不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2022.03.14 12:03
ファーストキャビンHD 美と健康テーマにリブランド
ファーストキャビンHD(東京都港区)では、手軽に都心に泊まる賢い選択で心と身体が充実する新コンセプト「STAY SMART」を体現するリブランド後初の直営店として、美と健康のホテル「ファーストキャビン市ヶ谷」(東京都新宿区)をオープンさせた。
同施設は、JR総武線「市ヶ谷」駅徒歩2分に位置、キャビン数165キャビン、ロビーラウンジ、ライブラリー、大浴場、パウダールーム等を併設する。
同施設では、ファイテン(京都府京都市)と連携し、客室の壁や天井に独自の技術を塗装した「ファイテンルーム」や、美肌効果や身体のリラックスが期待できる大浴場などリラックス空間を用意。 更に心の健康をつくる読書が楽しめるエリアとして、ロビーに小説やライフスタイル本などが並ぶライブラリーを新設。4万冊以上の漫画や雑誌が読み放題になるオンラインサービスも導入。ラウンジでは無料のデトックスウォーターやナッツバーエリアも新設した。
気軽に都心のホテルで取り組めるファスティングプラン「ファーストファスティング―青木式16時間断食プラン―」は、健康意識の高まりを受けて話題となっている「16時間断食」を会社帰りでも無理なく実践できる宿泊プランだ。滞在中は完全な断食ではなく、お腹が空いた時は我慢せず食べられる「レスキューフード」を用意。独自の筋トレプログラムを提供する。プラン限定動画として、プラン監修医師の青木先生が16時間断食をレクチャーする動画や、キャビン内でできる独自の筋トレプログラム動画をプラン限定で配信する。
また、全身のスキンケアができるファイテン社の美顔器「肌エコー」を無料貸出する。 「ファーストキャビン」は、飛行機のファーストクラスをイメージしたコンパクトホテル。2021年11月に新コンセプト「STAY SMART」のもと、「忙しい日々を過ごす現代人へ、手軽に都心に泊まるという賢い選択 から時間の余裕が生まれ、ワーク&ライフの価値が上がるホテル」としてリブランドした。
現在、羽田空港・関西国際空港のほか、東京、大阪、福岡などの主要都市を中心に8施設を展開している。旧ファーストキャビンは2020年7月にNAPに事業を譲渡。NAPは2021年1月に、社名をファーストキャビンHDへ変更した。
京阪ホテルズ&リゾーツ 感染症拡大予防対策認証取得
京阪ホテルズ&リゾーツ(京都府京都市)では、京都駅前に立地する同グループホテルのフラグシップホテル「THE THOUSAND KYOTO」と、2022年に開業88周年を迎える全室レイクビューのリゾートホテル「琵琶湖ホテル」(滋賀県大津市)にて、国内の宿泊施設としては初めてとなるサクラクオリティの「An ESG Practice認証」を、併せて、感染症拡大防止対策に関する宿泊施設認証・サクラクオリティ「A Clean Practice認証」を取得した。
サクラクオリティとはホテルや旅館等の宿泊施設を中心とした品質認証制度のこと。申請のあった宿泊施設などの観光サービスの品質を第三者が評価し、その品質の高さを認証する仕組み。
サクラクオリティは観光庁が取りまとめた持続可能な観光にかかる旅行商品の造成に向けたラベルインデックスに選定されている国内発の認証制度でもある。持続可能な観光は宿泊事業者にとっても避ける事の出来ないテーマであり、旅行業全体にとって持続可能性に配慮された商品素材をいかに商品造成に生かすか、顧客にわかりやすく伝達するかが重要になる。
「An ESG Practice認証」は一般社団法人観光品質認証協会(東京都千代田区)による「宿泊施設の品質評価」の新たな認証制度で、“SDGs”“ESG”の視点に特化した品質認証制度。環境・地域社会への配慮、持続可能な企業統治に関連する基準により構成され、172の項目によって評価されるもの。
「THE THOUSAND KYOTO」は、都市養蜂プロジェクトとして2021年より、同ホテルの屋上でミツバチを飼育することで、都市部における生物多様性保全と都市の緑化、生態系の維持に貢献することを目指している。
一方、「琵琶湖ホテル」では、「里山の食彩プロジェクト」による自然環境保全として、2002年より利用者・地元の方々と共に取り組んできた協働プロジェクトだ。「日本の棚田百選」に指定されている高島市畑地区と、大津市仰木地区の農家と契約。棚田の米を提供し、「食べることは守ること」を合言葉に「地産地消」を実現している。
オークラ ニッコー ホテルズが富山初出店
「ホテルJALシティ富山」(富山県富山市)は、オークラ ニッコー ホテルズの富山初出店のホテルとして開業した。同ホテルは「ホテルJALシティ」のブランドコンセプト「Smart simplicity (最先端のシンプリシティ)」に基づき、到着前に利用者情報を入力してもらい、発行されるQRコードをかざすだけでチェックインができるエクスプレスチェックインや、出発日にオンライン上で精算を行いフロントにあるカードリーダにカードキーをかざすだけで出発手続きが完了するエクスプレスチェックアウトなどを提供する。
同ホテルはJR「富山」駅から徒歩3分の好立地に位置。富山駅は2015年に北陸新幹線が開通したことにより、東京からのアクセスがより容易になっている。富山駅周辺は路面電車をはじめとする公共交通機関が発達しており、富山国際会議場や商業施設へのアクセスも至便で、ビジネスやレジャーの拠点として活用することが可能だ。
館内は、「富山に Touch」をコンセプトにデザインされており、富山県らしさを感じられるデザインが随所に配されている。また、最上階の客室は「富山を感じられるフロア」と位置づけ、鮮やかな色彩を発色させる伝統技術で造られた真鍮の時計や、「越中富山の薬売り」の薬包紙をモチーフにした茶などを部屋に用意している。
客室は平均面積25m2。7タイプを用意。一人で快適に過ごせるダブルベッドの部屋からツインルームが2部屋続いた最大4名で利用できるコネクティングルームを用意しており、さまざまな用途に対応できる。全ての客室にシモンズベッドを採用し、独立型バスルームにはバスタブとレインシャワーの付いた洗い場を備える。
ミナシア ”地域のおすすめスポット”を紹介
ミナシア(東京都千代田区)が運営する「ホテルウィングチェーン」、「テンザホテル」は、オンライン接客・集客促進ツール「nicody Business」(旅のしおり)を順次導入する。ブランド戦略の一つでもある地域との連携強化および国内レジャー層に注目の集まる観光スポットを起点としたホテル集客、地域観光需要の創出を目指していく。
同ブランドでは昨年「おらが町プロジェクト」を始動させている。ガイドブックには載っていない旬な情報、スタッフおすすめ観光スポットや周辺グルメなどを「旅のしおり」にまとめ、周辺情報を含めたホテルの魅力を旅マエの利用客にも、公式サイトやSNSを通じて発信。出張や旅が、より充実したものになるようホテルスタッフが提案する。
例えば「ホテルウィングプレミアム東京四谷」では、「神社巡り1日モデルコース」として、ホテルから歩いていける神社を巡るコースを作成。なかには人気映画のロケ地となった神社もあり、どの順番でまわれば効率的に行けるかおすすめルートを提案する。
「nicody Business」は、ホテルスタッフ作成のコンテンツ「旅のしおり」でオンライン接客をする集客促進ツール。旅行者にとって、ホテルスタッフとは一番身近な現地の人にあたる。そんな現地の人が作る「旅のしおり」だからこそ独自の価値が生まれる、という考えに基づいている。 同社では、「ホテルウィングインターナショナル」、「ホテルウィングインターナショナルプレミアム」、「ホテルウィングインターナショナルセレクト」「テンザホテル」の4ブランドを展開し、現在39店舗・5166室を運営している。
ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ 「地産地消メニュー」拡充
ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ(東京都港区)では、6月1日に「ホテル・アンドルームス那覇ポート」(沖縄県那覇市)を開業させる。
「ホテル・アンドルームス」ブランドでは、同ホテルで6軒目となる。“一泊のストーリーを充実させる「&」がある”というコンセプトのもと、同ホテルはルーフトッププールと、水着で入れるサウナを設置する。
場所はゆいレール「旭橋」駅より徒歩約10分に位置。那覇空港までは、ゆいレールを使用して「旭橋」駅から「那覇空港」駅まで約11分、車を使用すればホテルから那覇空港まで約7分と、交通の利便性が高く、観光の拠点として利用することが可能だ。
客室は、間接照明やブラインドなど細部に取り入れた木目調のデザインが落ち着いた雰囲気を演出する、スタイリッシュでシンプルな5タイプを用意。全ての客室にベッドとしても活用できるソファを設置した。
同社は「雨庵 金沢」「ザ・スクエアホテル」「ホテル・アンドルームス」「ロワジール」「ロイヤルパインズホテル」「チサン」など15のホテルブランドを有し、国内61カ所、海外1カ所、9036室のホテル宿泊部門および売店部門・料飲部門・大浴場・スパの運営、アセットマネジメント、フランチャイズ運営などの事業を展開している。
旅館のM&A案件増加
Visionalグループのビジョナル・インキュベーション(東京都渋谷区)が運営する事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」は、事業を譲りたい経営者がオープンに譲り受け企業を公募する「ビズリーチ・サクシード 後継者公募」を行っている。
2020年の後継者不在の旅館・ホテルは60・7%、2020年の宿泊業の倒産は前年比1・5倍の118件で、コロナ禍の影響を大きく受けている宿泊業は厳しい環境のなか、需要が高まっているという。
第1弾として、山陰海岸国立公園内に立地する旅館「臨海荘」を運営する今子浦臨海センター(兵庫県美方郡)が、後継者不在で早くよい相手に出会うべく、名前を公表して譲渡先を広く募集したところ、僅か1か月で株式譲渡契約を締結したという。