不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2022.04.04 10:59
チョイスホテルズジャパン 「コンフォートホテル」高松初出店
全国に「コンフォートホテル」「コンフォートイン」「コンフォートスイーツ」を展開するチョイスホテルズジャパン(東京都中央区)では3月23日、香川県高松市に「コンフォートホテル高松」を開業させた。香川県で初進出となる。
同ホテルは、高松琴平電気鉄道「瓦町」駅より徒歩約8分に位置。地上11階建て、全163室。香川県および高松市には四国を代表する企業の本社が集中し、四国地方の経済の中心地となっていることから、出張者が多く訪れる場所だ。近年では「瀬戸内国際芸術祭」や直島などの瀬戸内の離島観光も注目されている。市内には高松琴平電気鉄道(通称ことでん)やバス路線が充実しており、短時間の観光も可能であるため、旅の拠点としての需要が期待されている。
コンセプトは「瀬戸内の四季を感じるくつろぎの客室とワークスペース Color your Journey.旅に、実りを」。香川の伝統工芸「讃岐のり染」のアートが飾られた館内には、非接触でチェックイン手続きが可能なセルフチェックイン・アウト機を導入。QRコードによる事前チェックインも利用できるため、スムーズに客室へ向かうことができる。また、盆栽の一大産地である高松らしい「盆栽型ディフューザー」や、瀬戸内の四季を感じる香りで、旅の雰囲気を盛り上げる演出も施している。
瀬戸内の海をイメージしてデザインした客室は、フロアごとに季節を表現。壁には「波」「魚群」「水しぶき」といった海を連想させるモチーフを使った伝統工芸「讃岐のり染め」のアートを設置する。ベッドとは別にソファも備える。貸出備品には睡眠をサポートするアイテムを用意しており、快眠を提供する。小学6年生までの子供の添い寝は無料。
宿泊者が無料で使える「Comfort Library Cafe」には、1人で落ち着いて仕事ができるワークブースや、ミーティングで活用できるボックス席を用意。無料のWi―Fiを完備し、ヘッドセットや外付けスピーカー、拡張モニターの貸出もあるため、テレワークでの利用も可能だ。
また、高松や旅にちなんだ本を100冊以上設置。本は図書館や公共施設などのさまざまな場所のライブラリーの選書で知られるブックディレクターの幅允孝氏によるセレクトだ。「まちの来歴」「旅の醍醐味」「心と体を整える」「心地よい時間」というホテルで心地よい時間を過ごせる4つのテーマのもと、ビジュアルブックから読み物まで、さまざまな本を用意する。
スーパーホテル 自治体と地方創生事業で連携
スーパーホテル(大阪府大阪府)は、3月17日に宮崎県諸塚村と地方創生事業に関する協定を締結した。これまでも様々な場面で共創を行ってきたが、今後も木材の資源活用に限らず、未来につながる様々な取り組みを実現するために、パートナーシップを組み、従来のホテルの枠を越えた地域を元気にする「ライフスタイルホテル」を目指していきたいという。
諸塚村は、宮崎県北部に位置し人口約1500人の自然豊かな村で木材やシイタケ、茶の産地で知られている。諸塚村の周りを囲む山々は「モザイク林」と呼ばれており、戦後の拡大造林期にも、全国的にスギ、ヒノキの一斉林が植えられる中で、針葉樹と広葉樹を7:3の割合で混植する施策をとった。結果、諸塚村の森全体が、針葉樹やナラなどの広葉樹とが混在する独特の景観を生み出している。
同村は「林業立村」を掲げ、先人達が長い歴史をかけて築いてきた活動が、村全体での世界森林認証(FSC認証)の取得や世界農業遺産(FAO)の認定へと繋がっており、地域の次の100年を見据えた振興策に取り組んでいる。
同社では、宮崎県内の2店舗で宿泊の際に発生したCO2をオフセットする、カーボン・オフセット付き宿泊サービス「ECO泊」では、諸塚村のJ-クレジットを採用している。カーボン・オフセットでも地産地消を実現している。
村内で採ったFSC認証木材(スギ)を利用し、諸塚村内の木材加工センターで朝食用のボックスを製造。全国のスーパーホテルの朝食にて什器として活用されている。宮崎市内にある「宮崎天然温泉店」のリニューアルでは諸塚村のFSC認証材を内装に取り入れた。
同社は「Natural, Organic, Smart」をコンセプトとし、SDGsをテーマに持続可能なライフスタイルを提案するホテルで、国内169店舗を運営している。
宿泊者専用セルフクロークを導入 新宿ワシントンホテル本館
藤田観光(東京都文京区)が運営している「新宿ワシントンホテル本館」(東京都新宿区)は、3月21日から宿泊客の安心・安全を考慮し、非対面・非接触で手荷物を預けることが可能な「宿泊者専用セルフクローク」を導入した。
この設備は、アルファロッカーシステム社(神奈川県横浜市)製の2段式で、上段ではICカードロッカー152個分、下段にはバゲッジポート95個分、合計247個分を本館3階フロントロビーに設置した。
非対面・非接触など、適切な距離間でのコミュニケーションニーズが高まる昨今で、手持ちの交通系ICカードや、電子マネーに対応したICカードをかざすことでスムーズに自身で手荷物を預けることが可能になる。宿泊客は当日に限り、チェックイン前、チェックアウト後を問わず無料で荷物を預けることができ、ICカードロッカーの操作部は日・中・英・韓の4か国語の多言語に対応しており、多様な宿泊客へ向けた機能性の高いロッカーとなっている。
同ホテルでは、自動チェックイン機やセルフロッカーなど最新設備の導入により、宿泊客の利便性向上を図るとともに、より一層コミュニケーションを拡充していきたいという。
同ホテルは、「新宿」駅各線より徒歩約8分に位置、客室数は1280室。
グローバルエージェンツ ”シアタールーム”を拡充
グローバルエージェンツ(東京都渋谷区)では、全国に6ブランド11棟1200室のブティックホテル、ライフスタイルホテル「LIVELY HOTELS」を展開しているが、このほど、同ブランドのコンセプトルーム“シアタールーム”を全6ブランド200室以上に拡大させた。
シアタールームはホテルの客室の大画面プロジェクターで映画やオンラインライブ、スポーツ観戦などが楽しめるコンセプトルーム。2021年7月のアンブレラ・ブランド「LIVELY HOTELS(ライブリーホテルズ)」スタート時には、全95室プロジェクター付きのデジタルホテル「slash 川崎」と「The Millennials」ブランドの一部客室の約100室のシアタールームだったが、約半年で「THE LIVELY」ブランド、「UNWIND HOTEL&BAR」ブランド、「HOTEL GRAPHY 根津」、「ESTINATE HOTEL那覇」の4ブランドが加わり、全6ブランド約200室以上に拡大した。
コロナ禍で旅行・観光やホテルの過ごし方が日々変わっていく中で、「LIVELY HOTELS」では、ホテルを“自分をアップデートする場所"として、今後も非日常的でクリエイティブなホテル体験を提供していきたいという。
ブランドのコンセプトは、「自分をアップデートする場所」。従来型ホテルのただ寝るという機能的価値ではなく、滞在を通してゲスト自身に何らかのアップデートが得られる「体験価値」を提供していく。
城山観光 上層階客室をリニューアル
城山観光(鹿児島県鹿児島市)が運営している「SHIROYAMA HOTEL kagoshima」(同)では、2018年よりホテルリニュアル工事を5ケ年計画で進めているが、この度、3月11日に上層階桜島ビューの客室を「桜島ビュー プレミアムフロア」としてオープンさせた。昨年10月にオープンしたクラブルームに続き、さらに高付加価値客室を増やし、鹿児島を訪れる国内外のエグゼクティブ層へワンランク上のホテル滞在を提供していきたいという。
今回、リニューアルオープンするホテル中央棟の9階・10階「桜島ビュー プレミアムフロア」の客室は、ゆったりとした53㎡の広さで、鹿児島が誇る桜島・錦江湾ジオパークの大自然と鹿児島市街地を一望できる。客室のデザインは、“ジオ・リゾート・エレガンス“をコンセプトに、豊かな自然との調和を考えた色彩、時間を忘れゆったりとくつろいでもらえる家具の配置など、南国リゾートを存分に満喫してもらえるような空間を演出した。
部屋のアメニティも、高品質かつオーガニックにこだわったイタリア生まれのバスアメニティ「NATURAL FOUNDATION」、シーリーやサータ社製などハイブランドのベッドを完備、また部屋を彩るアートワークには鹿児島出身作家によるオリジナル作品を取り入れるなど特別感のある素材を揃えた。
アパートメントホテル ミマル インフルエンサーが企画の特別ルーム
キッチンを備えた広い客室、家族や仲間と「みんなで泊まる」アパートメントホテル ミマル(APARTMENT HOTEL MIMARU)を運営するコスモスホテルマネジメント(東京都港区)は、ターコイズ調のブルーが特徴の「Lady room」(レディルーム)を、3月28日(月)より「MIMARU東京 新宿WEST」にて提供する。
レディルームは、インフルエンサーがプロデュースする空間。シングルベッド2台と2段ベッド1台の40㎡ほどの部屋は、4名まで集まってホテルステイが楽しめる。レディルーム限定のアフタヌーンティーセットを用意するほか、友達同士デリバリーやテイクアウトしたものを持ち込んで、楽しむことも可能だ。
同社は約40㎡からの広い客室にキッチンやリビング・ダイニングスペースを備え、家族・グループでの中長期滞在ニーズに対応するアパートメントホテル「ミマル」を運営している。