不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2022.08.08 10:20

リロバケーションズ 地方の老舗旅館を取得し再生
 会員制リゾート事業はじめ、ホテル・旅館運営再生事業を展開しているリロバケーションズ(東京都新宿区」では、津和野観光ホテル(島根県鹿足郡)が所有・運営する旅館「わた屋」(同)の売買契約を締結、8月1日より「ゆとりろ津和野」として運営を開始させる。同施設は同社が運営する広島・竹原の「賀茂川荘」、鳥取・皆生の「皆生風雅」に次ぎ中国地方3施設目の旅館となる。
 同施設はJR山口線「津和野」駅下車徒歩8分に位置、客室数は30室(和室・洋室・和洋室)。
 津和野は島根県の南西に位置し、山陰の小京都としても知られている。風光明媚なこの地に宿泊施設はわずか数件しかなく、同施設は津和野で唯一の天然温泉旅館となる。
 今回の出店では、より多くの宿泊客に津和野の地へ足を運んでもらえるよう地元自治体との連携を強化、津和野の魅力を最大限アピールし地域全体の活性化を目指していきたいという。
 同社は、経営の厳しいホテル・旅館の再生案件や売却案件に対し、グループ力を生かした再生ビジネスを手掛けてきた。
 企業や健保組合にとって負担になっている保養所などを得意としているが、既存の旅館の再生も手掛け、多くは客室が50室前後と比較的小規模なものが多く、他社が手掛けない施設が多いのが特徴だ。
 土地建物の取得はもちろん、「支配人派遣」「保証」といったコンサルティングから、「予約業務代行」「自社サイト集客拡大プログラム」「リノベーション・ブランド提案・支援」など、オーナーの意向に合わせた再生メニューを用意、90日間での黒字化を目指した様々な支援を行ってきた。現在、全国でリゾートホテル、旅館を運営・運営代行をしている。
 同社は昨年10月にグループ再編として、旅館運営を手掛けるワールドリゾートオペレーションを吸収合併、新体制でのスタートを切った。
 同社は全国のリゾート施設と提携し、ポイント制による会員向け施設を提供。強みは会員という強固なストックビジネスモデルだ。これを生かし、集客力を高め、経営の安定化を進めていく。
 同社は今後、会員数の拡大を積極的に行っていく計画だ。

KPG 沖縄施設内飲食夏仕様に リゾートナイトを提供
 カトープレジャーグループ(東京都千代田区)のKPG HOTEL & RESORT(沖縄県沖縄市)が運営する全室オーシャンビュースイート「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」では、7月23日にホテル棟2Fの「Deli & Cafe」Barをリニューアルオープン。インフィニティプールサイドに隣接した空間にホワイトサンドを敷き詰めたフロアを用意した。バーカウンターやデイベッド等好みの場所で、サンセットから刻一刻と色彩を変えてゆく景色とともに大人の遊び心を刺激するリゾートナイトを提供する。
 同ホテルは、沖縄県屈指のリゾートエリアである恩納村の西海岸にある、全室オーシャンビュー、平均70㎡とスイートルームの客室(全333室)を持つ沖縄リゾート。ホテル棟、コンドミニアム棟、アネックス棟の3棟を有する。
 キッチンや洗濯機等が室内にある部屋タイプが多く、連泊ステイや子供連れにも人気を博している。ベビー・キッズ用品や美容グッズなどバリエーション豊かな無料のレンタルアイテムを取り揃えており、充実したホテルステイを提供する。
 ホテル内には琉球イタリアン、焼肉&しゃぶしゃぶ、テイクアウト専門店等、好みや滞在スタイルに応じて選べる3つの食空間を用意する。
 カトープレジャーグループのグループ会社であるKPG HOTEL & RESORTは沖縄で6施設、九州地方で2施設のホテル・宿泊施設などを運営している。「社会貢献・人財育成・ダイバーシティー」という3本柱を企業理念に抱え、沖縄県より正式認証されたSDGs企業として、2022年は新しい取り組みにも力を入れていくという。

ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ 「プレミアム」ブランド京都に
 ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ(東京都港区)では、「チサン プレミアム 京都九条」(京都府京都市)を9月1日にリブランドオープンさせる。
 同ホテルは、JR各線・近鉄・市営地下鉄烏丸線「京都」駅八条東口より徒歩8分、地下鉄烏丸線「九条」駅より徒歩6分、JR・京阪電車「東福寺」駅より徒歩10分に位置。清水寺や祇園などへも京都市営バス1本で行くことができる立地のため、観光の拠点としての需要を期待している。
 建物は地上8階地下1階建ての全194室。3~4名まで宿泊できる客室を中心に全9タイプのゲストルームがあり、ペットの犬と泊まれるドッグフレンドリールームも用意した。
 最上階にある42㎡のプレミアツインにはミニキッチンもあり、最大5名まで宿泊可能だ。地下1階にはチェックイン後から深夜1時まで、朝は6時からチェックアウトの10時まで利用できる大浴場も設置した。 
 同社は、「雨庵 金沢」「ザ・スクエアホテル」「ホテル・アンドルームス」「ロワジール」「ロイヤルパインズホテル」「チサン」など17のホテルブランドを有し、国内64カ所、海外1カ所、9831室のホテル宿泊部門および売店部門・料飲部門・大浴場・スパの運営、フランチャイズ運営などの事業を展開している。

「富士スピードウェイホテル」10月開業
 「富士スピードウェイホテル」(静岡県小山町)が、10月7日に開業する。同ホテルは、ハイアットのコレクションブランド「アンバウンド コレクション by Hyatt」の日本初上陸となり、トヨタ不動産(愛知県名古屋市)とハイアットとの運営受託契約により、トヨタ不動産が所有・経営し、ハイアットが運営する。
 「アンバウンド コレクション by Hyatt」は、このブランドのホテルがそれぞれに「唯一無二」の存在として強い個性を放ちつつ、その先にある「価値あるストーリー」を打ち出している。「富士スピードウェイホテル」では、「モータースポーツとホスピタリティーの融合」をコンセプトに、様々な体験を提供する。日本を代表するサーキットのひとつである「富士スピードウェイ」に隣接し、ホテル内には、「富士モータースポーツミュージアム」が同居していることが特徴的で、滞在を通じてモータースポーツの魅力とラグジュアリーなホスピタリティーを同時に楽しむことができる。 
 ホテル棟の客室からは富士スピードウェイの最終コーナーからホームストレートを見渡す今までにないアングルや、四季や時刻で異なる表情を見せる富士山を望むことができる。ホテル棟には4つの料飲施設の他、2つの宴会場があり、さらにホテル棟に隣接するウエルネス棟には富士山を望む温泉浴場、スパ、屋内プールとジムを完備している。
 客室は、スイート21室と専用ガレージ付きヴィラ5室を含む全120室。温かみのある落ち着いた色合いのインテリアとモータースポーツの息づかいを感じられるデザインで構成されており、全室バルコニーまたはテラス付き。ホテルの離れに位置するヴィラは専用のショーガレージを備えており、愛車を眺めながら愛犬と一緒に滞在することも可能だ。

SQUEEZE 「Minn」3棟同時オープン 
 SQUEEZE(東京都港区)は、自社運営ホテルとして「Minn東上野」「Minn葛西」「Minn西葛西」を2022年8月1日に3棟同時開業した。同時に福利厚生等での企業とタイアップする法人支援プランの提供も開始した。
 旅やビジネスの拠点として同社の運営するライフスタイルホテルを多くの利用者してもらえるよう期待している。
 ライフスタイルホテル「Minn―your second home」は、グループや家族の「みんな」で泊まれることに、宿泊施設を意味する「inn」を掛け合わせた独自ブランド。2017年にその第1号店をオープンし、その後4名~8名のグループやファミリー層でも1部屋に宿泊できるライフスタイル型ホテルとして現在は東京、大阪を中心に様々なロケーションで展開している。
 今回開業した「Minn東上野」「Minn葛西」「Minn西葛西」はいずれも全室に家具家電、キッチンを完備しており、自宅で過ごすように宿泊できる。 
 「Minn」ブランドのスタンダードであるオンラインチェックイン、エクスプレスチェックアウトを導入しており、予約からチェックアウトまでの手続きがスマートフォン上でシームレスに完結。「クラウド運営チーム」によるオンラインでのサポートに加え、常駐するスタッフが滞在のサポートをする。
 また、社内イントラネットに掲載してもらうなど、従業員様向けの福利厚生として活用されることも増えてきたことで、同社では今後もこのようなニーズに応えするべく、法人への「福利厚生支援プラン」提供も開始した。
 SQUEEZE運営ホテルHPで利用できる法人優待コードを発行し、通常価格より10%~25%オフで予約が可能。ネットワーク環境、デスク等の設備も整えているため、テレワーク拠点、モバイルオフィスとしても利用可能な施設として多くの企業、従業員の活用を期待している。




週刊不動産経営編集部  YouTube