不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2022.04.18 11:29

アパグループ カナダ・カルガリー全120室を取得 直営6店目・FC31店、海外ネットワーク拡大
長期滞在者見込む 年内に3施設参加
 アパグループ(東京都港区)は、100%出資の子会社であるAPA Hotel Canada Inc.(カナダ・ブリティッシュコロンビア州)を通じて、同州カルガリーにある全120室の「Regency Suites Hotel」を取得した。
 同ホテルは、カルガリー国際空港から車で約25分のダウンタウン地区で、高層ビルの立ち並ぶ商業地区やレストラン・エンターテイメント施設が多くあるエンターテイメント地区にも徒歩圏内に位置する。全客室ともに、スイートルーム仕様でミニキッチンが備え、長期滞在者や家族連れの滞在需要も期待している。
   2022年4月12日より「COAST calgary downtown hotel & suites by APA」としてプレオープンを予定しており、同じくアパグループ100%出資子会社のCoast Hotels Ltd.が運営にあたる。オープン後は、年内のグランドオープンを目指し営業を続けながら、ホテル館内外のリニューアルと”COAST hotels by APA”の標準客室仕様であるTOTO製ウォッシュレットと大型テレビの導入を進めていくとともに、日本のおもてなしの心を象徴する折り鶴や、日本で既に採用しているハイグレード・アメニティの一部を全客室に設置する。また、公式サイトからの予約でアパポイントの付与を行う。 
 アパグループは世界戦略を一つの目標として掲げ、2015年11月に米国ニュージャージー州イズリンに海外フランチャイズ第一号ホテルとして、「APA HOTEL WOODBRIDGE」をオープンさせた。翌年9月にカナダ国ブリティッシュコロンビア州バンクーバー市に本社のあるCoast Hotels Ltd.を取得した。
 Coast Hotelsは、今回のホテル取得で、直営ホテル6ホテル目となるほか、カナダと米国に合計31のマネジメント・フランチャイズホテルネットワークを持つ。更に年内に3ホテルがフランチャイズに加わる予定で順次拡大をしている。
 同グループは今後も、あらゆる可能性を追求しながら、海外でのホテルの展開を本格化していく計画だ。Coast Hotelsを中心に、北米エリアでの事業基盤を固めた上で、その次はアジアでの展開を目指していくという。
4月より新体制へ移行 元谷一志氏CEOに
 また、同グループは4月1日より新体制へ移行させた。同グループは、現代表の元谷外志雄氏が1971年5月10日に石川県小松市で創業し、注文住宅から宅地造成、賃貸マンション、分譲マンション、ホテル、総合都市開発事業へと事業を進化させながら、日本最大級のホテルチェーンにまで成長、発展を遂げてきた。
 昨年5月10日に創業50周年を迎えて一つの区切りがついたこと、一昨年から感染が拡大した新型コロナウイルス感染症の終息が見えてきたことから、世代交代を進めて同社の新たな歴史を創るため、2022年4月1日より新体制へ移行することとなったもの。
 新体制の下では、アパグループ代表としてグループ全体を統括していた元谷外志雄氏が「アパグループ会長」に就任し、引き続き経営には関与し続けるが、アパグループ代表取締役社長としてアパグループの管理部門を統括していた元谷一志氏が「アパグループ社長兼CEO」に就任してグループの経営を統括する。また、アパホテル代表取締役専務の元谷拓氏は「アパグループ専務」に就任する。なお、アパホテル取締役社長の元谷芙美子氏は、これまでと同様に、会社の広告塔及び営業部門のトップとしての役割を担う。

マッシブ・サッポロ 一棟貸切型無人施設をオープン
 MASSIVE SAPPORO(北海道札幌市)は、2013年より札幌を拠点に全国で累計800室の宿泊施設のプロデュース・運営を行なってきたが、このほど同社は、北海道函館市志海苔(しのり)地区で、モデルハウスとして利用されていた平屋一戸建ての物件を、一棟貸切型の無人ホテルとしてリニューアルオープンした。コロナ禍でのアウトドア・ワーケーション需要の高まりを受け、函館の海が一望できる立地と、モデルハウスならではの設備を活用し、家族連れをはじめとするグループ客の連泊利用を期待している。
 同施設には、専用ビューバス・専用トイレ付きベッドルーム×2室、ウッドデッキ、リビング・ダイニング、キッチン、パントリー、無料駐車場などを配置する。
 コロナ禍を経て、民泊・無人ホテルの市場は大きく変化してきた。同施設のような郊外に位置する戸建タイプの宿泊施設は、コロナ禍での三密回避やアウトドアブームを背景に人気を高めている。しかし、昨今のウッドショックをはじめとする新築用資材価格の高騰や、中古不動産価格の高騰により、同タイプの宿泊施設の新規開業することは困難にもなってきているという。そこで、家族向け住宅のモデルハウスとして既に建築済み、且つ平日はほとんど使用されていなかった不動産を宿泊施設としてプロデュース・開業することにより、顧客のニーズに合致した、採算性の高い資産としての運用を実現した。 
 同社では今後、2023年末までに全国で100棟の企画・運営を目指し、日本国内の家族・グループ旅行客と、インバウンド市場回復後は外国人グループ客を取り込める、採算性の高い宿泊施設を拡大していきたいという。

エフ・ジェイ ホテルズ 「ハイアット」ブランド京都38軒目
 ハイアット ホテルズ コーポレーション(本社・米国イリノイ州)は4月1日、「ハイアット プレイス 京都」(京都府京都市中京区)をオープンさせた。同ホテルは関西初のセレクトサービス型ブランドであり、エフ・ジェイ ホテルズとハイアットの関連会社が2019年に締結したフランチャイズ契約に基づき運営される。同ホテルは、「ハイアット リージェンシー 京都」、「パーク ハイアット 京都」に続き、京都では3軒目のハイアットのホテルとなる。
 同ホテルは、都市営地下鉄烏丸線「丸太町」駅徒歩約1分に位置。客室数239室うちスイート3室、土地建物所有は関電不動産開発、設計・施工は竹中工務店、経営・運営がエフ・ジェイ ホテルズ。
 同ホテルは、観光やビジネスの旅行に適した24時間の利便性を追求する宿泊特化型のホテル。客室は全室25㎡以上で構成され、足を伸ばして寛げるソファとワークスペースを設け、Wi―Fiと動画配信端末のクロームキャストを完備し、機能的なデザインと大きな窓が開放的で広々とした空間を演出する。ルーフガーデンや中庭を望む客室タイプ、長期出張や家族旅行にも便利な電子レンジ付きミニキッチンを用意する客室タイプもあり、普遍的な心地よさを追求するデザインコンセプトが滞在目的に応じたフレキシブルな居住空間を実現した。
 館内には、フレッシュで温かい朝食をブッフェで提供するレストラン「THE KITCHEN(ザ・キッチン)」のほか、軽食やドリンクを24時間購入できるショップ兼バーの「LOBBY BAR(ロビーバー)」が共有スペースとしても機能し、さらに24時間使用できるフィットネスルームとコインランドリーを完備している。同ブランドは、さまざまな目的を持つ現代の旅行者が無理なく自然に滞在できるホテルとして、世界中で395軒以上を展開している。

リソル 沖縄エリアに初出店
 リソルグループ(グループ本社・東京都新宿区)のリソル(同)は、“ホテルリソルトリニティ”シリーズの「ホテルリソルトリニティ那覇」を4月1日にオープンさせた。
 “ホテルリソル”ブランドとして沖縄エリア初出店となる「ホテルリソルトリニティ那覇」は、丸紅、リッシ等が共同で取組む地上13階・全220室の不動産開発プロジェクトで、運営は、現在全国17ヶ所に“ホテルリソル”ブランドを展開しているリソルが行う。
 那覇の玄関口でもある沖縄都市モノレール「旭橋」駅から徒歩3分に位置する同ホテルは、官公庁や国際通り等の主要施設が徒歩圏内で、新那覇バスターミナルから島内各地へのアクセスも良く、観光やビジネスの拠点としてのロケーションに位置している。
 エントランスや館内には琉球石灰岩や花ブロック等、沖縄の伝統的な素材を随所に使用したほか、ロビー、レストランの一体設計と、外部の光を十分に取り入れた広々とした開口部を設けたことにより、街中のホテルでありながら、沖縄の吹き抜ける心地よい風の流れと光を感じられるくつろぎの空間を演出。また最上階には、沖縄伝統「やちむん(焼き物)」の手洗い場がある天然鉱石人工温泉大浴場を備えている。
 客室は、ナチュラルウッドと白を基調とした明るくリゾートを感じられる空間。モダレットルームやツインベッドルーム、トリプルベッドルーム等、利用スタイルに応じて様々なタイプの客室を用意。全室シューズオフスタイルで自宅のように寛げる空間を提供する。

ドローンエンタ 撮影サービス開始
 ドローンエンタテイメント(東京都渋谷区)は、飲食店やホテルなどの宿泊施設はじめ多くの屋内・屋外施設の紹介に最適なマイクロドローン撮影からSNS配信・運用までサポートするサービスの提供を開始。 
 施設紹介・スタッフ紹介・シーズン商品のプロモーションなど、マイクロドローンでワンカット撮影を行い、各種SNSに合わせた編集・配信まで支援する。これまで準備時間が長く、高コストだった映像制作を、「短時間で効率的」にすることでコストを抑えられることから、「1回限り」の動画投稿ではなく定期的に映像配信を繰り返すことが可能だ。 
 撮影開始したその日から最短1日で映像納品することができるため、シーズナブルな商品展開や定期的なプロモーションに対応可能。




週刊不動産経営編集部  YouTube