不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2022.02.28 10:39

アパホテルが新潟に1000室規模施設
 アパホテル(東京都港区)はこのほど、本州日本海側唯一の政令指定都市である新潟市に、市内最大1001室規模の大型リゾートホテル「アパホテル&リゾート〈新潟駅前大通〉」をオープンさせた。
 同ホテルは、上越新幹線・JR各線「新潟」駅徒歩7分、新潟のシンボル「萬代橋」、新潟屈指の商業エリア「万代シテイ」に近接し、ビジネス、観光問わず利用しやすい新潟駅万代エリアの中心部に位置する。
 建物は鉄骨造、地上19階建て、ホテル館内には、大浴殿・露天風呂、屋外プール、フィットネス、2つのレストラン、スカイラウンジ、エステ、コンビニを有しており、宿泊利用だけではなく、滞在そのものを楽しむことができる「アーバンリゾート」として、地域に根ざした万代エリアの新たなランドマークとなるホテルを目指す。
 客室設備は、高品質・高機能・環境対応型を理念とする「新都市型ホテル」の最新仕様であり、全客室に設置している50型以上大型液晶テレビには、「アパデジタルインフォメーション」を導入し、館内案内をテレビ画面上に集約表示している。
 現在、アパグループ創業50周年を記念して、国内の直営アパホテル全店および一部FCホテルの全客室で VODを標準サービスとして無料で提供しており、同ホテルでも、宿泊客は、滞在中、映画・アニメなど200タイトル以上が無料で見放題となる。
 また、最新の客室設備として、照明スイッチ、空調リモコン、コンセント、USBポート等を集約させた枕元集中コントローラーにHDMI端子を搭載。宿泊者が持参したHDMIケーブルを用いてパソコンやスマホと接続することにより、テレビ会議やゲーム、動画等を大型テレビに映し出すことが可能で、テレワークや日帰りプランにも適した仕様となっている。
 最先端のIT開発として、全予約経路対応のチェックイン機に加え、1秒チェックイン機を導入。アプリチェックインを行うことで、当日のチェックイン手続きを大幅に簡素化することができる。
 また、ルームカードキーを投函するとリアルタイムでチェックアウト処理が行われるエクスプレスチェックアウトポストも設置するなど、「非接触」、「待たない」、「並ばない」を実現したストレスフリーのアパオリジナルデジタルサービスを提供する。
 開業に際し、同グループ代表元谷外志雄氏は、「当ホテルはアパホテルとして東日本最大級となる。昨年は27ホテルを開業し、当社はコロナ禍においても計画通りに事業展開を進め、本年も17ホテルの開業を予定している。ホテルは短期間で考えるのではなく、長期間で運用をするので、一過性の需要の有無に流されず、低金利時代の今、拡大戦略をとり、東京・福岡を中心に地方中核都市でも拡大戦略を進めていきたい」と話した。
 アパグループはホテルとマンションの一体開発を全国9府県で展開しており、同案件は13プロジェクト目となる。ホテル隣地には分譲マンション「THE PREMIERE〈新潟駅 万代〉」を現在建築中であり、東日本最大級のプロジェクトとなる。  アパホテルネットワークとして、海外、FC、パートナーホテルを含む全国最大の685ホテル・10万5357室を展開している。2010年4月にスタートした「SUMMIT 5(頂上戦略)」では、東京都心でトップを取る戦略を開始。現在、東京23区内で直営ホテル83ホテル・1万9860室※を展開している。
 2015年4月にスタートした「SUMMIT 5―II(第二次頂上戦略)」では、東京都心から地方中核都市へとエリアを広げ、大型タワーホテルの出店も積極的に進めていき、アパホテルネットワークとして10万室展開を達成した。2020年4月にスタートした「SUMMIT 5―III(第三次頂上戦略)」では、国内で圧倒的なナンバーワンホテルチェーンとなるべく、2025年3月末までにアパホテルネットワークとして15万室展開を目指す。

共立メンテナンス 天然温泉付き「ドーミーイン」
 全国にビジネスホテル「ドーミーイン」やリゾートホテル「共立リゾート」を運営する共立メンテナンス(東京都千代田区)では、静岡県御殿場市に「天然温泉 富士桜の湯 ドーミーインEXPRESS富士山御殿場」をオープンさせた。
 同ホテルは、JR御殿場線「御殿場」駅徒歩約30分に位置。4階建て、客室数は149室。源泉は富士八景の湯からの運び湯。
 同ホテルは、静岡県内で3棟目のオープンとなる。「御殿場プレミアム・アウトレット」や「東山湖フィッシングエリア」、さらにゴルフ場「富士カントリークラブ」へのアクセスが良好で、アウトドア旅行に適している。屋上テラスの足湯では、富士山の絶景を望めることも可能だ。
 天然温泉大浴場では、露天風呂のほか、セルフロウリュ完備のドライサウナ、強冷水の水風呂、泉質は単純温泉で、関節痛、冷え性、疲労回復などの効能があるという。 
 朝食は、ご当地メニュー「ふじのくにポークシチュー」や「みくりやそば」など約50品目のメニューを用意する。
 客室は、富士山が望める部屋や様々なコンセプトを取り入れたデザイナーズルーム、ファミリーキャビンルームを用意。質の高い睡眠を提供するため、全客室にサータ社製ベッドを完備した。リモートワークにも便利な全室専用Wi―Fiも完備。夜食には、ドーミーイン名物のあっさり醤油ラーメン「夜鳴きそば」、風呂あがりにはアイスや乳酸菌飲料を無料で提供する。
 「ドーミーイン」は、「快適に、シンプルに、”住むホテル”」をコンセプトに、スタンダードなビジネスホテルや和風プレミアムブランド「御宿 野乃」などのブランドを展開。「ドーミーインEXPRESS富士山御殿場」を含め、国内85ヵ所、海外1ヵ所、計86ヵ所を展開している。

リロバケーションズ レストラン内にロボットを導入
 リロバケーションズ(東京都新宿区)では、同社が運営する「メルヴェール箱根強羅」(神奈川県足柄下郡)にて、レストラン内の「配膳・下げ膳・案内」をメインとするロボットを導入する。
 これはIoT・AIソリューション開発のSGST(東京都港区)との協業によるもので、Pudu Robotics社(本社:中国深セン市)が開発したBellaBotを採用する。優れた障害物回避能力や移動能力を有する最新式配膳ロボット。4層構造の大型トレイと親しみやすいデザインが特徴。コロナ感染症の防止や人件費削減に高い効果を発揮する。ウイズコロナ時代における飲食店での非接触サービスの具体策として注目を集めるとともに、人件費の削減に高い効果を発揮するものと期待されている。
 両社はロボットの利用がサービスの向上に繋がるかどうかを検証するための実証実験を実施してきたが、良好な結果を得たことで本格導入になった。
 同ホテルは、は格式ある温泉リゾートとしての「顧客満足度CSと従業員満足度ES」を重視しており、ロボットの活用でサービス品質の更なる充実が実現できるかを確認する必要があった。実証実験では、「ホテル(フロント・レストラン)での省人化オペレーションの検証」「ホテル客室への部屋食対応(配膳・下げ膳)」「ロボット複数台の使用についてのオペレーション」「チェックイン時のオペレーションの時短検証」「利用者へのサポート内容の充実化」を検証した。

レンブラントキャビン 共有スペースをカフェに
 レンブラントキャビン新宿新大久保(東京都新宿区)は、2月17日に8階共用スペースを時間制のカフェエリアとしてリニューアルした。
 カフェは、「スムカフェ」としてオープンをし、韓国語の息を意味している言葉を店名に「韓国気分を味わいながら、一息つける場所」をコンセプトに営業を開始する。「スムカフェ」では、サービスとしてフリードリンクやカプセルトイなどのサービスやフードプリンターの有料利用を提供するなどフォトジェニックな空間を提供する。
 韓国料理店などが多くある新大久保で運営を行っている同ホテルとブルダックのコラボキャンペーンを実施することで新大久保をもっと楽しんでもらいたいという想いからキャンペーンを開催する。
 同ホテルは、2021年6月にリブランドオープンし、“新大久保をもっと楽しむためのホテル”をコンセプトに事業運営を行っている。同ホテルはJR山手線「新大久保」駅徒歩2分、部屋数206室。

Hands 完全独立型グランピング開業
 HandS(福岡県福岡市)が展開しているのが、完全独立型グランピング施設「The Villa Glamping」(山梨県南都留)だ。
 全5棟のヴィラには、それぞれ100㎡を超える占有スペースがあり、ウッドフェンスで区切られている。扉を閉めれば、完全なプライベート空間になり、トイレやシャワールームなど必要な施設は全て占有スペースで、他の利用客との距離が保てる非接触スタイルだ。
 ヴィラは全5棟のうちの4棟にはドームテント、1棟にはドームテントを用意。テント内は天井が高く、ファミリーやグループでコンパクトながらのびのび過ごすことができる。全室にガスBBQグリル、ミニキッチンやバスタブプール、セキュリティ性の高い最新QR錠システムを完備。最新WiFiや上質なアメニティなども取り揃えており、まるでホテルのような快適さと安全さが特徴。 
 占有スペース内には、専用の焚火スペースやウッドデッキ、芝生スペースなど、滞在を楽しむための仕掛けを用意。満天の星の下で焚火を囲んだり、ウッドデッキで淹れたてのコーヒーを飲んだりと、自然の中で特別な時間を過ごすことができる。




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