフ・アストリア大阪」は、南街区賃貸棟・西棟の2階、28階~38階に位置する。50㎡を中心とする252室の客室のほか、ウォルドーフ・アストリアの象徴であるラウンジ&バー「ピーコック・アレー」や、レストラン、フィットネス、スパ、屋内プール、チャペル、ライブラリー・ラウンジ、宴会場、会議室などを設置する予定。
 「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」は、北街区賃貸棟の10階~25階に位置する。客室は32㎡を中心とする308室で、ブランドの象徴となる「キャノピー・セントラル」は、フロントやラウンジなどのほかにレストラン、ルーフ・トップバーも兼ね備える。このほか、シャワールームを完備する「トランスファー・ラウンジ」、フィットネス、会議室を設置する予定。

日本ホテルがワーケーション予約サイトに参加
 ガイアックス(東京都千代田区)では、同社が運営する平日4泊5日のホテルワーク予約サイト「Otell(オーテル)」に、JR東日本グループの日本ホテル(東京都豊島区)の5施設が参画したことを発表した。
 政府のテレワーカー増加目標や新型コロナウイルスによる就業形態の変化を受け、リモートワークが増加している。
 これに伴い働き方も多様になり、「ワーケーション」が徐々に普及している。コロナ禍で多くの事業やサービスが生まれる中、Otellでは2021年6月にリモートワーク・ワーケーションに関するアンケート調査を実施し、変化する働き方や、ワーケーション・ホテルワークに関するニーズを明らかにしてきた。
 その中で、日本におけるワーケーションは、新しい旅行スタイルというよりも、変化する多様な働き方の一つとして考える人が多い傾向にあることもわかってきたという。実際にアンケート調査からも、仕事メインのワーケーションの希望者は全体の47・8%という結果となった。また「どのような場所に行きたいか?」という質問に対しては、休暇メインのワーケーションと比較して「家から近場でリラックスできるところ」との回答が約2倍にのぼった。
 一方首都圏のホテルでは、コロナ禍でインバウンド、出張などの利用が低迷し、平日の稼働率が苦戦している。こうした背景から、シンプルな価格設定で、平日の長期滞在につながるOtellに日本ホテルが参画することとなったという。 平日4泊5日のホテル滞在型リモートワークに特化したホテルワーク予約サイト「Otell」に、日本ホテルが運営する首都圏にある5つのメトロポリタンホテルズを特別価格で掲載する。
 日本ホテルは、JR東日本グループでホテル事業を担う。国の重要文化財である東京駅丸の内駅舎内のラグジュアリーホテル「東京ステーションホテル」、「メズム東京、オートグラフ コレクション」のほか多くのホテルを運営している。

チョイスホテルズジャパン 「コンフォートホテル高松」開業
 全国に「コンフォートホテル」「コンフォートイン」「コンフォートスイーツ」を展開するチョイスホテルズジャパン(東京都中央区)は、2022年3月23日に香川県高松市に「コンフォートホテル高松」を開業させる。四国地方では高知、松山に続き3番目、香川県では初めてのコンフォートホテルとなる。
 同ホテルは、高松琴平電気鉄道「瓦町」駅西口より徒歩約8分に位置、地上11階、全163室。ブランドコンセプト「Color your Journey. 旅に、実りを。」のもと、瀬戸内の四季が感じられるデザインを客室に取り入れ、利用者に瀬戸内の魅力を感じてもらえるような演出を施している。客室は、瀬戸内の四季が感じられるようフロアごとに異なるデザインを採用。ベースとなるのは、瀬戸内海のブルーのアクセントカラーが映える内装で、いつ誰が泊まっても落ち着くことができるタイムレスなデザインが特徴だ。
 館内の「Comfort Library Cafe」には、ミーティングに使えるボックス席や、ワークスペースを用意。昨今、需要が高まっているテレワークの利用にも対応している。朝は無料朝食の会場となり、昼以降は宿泊者が無料で利用できるオープンスペースとして開放している。
 プロのブックディレクターが選んだ100冊以上の本を用意する。一角には4名掛けのボックス席もあり、ミーティングスペースとして活用可能だ。
 チョイスホテルズジャパンは、全国各地でコンフォートブランドのホテルを展開している。

「オリエンタルホテル ユニバーサル・シティ」改装
 オリエンタルホテル ユニバーサル・シティ(大阪府大阪市)では、12月23日にグランドオープン。“Charge from Nature”のコンセプトのもと、客室、ロビー、レストラン、エントランスを改装した。
 全330室ある客室の内、年内18~20階、3フロア63室の改装完了を皮切りに、年明けの2月頃までには新たに5フロア105室、年内完了分を含め計168室の客室改装が完了予定で、残りの客室も今後改装する予定だ。 改装後のリニューアル客室は、壁一面にグラフィックアートを施しつつも、アースカラーを基調とした落ち着いたデザインと機能的にレイアウトされた空間にした。またシモンズ社製ベッドを導入するなど快適な睡眠を提供する。ダブルルームをはじめ、ツインルームやトリプルルーム、コネクティングタイプなど様々な客室タイプをご用意し、利用人数に対してフレキシブルに対応が可能。自動チェックイン機やクイックチェックアウトサービスを導入することで、分散化、非接触化により宿泊客への安心・安全な滞在を提供する。
 同ホテルは、地上20階建て、延床面積1万7252・71㎡、客室数330室。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンから徒歩1分に位置する。




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