不動産トピックス

クローズアップ 床材編

2022.01.31 10:22

 床材はデザイン性に優れた商品から機能性に特化した商品まで、様々な特性を持った商品が存在する。そのためシチュエーションに合わせた床材の選択が施主には求められる。今回はデザインや機能に優れた床材を紹介する。

河原建設 床面の防滑工法で事故を防ぐ 表面に超微細な凹凸を施工
 河原建設(群馬県前橋市)は、住宅・ビル・マンションの設計・施工や、ビル・マンションといった施設警備を主な業務内容としている。
 また、建築業務とともに同社の主力業務となっているのが、石材やタイルなどの防滑工事である。石材やタイルは建物の周辺やエントランスの床材として広く使用されているが、雨天時は床が滑りやすくなり、利用者の転倒の原因になってしまう。仮に建物利用者が滑りやすくなった床で転倒して負傷した場合、建物所有者に対する責任が問われることもある。
 「建物の所有者には工作物責任があり、事故が起きた場合に建物側に瑕疵があったと認められれば被害者への賠償責任を負います。転倒事故で所有者の賠償を認める判例も過去には存在し、建物の防滑対策は非常に重要です」(河原氏)
 同社が提案する「TLR工法」は、特殊な液剤を床材に塗布し、床材に約7マイクロミリメートルという目に見えないほど小さな穴を無数にあける。穴は電子顕微鏡で確認できるサイズで、床の美観に変化は生じない。雨などで床材が濡れた際、穴に入り込んだ水が表面張力の効果で靴底に対して吸着力を発揮。濡れた床面でも滑りにくくなるのだ。特殊な工事を必要とせず容易に床材の防滑対策を行うことができるため、商業施設やマンション、公共施設など、様々な施設でこれまでに多くの実績を残しているという。
 近年、「ゲリラ豪雨」と呼ばれる突発的な大雨の発生件数が増加している。通常清掃の頻度ではカバーしきれない雨も、未然の対策で建物内の転倒事故を防ぐことが可能になるのだ。

環境に配慮したタイルカーペット リサイクルナイロン採用でCO2を削減
 サンゲツ(名古屋市西区)は、環境に配慮したタイルカーペットの新シリーズ「NT700 Fiber Eco(ファイバーエコ)」を昨年12月から発売している。
 同シリーズは昨年11月に発刊したタイルカーペットの見本帳「NT700」の一部商品を、より環境に配慮した商品へと進化させた新シリーズ。「NT700」で人気の7柄50点の床材を、デザインや価格はそのままに、パイル(繊維)をリサイクルナイロン100%に変更した。表面のパイルには、漁網やカーペット廃材などを使用した100%リサイクル糸「エコニール」を採用。裏面のバッキング材にはリサイクルパウダー入りの塩化ビニル素材を採用することで、社会課題であるCO2排出量の削減につなげている。
 サンゲツでは、「環境に配慮した『NT700 Fiber Eco』を通じて、当社が長期ビジョンに掲げるサステイナブルな社会の実現に貢献する」としている。高い意匠性を持ちながら、さらなる環境負荷低減を実現する商品として、オフィスや商業施設などへ幅広く使用できる製品だ。

無機質柄のシートフローリング タイルの様な風合いと木の温もりを兼備
 イクタ(愛知県瀬戸市)は、無機質柄シートフローリング「クルードフローリング」を昨年11月に発売した。
 「クルード」とは英語で「粗野、天然のまま」という意味。タイルやモルタル、テラゾーのような無機質柄の複合フローリング材で、モダンなタイルのような風合いをだしながらも、木質ゆえに足腰にも優しく、温もりを感じるさせる。床暖房対応で、抗ウイルス・抗菌効果を備えたSIAA認証製品。
 ラインナップは、ピエトラホワイト柄、ピエトラグレー柄、ピエトラブラック柄など全5種。




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