不動産トピックス
今週の一冊
2022.03.14 11:54
相続登記の義務化に注意
不動産登記の基本と実務がわかる事典
監修:中村 啓一
発行日:2021年7月30日
発行所:三修社
価格:1800円(税別)
今まで、登記は専門家に任せておけばいいと、その実務にはまったく興味も持たなかった方も多いだろう。だが昨年成立した民法・相続法、不動産登記法の改正により相続登記や住所氏名変更登記が義務化された。これは国土の約20%、九州地方の面積を上回るほどの「所有者不明土地」が今後更に増加することが予想され、大きな問題となっている現状を重く見たものだ。遅きに失した感があるが、課題解決に一歩進んだ。
相続登記はとかく面倒ではあるが、義務化された以上は「面倒だから」ではすまされない。司法書士という専門家に依頼すればいいことではあるが、基本と実務はさらっておいても損はない。不動産売買の場合はいそいそと登記に応じる関係者たちも、こと登記原因が相続や住所変更となると、登記手続きは途端にただの雑用になってしまうが同等の義務なのだ。本書は改正の概要から、登記簿の読み方、申請の仕方は勿論、図面調査、オンライン申請、そしてメーンの相続の説明は詳細だ。登記手続きに至るまでの代襲相続や相続欠格、遺留分など丁寧に解説。なお、ついうっかり後回しになりそうであるが、引っ越しで住所が変わったら所有不動産登記の手続きも忘れずに。