不動産トピックス
クローズアップ 床材・インテリア編
2021.12.20 10:30
オフィスの床はポピュラーなカーペットやピータイルをはじめ、昨今は木目調やコンクリート調のデザインも増えてきた。見た目やイメージの改善に加え、オフィスを自前で構築してセットアップとしてリーシングにも生かせる。
改修のバリエーションも拡充 置敷き帯電防止ビニル床タイル「OT vol.9」
施工・貼り替えしやすい置敷き
壁装材・床材・ファブリック等の内装材を取り扱うサンゲツ(名古屋市西区)は11月4日、置敷き帯電防止ビニル床タイル「OT vol.9」の見本帳を発刊。
置敷き帯電防止ビニル床タイルは、置敷き型かつワックスフリーコーティングを有した帯電防止機能付きのタイル商材。通常の床タイルは、のりによる接着が中心で貼り替えが難しく、オフィスレイアウトの変更時には手間が掛かった。同製品は、これらの課題に対応する施工・貼り替えのしやすい置敷きのビニル床タイル。色柄のバリエーションは豊富で、従前まで単色のシンプルなデザインが多く見られたが、今回は木目や石目を中心に意匠性の高いデザインを拡充。厚みは5mm厚規格を増やし、改修のバリエーションにも幅を持たせた。
インテリア事業本部の鈴木康高氏は「これまでは無地の4mm厚が中心でしたが、近年、オフィスなどでOTをカーペットタイルと組み合わせて施工するケースが増えていることから、今回は特にカーペットタイルと厚みが近い5mm厚規格を拡充。カーペットタイルとのコーディネートの幅を広げることで、素材を越えた、多彩な空間デザインが実現できるようになりました。また、これまでOTのサイズ展開は、500mm角と166・7×1000mmの2サイズでしたが、今回から全5サイズへ拡充。空間をのびやかに見せる1000mm角の大判サイズなど、様々な規格のタイルを自由に組み合わせることで、表情豊かなデザインバリエーションを提案しています。OTは改修工事や二重床に最適な置き敷きタイプであることに加え、幅広い空間デザインを可能にする意匠性の高さから、多様化するオフィスの需要に応える床タイルと思われます」と語った。
OTとカーペットタイル アクセントで差別化
例えば、人の通るオフィス内の動線はメンテナンスがしやすいOT、デスクワークや打ち合わせ用のスペースはカーペットタイルと変えることで、アクセントを付けて雰囲気作りやワークスペースのイメージ向上ができる。昨今オフィスではカフェスペースといった雑談やコミュニケーションの場を作ることが多い。飲食可能なケースも多いため、カーペットよりも拭き掃除しやすいOTが好ましいだろう。OTは表面にワックスフリーコーティングを施しているためメンテナンスが簡単。耐次亜塩素酸といった機能性も備えている。常に人の滞在する空間では、アルコール等による除菌作業が行われるため耐次亜塩素酸の機能は適している。
「イニシャルコストはオフィス向けのカーペットタイルよりも多少掛かりますが、清掃やメンテナンスといったランニングコストはカーペットタイルよりも抑えられます。OTは5mm厚で1m2あたり8900円~1万1800円(税別)。4mm厚で1m2あたり8200円(税別)となります。また当社は2年前にスペースクリエーション事業部を設立しました。オフィスレイアウトや働きやすさを追求した空間設計等を行い、かつ施工専門のグループ会社もあるので、設計・施工等をトータルで提案できます」(鈴木氏)
昨今は自宅と職場(オフィス)以外のリラックスできる空間として、サードプレイスをビル内に設けるデベロッパーや中小ビルオーナーも増えてきた。カフェテイストのデザインが多いことから、同製品の活用シーンも増えていくだろう。サンゲツでは単に商品バリエーションを拡充させていくだけではなく、改修や空間デザインも含めたトータル提案を推し進めていく。
ウェブ上で室内空間を簡単コーディネート
大日本印刷(東京都新宿区)は、高精細な4K映像とVR(仮想現実)技術による臨場感の高いインテリアコーディネートを迅速にシミュレーションできる「DNPバーチャルエクスペリエンス VRインテリアシミュレーター」提供をしている。先月29日には同システムをベースに、360度見渡せるVR空間をウェブサイト上に構築する「VRインテリアシミュレーターWeb」を開発した。
「VRインテリアシミュレーターWeb」は、同社ウェブサイト上で、大日本印刷の建具用化粧シート「WSシリーズ」と床用化粧シート「EB―Fシリーズ」を空間イメージに合わせて自由にシミュレーションする体験が可能。オフィスや自宅のパソコンやタブレット端末、スマートフォンから体験でき、かつ「WSシリーズ」約150種、床用化粧シート「EB―Fシリーズ」約60種から色柄を選び、施工後のイメージを体験できる。利用者が選択した建材・床材の商品情報はQRコードやウェブページのURLを通じて、他のメンバーや顧客へ共有することも可能。また実際のサンプルが必要になった際は、同一のウェブページから請求もできる。