不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2022.07.11 10:12
東横インがブランド再構築 幅広い層への訴求を期待
全国でビジネスホテル「東横INN」を運営する東横イン(東京都大田区)は、7月1日より、ブランドの再構築に向けてロゴを一新、新しいブランドコンセプトやカスタマープロミスを体現するサービス・設備などを順次導入する。
ビジネスホテル業界は成熟期に入り、大浴場など特色あるサービスを持つホテルチェーンが続々と台頭してきた。これにより、東横INNの好立地、機能的な客室とシンプルなサービス、リーズナブルな料金というビジネスホテルスタンダードでもある特長が薄れつつあり、同社は今後の方向性の検討を行ってきたという。
同社はビジネスホテルを含む各種宿泊施設利用者に調査を実施、ビジネスホテルはレジャー利用率が高いこと、特に20~30代男女にこの傾向が顕著であることが判明したという。この結果を踏まえ、同社はビジネス目的だけでなく、幅広い目的、年代の利用者に支持されるホテルになるため、ブランド再構築を決定した。
ブランドコンセプトは「全国ネットワークの基地ホテル」。同社は1都2府42県の県庁所在地、東海道新幹線全駅に出店しており、全国どこにでもあり、いつ訪れても変わらず、明日の出発に備えて安心してリチャージできる「基地」のようなホテルを打ち出す。 また、直営展開により、全店標準化された設備・サービス品質を維持し、品質マネジメント規格を示すISO9001を取得した。 全店で利用できる特典を付した「東横インクラブカード」会員は671万人で、今後、会員サービスのさらなる強化を図る。
身体へ器具装着せず、眠るだけで睡眠状況をデータ取得し、記録できるサービス「すいみんPJ」を10店舗に導入。エアウィーブマットレスやリファシャワーヘッドなど5つのプレミアムアイテムを設置した「プレミアムプラスルーム」は134店舗に導入した。
同社は、地域の活性化と発展に貢献し、共存共栄の関係を築くホテルづくりを目指す。例えば地域の小学生を招待し、ビジネス出張の疑似体験をする「はじめての出張」、クラシック音楽の力でコミュニティを活性化させ、若手演奏家の育成も目的とする「100万人のクラシッククライブ@東横INN」などを継続実施する。
東横INNは現在、海外5カ国17店舗を含め全335店舗、総客室数は7万3339室。
チョイスホテルズジャパン 「コンフォートホテル新潟駅前」リニューアル
全国に「コンフォートホテル」「コンフォートイン」「コンフォートスイーツ」を展開するチョイスホテルズジャパン(東京都中央区)では7月1日、「コンフォートホテル新潟駅前」(新潟県新潟市)のリニューアルを行った。リニューアルに伴い、宿泊者が無料で使える「Comfort Library Cafe(コンフォートライブラリーカフェ)」を新潟県内のコンフォートブランドのホテルで初めて導入した。
同ホテルは、JR「新潟」駅西口より徒歩約5分に位置。地上12階建て、全196室。ビジネスや観光の拠点として交通至便な場所にあり、新潟駅周辺はホテルのある万代口を中心に現在整備が進んでおり、今後ますますにぎわうエリアになることが期待されている。
客室の1ベッドルームでは「春の日本海」、「夏の田園」、2ベッドルームでは「秋の大地」をイメージした色合いで、新潟の四季を感じる空間を演出した。寝具は環境にやさしいリサイクル羽毛布団と、オリジナル快眠枕「チョイス ピロー」を全室に用意した。睡眠をサポートするアイテムの貸出もあり、宿泊者に快眠を提供する。
ラウンジスペースとして利用されていたスペースが、Comfort Library Cafe(コンフォートライブラリーカフェ)となった。宿泊者は10時から24時まで無料で利用可能。チェックイン前やチェックアウト後も過ごせるため、新幹線までの待ち時間や商談の合間に過ごす場所として活用できる。
カフェ内には図書館や公共施設などのさまざまな場所の選書で知られる、ブックディレクターの幅允孝氏がセレクトした、新潟や旅にちなんだ本を100冊以上設置した。「まちの来歴」「旅の醍醐味」「心と体を整える」「心地よい時間」というホテルで心地よい時間を過ごせる4つのテーマのもと、ビジュアルブックから読み物まで、さまざまな本を用意している。
「ANAホリデイ・イン仙台」客室改装
ANAホリデイ・イン仙台(宮城県仙台市)では、1月より8階から12階に位置する客室及び廊下、エレベーターホールと、3階から7階までの一部客室の改装工事を進めてきたが、このほどリニューアルオープンを果たした。
これまでのシンプルフロアのみだった客室から、今回新たに「スタンダードフロア」と「プレミアムフロア」を設け、開業以来初めてとなる大規模なリニューアル工事を行ったもの。仙台という土地のアイデンティティを各客室に設置されたそれぞれのアートパネルに込め、ホテルを訪れるゲストに「杜の都仙台」を感じてもらえるような空間を作った。
ジュニアスイートルームでは、木材のぬくもりを感じるさりげないラグジュアリーさの新グレードへ転換。客室内には、仙台の市木であるケヤキをに用い、木の廃材を組み合わせながらも杜の都である仙台らしさを表現したエコアートパネルを設置。地球環境にも配慮したデザインとした。改装に合わせ水回りも一新。館内唯一の独立したバスルームも特徴だ。
また、プレミアムフロアでは、それぞれの客室に、「定禅寺通りのケヤキ並木」「宮城県の伝統工芸品・堤焼」「杜の都仙台の新緑」をイメージしたアートパネルがランダムを配置した。
スタンダードフロアは、ナチュラルな木目と白を基調とした明るい空間を演出。各客室の「伊達政宗の兜(三日月)」「仙台市の木・ケヤキ」「雀踊りの扇子」「仙台七夕まつり」をそれぞれイメージしたアートパネルを施した。
NOT A HOTEL メンバーシップNFT販売
NOT A HOTEL(東京都渋谷区)では、同ホテルを毎年1日単位で利用できる宿泊権と、イベント参加などの特典を合わせたメンバーシップのNFTを夏に販売開始する。
同社が展開しているNOT A HOTELのMEMBERSHIPは、購入時点では旅をする日も旅をする先も決まっていない。購入後に「毎年旅をする日」がランダムに付与され、宿泊の3ヶ月前には手元に「THE KEY」が届き、宿泊するNOT A HOTELが決まるもの。偶然を楽しみ、旅をしながらNOT A HOTELの世界観を体験できることを目的としている。
一時的な宿泊を伴う利用権でなく、毎年旅をする権利は、建物の耐久年数と同じく47年間続く。建物の寿命と同じ期間利用し続けることができ、その権利をNFTで保有することが可能だ。
NOT A HOTELメンバーシップのNFTは様々な特典を利用できるだけでなく、二次流通で売買したり、プレゼントをすることも可能。MEMBERSHIPそのものの権利はもちろん、旅する日のスケジュールが合わなければ、その年に受け取るTHE KEYのみを売却する事もできる。メンバーシップを保有していれば、また翌年新たなTHE KEYが届く。
NOT A HOTELは「世界をもっと楽しく」をビジョンに、アプリ上で自宅とホテルの切り替えが可能な新しい住まいの形を実現するため、2020年4月に設立された。2021年5月にはNOT A HOTELを中心としたホテルの運営・マネジメントを担う合弁会社「NOT A HOTEL MANAGEMENT株式会社」を設立、ソフトウェアとホテル運営を合わせたサービスの開発を推進している。
ルースター インフルエンサー活用支援
ルースター(東京都中央区)は、「ホテル系」のインフルエンサーによるPR支援サービスを開始した。
現在、Instagram上では自らの興味関心の発信はもちろん、同じ興味関心を持つユーザーとの交流や情報収集の場としても利用されている。中でも自身が訪れたホテルや旅館のレビュー、ホテル周辺の観光情報などを発信するばかりでなく、「格安でお洒落なホテルが知りたい」、「恋人や友人との旅行をさらに充実させる宿泊特典やサービスが知りたい」、「お部屋紹介を動画で見たい」など、リアルな声を知る・見ることができる情報検索ツールとして、広がり続けている。
従来、ホテル関連の情報収集ツールは、グーグル検索や旅行情報誌、テレビなどが主に利用されてきたが、Instagramもハッシュタグ検索などを通し情報収集ツールとしても利用されるようになっている。
そのため、同社がサービスを展開することで、強い影響力を持つInstagram内のインフルエンサーである「インスタグラマー」を通して情報を発信することで、多くのフォロワーに対して効果的なプロモーション施策を可能にする。
具体的には、ホテル、旅館、ワーケーションスペースなどにインフルエンサーに実際に訪れてもらい、そのスポットやサービスなどをPRするほか、ホテルのアンバサダーとして複数回投稿などを通した中長期的なPRなどを提案する。
「インクルーティブ・コレクション」ハイアットグループが立ち上げ
ハイアット ホテルズ コーポレーション(本社・米国イリノイ州)はこのほど、レジャー需要に特化する新たなポートフォリオとして、9つの高級オールインクルーシブ・リゾート・ブランドからなる「インクルーシブ・コレクション」を立ち上げた。
同コレクションのリゾートでは、滞在中オールインクルーシブなサービスによる洗練された体験をシームレスに提供する。
インクルーシブ・コレクションのリゾートは、「Hyatt Ziva」「Hyatt Zilara」はじめ、「Secrets Resorts & Spas」「Dreams Resorts & Spas」などに、近日中に追加される「Vivid Hotel & Resorts」の9ブランドで構成。同コレクションは、ハイエンドの高級リゾートに滞在してバケーションをより有意義で価値ある体験で彩りたいという全ての利用客の要望に応えるとともに、各リゾートは段階的にハイアットのロイヤルティプログラム「ワールド オブ ハイアット」のポイントやリワードの対象になる。