不動産トピックス
今週の一冊
2021.12.20 10:31
知識でトラブル回避を
損しない!モメない!実家の不動産相続のヒケツ
著者:山本健司/高橋朋宏
発行日:2021年11月18日
発行:サンルクス
価格:1500円(税別)
相続は何かと厄介なものだ。誰からも不満が出ないことが理想だが、これが何と難儀なことか。介護の寄与分、生前贈与があるとかないとか、相続人の配偶者が権利を主張することも。兄は大学の費用も親がかりだが自分はゼロ、だからその分遺産増額は当然だ、いや結婚費用も自分はもらっていないなど、思いつく限りの主張をする。それにしても「骨肉の争い」とはよく言ったものだ。相続争いがもとで絶縁になる遺族も珍しくない。骨と肉は離せないことから、決して消えない血縁を骨肉と表現するそうだが、それは生存していればこそか。遺体の肉と骨は簡単に切り離せる。一旦離れたら二度とくっつかない。相続争いは避けたいものだ。
本書は第1章「不動産相続はなぜトラブルの元となるのか?」から始まり、相続と不動産の基礎的な情報を丁寧に解説。顧客の情報不足に漬け込み、「自社利益を優先する様々な専門家が、不動産業者も含め、存在するのは事実」といい、正しい知識を持つことで専門家に騙されるリスクも回避できると、知識によるトラブル回避を進める。家族信託、配偶者居住権、生前贈与3年ルール、名寄帳、2024年から相続登記義務化、どれだけ御存じか。本書で基本を身に付けておこう。