不動産トピックス

今週の一冊

2022.02.28 10:31

生き方から考える不動産投資

東大博士が書いた石橋を叩いてでも成功したい人のための不動産投資大全
著者:菅原 吉祥
発行日:2021年9月14日
発行所:ダイヤモンド社
価格:3600円(税別)

 厚さ約3cmの「大全」は、「不動産経営を大家の立場から勉強し実践した内容をまとめたもの」であり、各分野の専門書ではないというが、大学の講義を受けたかのような読後感。さすが、東大博士は一味違う充実の深堀り内容だ。第1章「不動産投資の基本を知る」では、長所と短所、リスク、融資の属性、準備、不動産経営と物件の目標設定、立地と、教本らしいスタートだが、続く章は「不動産屋との付き合い方」、「物件をもらえるようになるには」など、細かい実践となる。
 そして第6章「金融機関を味方につける」では「自分をじっと見ている人間ほど気持ち悪いものはありません。よからぬことをたくらんでいる人ほど逆に目をそらさないと言われます。目をそらした方が負ける猫のけんかでもないので、適度に目をそらしましょう」などは人間の付き合い方の実践か。ほか、「お金をかけずに入居者を集める」、コインランドリーやトランクルームといった副収入情報も有り。なお「(感情を)抑える場面、怒る場面」章の対象は管理会社。「社会とのかかわり方を考えよう」章では「世間的には何者でもない」という状態に耐えられるかが極めて重要という。生きる哲学の書にもなっているおすすめの一冊。




週刊不動産経営編集部  YouTube