不動産トピックス

クローズアップ ロボット編

2022.06.20 11:53

 定期的にロボットを取り上げる背景として、警備やビルメンテナンス業界での人手不足があるからだ。以前からIT化やDX化と共に、人間の行う業務のサポートとしてロボットの運用が注目されてきた。徐々に対応できる業務範囲は広がりを見せ、活用シーンも増えつつあるようだ。

自動床面洗浄機「SC50」今年7月から室内用を提供開始
 テクトレ(横浜市中区)は、中国のメーカー・アイドライバープラス(智行者)が開発した無人運転清掃ロボット「viggo(ヴィゴー)」の国内販売を担当している。今年7月から室内用の自動床面洗浄機「viggo SC50(以下、SC50)」の提供を始める。
 SC50は、1時間でおよそ1800㎡を洗浄できるハードフロア専用・完全自律型の床洗浄ロボット。本製品の操作は非常に簡単で、ユーザーで清掃ルートをマッピングすると、SC50が自律的にマップとルートにそって清掃を行い、掃き掃除と床洗浄を行うことが可能。使用時には、ロボットに格納されている42リットルのタンクへ清水(浄水)を入れる。その清水を床面に接触する前方から出しながら床面を洗浄し、使用した汚水は後方から吸い上げて清潔な床面を実現する。また、ダストボックスも備え付けられており、2つのサイドブラシからゴミを一部大きなゴミも一緒に回収できる。本体サイズは縦800×横幅700×高さ1200mm。清掃幅は710mmと、他のハードフロア専用のロボットと比較して広い。また壁際はメーカー推奨で、10cm以上離れていれば問題ないとのことだ。
 サービスロボット事業部 ディレクターの露木悠一郎氏は「SC50は、自動充電やスイープ機能、エレベーターとのアクセスコントロール連動、レポート機能、提示タスク、障害物回避、ルート計画などの様々な機能が内蔵されています。特にブレークポイント履歴は、他製品には見られない珍しい機能です。『人が居た』等で避けた場所を記憶し、周回の清掃が終わった後に未掃除の部分だけ集中的にスクラブを行う機能です。その時、その場の状況に柔軟に対応できる点は魅力です」と語った。
 既に中国国内では販売開始しており、病院やオフィス、商業施設、工場・倉庫等での運用実績がある。バッテリーの稼働時間は3時間。1時間で1800㎡(およそテニスコート6面分)の洗浄なので、最大で5400㎡を対応することが可能だ。
 露木氏は「導入を希望する際は、購入、レンタル、リースの中から選択でき、保守は提携会社が担当します。事前に清掃場所のマッピングや設定が必要となりますが、設定自体は1日で簡単に完了します。7月より取扱い開始で、8月には運用開始可能となると思われます」と語った。加えて今後は自動掃除機「V50」の販売も予定している。

掃除ロボットとエレベーター連動実証実験 関西初
 JR西日本メンテック(大阪市淀川区)と大阪ターミナルビル(大阪市北区)は将来の労働力不足に対する取り組みとして、掃除ロボットとエレベーターが連動して複数フロアをロボットが自動で乗降し清掃作業を行う実証実験を5月より開始した。これは関西発の取り組みになるという。
 これまで人が行っていたカーペットの清掃を代わりに行うロボットはあったが、次のフロアへ行くには人の手を必要としてきた。今回の実証実験ではエレベーターへの乗降や昇降をロボット自身で行えるCYBERDYNE(茨城県つくば市)開発の清掃ロボット「CL02」を使用。人手不足の解消に合わせ、深夜帯に行われる仕事の労働環境改善に貢献できるかを実証していく。また実証実験を通じて他のビルへの展開など導入箇所の拡大を目指す。

空港の警備にロボットを活用 セコムが成田空港で
 セコム(東京都渋谷区)は成田国際空港でセキュリティロボット「cocobo(ココボ)」を活用した警備サービスを13日より開始した。
 「ココボ」はAI・5Gなどの先端技術を活用して立哨・巡回・点検業務など、様々な業務を提供する。搭載カメラでとらえた映像をリアルタイムでAI解析。異常を検知すると防災センターなどに設置された監視卓へ異常信号や映像を送信。常駐警備員と連携して対応する。また「バーチャル警備システム」、建物内の監視カメラ、エレベーター映像などのクラウド上の情報を共有・連携し、より高度な業務を提供する。




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