不動産トピックス

クローズアップ 清掃・クリーニング編

2022.04.04 10:47

 物件の価値向上に不可欠なのが清掃・クリーニング。エントランス等が汚れていると、リーシングや入居者の満足度に影響が生じてくる。一方で清掃・クリーニングも様々なサービスが登場。ニーズに合ったソリューションもあるだろう。

カビ対策 躯体にやさしい洗浄方法
 ビルの外壁や内部の汚れやすい場所に発生するカビの黒ずんだ汚れは、放置しておくとビルの印象を損なうことにもなる。できるだけ早期に素早く処理をする必要がある。だが、表面だけの洗浄では、湿気や気温という条件が変わらなければまたすぐに発生する可能性もある。長期的に効果のある方法でカビや水垢、油汚れなどは完璧に落としてしておきたいものだ。
 サンニック(東京都港区)ではカビ対策の特殊洗浄を展開している。通常の清掃では行き届かないカビの核を死滅させる徹底洗浄だ。壁をこすってカビを落とすのではなく、液剤でカビの核を分解除去するため、躯体を傷つけにくいという特徴がある。
 「カビは発生したら、壁などの表面を溶かして付着します。建物自体の劣化も進みますし、躯体維持のためにも早めの洗浄を心がけてほしいですね。カビの分解メカニズムを研究しており、当社の特殊洗浄では新築時と同レベルのカビの付着がない状態にします。無料のデモ施工では30cm四方の汚れを落としてみせ、きれいになることを実感してもらうと同時に、汚れの質を調べます。気持ち良い環境で元気いっぱいに働いてもらえる環境づくりをモットーにしています。お困りの時はお声掛けください」と代表取締役社長の井崎高陽氏は話す。油汚れは環境に配慮し、リンや油分を含まない界面活性剤を主成分とした液剤を使用し、乳化させることでビルの躯体から離れやすくする洗浄で落とす。同社の「感動洗浄」というキャッチコピーからもその洗浄効果は大いに期待できそうだ。

「ASKUL」で清掃依頼サービスを販売
 アスクル(東京都江東区)は、事業所向け(BtoB)通販サービス「ASKUL(アスクル)」において、ユアマイスターが提供する「清掃依頼サービス」を販売している。これにより「ASKUL」サービスのユーザーは、「ASKUL」サイト上で約70項目あるユアマイスターの清掃メニューの中から清掃サービスを申し込むことができる。対象エリアは全国。清掃業者とのやり取りは必要なく、明確な料金、スポット利用などの特徴を備え、必要な時に必要なだけ、通常の備品購入と一緒に申し込みが可能となっており、利用者の手間・コストを削減する。
 同サービスは、エアコンクリーニング、床・カーペット清掃など、約70項目あるユアマイスター社の清掃メニューを「ASKUL」のWebサイトから申し込み可能なサービス。要望の多いエアコンのクリーニングは家庭用エアコンで1台9878円~(税込)、業務用エアコンで1台2万7280円~(税込)など、手頃な価格で各種清掃を依頼でき、単発利用も可能なため、気になった時にその都度依頼することも可能。
 ユアマイスター独自の審査基準を突破した業者の中から、担当者が顧客の要望に応じて適切な業者を選定するため、利用者は清掃業者の選定の手間を省くことができる。申し込みは同通販サイトで行うことができ、その他の備品購入とまとめて請求となるため、清掃依頼での契約締結等の手続きは不要という特徴も備える。プランは「定額メニュー」と「お見積りメニュー」の2種類。「定額メニュー」は見積なしで決まった清掃メニューから簡単に注文できる。一方「お見積りメニュー」は、複数のメニューの組み合わせや悩みについてじっくり相談できる見積りプラン。

清掃の管理品質をコントロール
 ビルスキル(東京都豊島区)は、清掃仕様の枠を飛び越える新サービス「Optimize Resource Management」を提案している。
 同サービスは既存サービスである「DUST QUICKER Plus」・「Re:セット洗浄」・「Flexible Unit」の3つのサービスを組み合わせることで各物件に最適化した仕様をカスタマイズするサービス。
 既存の経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報・コトを最適化することで、清掃業務における単純なコスト上昇を回避し、清掃仕様の過不足を調査分析することで管理品質のバランスをコントロールする仕組み。
 「DUST QUICKER Plus」は家庭ごみを集積所から巡回搬出を行い複数棟のごみ搬出に巡回清掃をプラスしたサービス。
 「Re:セット洗浄」は定期清掃では汚染が改善しにくい美観を短期的且つ集中的に向上する。汚染分析を行った上で洗浄工程、洗剤やブラシ等を選定し使い分けることで汚染によりインパクトのある洗浄を実施する。
 「Flexible Unit」は定期清掃と日常清掃の中間洗浄を定期的に実施することで汚染頻度をコントロールする。日常清掃では普段手の届かない箇所や資機材が無いとできない箇所などを専用の洗浄要員が資機材を活用し、機動的に品質をコンディショニングする。

パナ 清掃プラットフォームサービス
 パナソニック(大阪府門真市)は、什器などの障害物が多い複雑な狭小空間の清掃に適した業務用小型ロボット掃除機RULO Bizを使った月額定額制の清掃プラットフォームサービスを開始する。
 同製品は、無線で専用サーバと通信し、サーバから送られてくるマップに基づき清掃を行う。1台で複数マップを清掃させたり、複数台を同時に稼働させるなど、利用者のニーズに合わせた柔軟な運用が可能。また、指定された時間に自動で清掃開始、必要に応じて自ら継ぎ足し充電しながら清掃を完遂するため、現場での有人作業は清掃後のごみ捨てのみと大幅に軽減。製品本体とシステム利用料に加え、年1回の定期点検・メンテナンス、故障時の代替機支給などが同サービスの月額料に含まれるため、毎日の清掃予定に穴をあけることなく使用できる。




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