不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2022.01.17 10:58

アパホテル 2021年新規開業は27棟5400室超に 全国頂上戦略を継続
 アパホテル(東京都港区)は昨年末に新たに2棟をオープンさせた。同社はネットワークとして全国最大級の680ホテル・10万5015室を展開している。2015年4月にスタートした「SUMMIT 5―2.(第二次頂上戦略)」では、東京都心から地方中核都市へとエリアを広げ、大型タワーホテルの出店も積極的に進めていき、ネットワークとして10万室展開を達成。2020年4月にスタートした「SUMMIT 5―3.(第三次頂上戦略)」では、国内で圧倒的なトップホテルチェーンとなるべく、2025年3月末までにアパホテルネットワークで15万室展開を目指していくという。
福岡市何6棟目 ドミナント推進
 アパホテル(東京都港区)は昨年末に新たに2棟をオープンさせた。
 福岡市内10棟目となる「アパホテル〈博多祇園駅前〉」(福岡県福岡市)は、博多の中心である「祇園」の一等地に位置し、地下鉄空港線「祇園」駅徒歩1分に位置する。福岡市内で最も広い道路「大博通り」に面しており、福岡空港から「祇園」駅までは地下鉄で3駅約7分。また九州最大のターミナル駅である「博多」駅も徒歩圏内と交通アクセス至便な駅前ホテルであることから、ビジネスはもとより、国内レジャー、インバウンドなど幅広い宿泊需要を取り込んでいく。
   客室は全308室禁煙。客室設備は、高品質・高機能・環境対応型を理念とする「新都市型ホテル」の最新仕様であり、全室に設置している50型以上大型液晶テレビには「アパデジタルインフォメーション」を導入し、館内案内をテレビ画面上に集約表示している。現在、アパグループ創業50周年を記念し、国内の直営全店および一部FCホテルの全客室でVOD(有料チャンネル)を標準サービスとして無料で提供する。
 また最新の客室設備として、照明スイッチ、空調リモコン、コンセント、USBポート等を集約させた枕元集中コントローラーにHDMI端子を搭載。宿泊者自身のHDMIケーブルを用いてパソコンやスマホと接続することにより、テレビ会議やゲーム、動画等を大型テレビに映し出すことが可能であり、テレワークや日帰りプランにも適した仕様となっている。
 同グループ代表の元谷外志雄氏は話す。「昨年だけで博多駅周辺エリアに6棟1631室を開業し、アパホテル全体としては27棟5433室ものホテルが開業を迎えた。現在、福岡市内のアパホテルは10棟2400室となったが、福岡県は西の玄関口としてインバウンド需要が旺盛であり、九州の国内観光拠点としても人気が高い。全国的に新規ホテルを開業しているが、福岡県は潜在需要が高く、まだまだホテルを増やしても高稼働が期待できるエリアであることから、良い立地があれば今後も積極的に展開していきたい」。
 同社は博多駅周辺エリアでドミナント戦略を展開し、福岡市内のアパホテルは10棟・2400室で市内最大客室数のホテルチェーンとなった。同社はドミナント戦略のメリットを活かしていく。
既存物件を買収 リニューアルも
 同社はまた、全118室の「アパホテル〈なんば南 大国町駅前〉」(大阪府大阪市)のリニューアルを完了させた。
 同ホテルでは平日の単身利用、週末の複数人での利用に柔軟に対応できるコネクトルームを多く取り入れており、買収物件となる同ホテルでも改装によりコネクトルームを含めた増室を実施した。大阪では難波、梅田にタワー型ホテルの建設も進めており、2025年に控える大阪万博を含めたポストコロナを見据えさらなる拡大を図り日本経済を盛り上げていきたいという。同ホテルは昨年10月のプレオープン以降、営業を続けながらリニューアル工事を実施。
 2階にあったフロント施設の1階への移設や4室増室を行ったほか、事務所並みの明るさにこだわったシーリングライトやアパホテル仕様の客室デスクを新設した。
 客室タイプも一新し、全客室の約40%にあたる48室は、1800mm幅のキングサイズベッドを導入した「キングベッドルーム」としたほか、隣接する客室同士を繋げて利用可能な「コネクティングルーム」を増設するなど、多様な宿泊需要に応える客室構成とした。

ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ 「チサン」ブランド2棟オープンへ
 ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ(東京都港区)は「チサンホテル 横浜伊勢佐木町」を2022年春に開業させる。
 同ホテルは、JR「関内」駅から徒歩5分に位置。敷地面積1908・70㎡、延床面積1万5674・50㎡、地上18階建て399室。既存ホテルをリブランドした。日本人の朝食の定番であるごはんに焦点をあて、素材としての米のおいしさだけではなく、ごはんをおいしく食べる工夫にもこだわったビュッフェスタイルの朝食「Good Rice Morning(グッド・ライス・モーニング)」を提供する予定。
 ソラーレホテルズは宿泊施設や地域経済の活性化と再生支援のため、事業再生支援チームを発足している。国内外のホテル運営で確立した独自の運営モデルと複数ブランドを活かし、運営会社の変更を伴う事業再生や承継支援、運営会社を変更せずに収益向上を図る運営支援、送客支援なども行っている。金融機関、投資ファンド等ネットワーク構築や、宿泊施設の雇用維持や、地域経済の活性化なども積極的に取り組んでいる。
 また同社は2月に「チサン スタンダード 大阪新今宮」(大阪府大阪市)を開業させる。
 ホテルの所有者である南海電気鉄道(同)と契約を締結し、既存ホテルをリブランドオープンする。
 場所は南海電鉄南海線・高野線およびJR大和路線・大阪環状線「新今宮」駅より徒歩1分、大阪市営地下鉄御堂筋線・堺筋線「動物園前」駅より徒歩6分に位置し、関西空港からでも電車で35分と交通アクセスが良く、ビジネスや観光の拠点としての需要を期待している。建物は地上13階建て、敷地面積844・98㎡、延床面積4876・91㎡、客室数186室。
 「チサン スタンダード」ブランドは、同社の「チサンホテルズ」ブランドに、現代のエッセンスを加えた新ブランドで、2021年7月にオープンした京都に次ぎ2軒目となる。チサンホテルズの“いつでも、期待以上の満足を。”のコンセプトのもと、訪れた土地の思い出と共に、素敵な旅のワンシーンとして記憶に残るホテルを目指している。
 同社は、「雨庵 金沢」「ザ・スクエアホテル」「ホテル・アンドルームス」「ロワジール」「ロイヤルパインズホテル」「チサン」など15のホテルブランドを有し、国内60カ所、海外1カ所、8850室のホテル宿泊部門および売店部門・料飲部門・大浴場・スパの運営、アセットマネジメント、フランチャイズ運営などの事業を展開している。

施設内にサウナを新設「庄屋の里 古民家たなか」
 高級一棟貸し旅館「庄屋の里 古民家たなか」を運営する田中(千葉県いすみ市)は、新たな冬の楽しみとして施設内にサウナを新設した。施設内のプールサイドに、大型のテントサウナを新設。サウナ横には温水シャワーを完備する。サウナを堪能した後には、水風呂に入るような感覚で24時間循環型の屋外プールに入り、外気浴を楽しむことができる。
 同施設は、戦国時代に土岐氏の家老を務め、江戸時代には庄屋であった関家の旧邸の趣を残しながら、現代風にフルリノベーションしたもの。1000坪の敷地内には、日本庭園、プール、BBQ、露天風呂の他、芝生エリアには焚き火ゾーンを用意している。

城野 「モンブランホテル」をリブランド
 城野(愛知県名古屋市)は、名古屋市中村区名駅に「モンブランホテルラフィネ名古屋駅前」を開業させた。
 同ホテルは、リニア中央新幹線整備計画の用地買収に伴い2020年8月に閉館した「名古屋駅前モンブランホテル」をリブランドし約80m東に新築したホテル。JR「名古屋」駅桜通口より徒歩3分の好立地に位置し、観光・ビジネスの需要を期待している。 ホテルの内装には、竹や有松絞りなど日本の装飾美を施し、和やかな滞在時間を演出。地上18階建て客室数は全239室で、バス・トイレは全客室セパレート式を採用しており、トリプル・フォースなど、複数名での利用が可能な部屋タイプも用意する。
 自動チェックイン機・セルフロッカーなど最新設備の導入により、手続き業務が減ったことで生まれるフロントスタッフの時間を、食事先などで迷っている利用客に声を掛けるなど、コミュニケーションの時間にあて、発信的なサービスの実現を目指す。その為のコミュニケーションツールのひとつとして、ロビーに設置されたホテル周辺の大きなオリジナル地図の下には、ホテルスタッフが取材し製作した近隣の飲食店や魅力あるスポットのほか、主要観光スポットなどの情報を写真付きのカードにまとめ用意している。
 全客室に設置されたタブレットは、フロントやほか客室との通話・ホテルインフォメーション・観光情報・1階のレストランの混雑状況・コインランドリーなどの利用状況などを確認できる。抗菌仕様のベッドはホテルスタッフが実際に寝心地を追求し、フレームは「スランバーランド」、マットレスは「フランスベッド」という組み合わせを採用している。




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