不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2022.09.20 10:30
エアビーと良品計画が提携 全国の遊休不動産を共同プロデュース
世界最大級の旅行コミュニティプラットフォームのAirbnb(本社・米国カリフォルニア州、エアビーアンドビー)の日本法人は、無印良品を展開する良品計画(東京都豊島区)と9月1日、全国の遊休不動産の共同プロデュースを行い、日本の宿泊施設の多様化と、地域のにぎわいづくりに寄与することを目的に包括連携協定を締結した。
第一弾として北海道清水町の移住体験住宅(旧教員住宅)を、現地に暮らすような宿泊体験ができる空間としてインテリアコーディネートとリノベーションを実施した。br>
今後両社は、日本全国の古民家などの地域資源を観光コンテンツ化し、地域の活性化に繋がる取り組みを実施していく。
両社は、全国各地の空き家や商店街の空き店舗、日本の伝統古民家や、地方自治体が所有・管理する住宅等の共同プロデュースを行う。双方の強みを生かしながら新たな価値を吹き込むことで、多様性に富んだ宿泊施設をAirbnbのプラットフォーム上で国内外の旅行者が予約できるようにしていく。
第一弾として、Airbnbが6月に連携協定を結んだ北海道清水町が管理する移住体験住宅(旧教員住宅)3軒について、良品計画がインテリアコーディネートとリノベーションを実施。移住体験住宅施設として使われている施設に、家具、食器、調理器具、家電など無印良品の日用品を配置する。限られた荷物で訪問することができ、地元に暮らすような宿泊体験、移住の検討時間が充実する施設として改修する。
また、多様化する働き方に対し、移住検討のポイントにもなる快適な広いワークスペースも確保。清水町の魅力を発信拠点として、まずは良品計画がインテリアコーディネートした2軒をAirbnbに掲載、国内外の旅行客による利用を促進していく。
この宿泊施設は、「日常の家」をコンセプトに、地元の食と団らんを楽しむキッチンとテーブルを中心に配置し、睡眠、くつろぐ、働くなどの日常生活を快適に過ごせるようプランニングした。造作家具には北海道産の木材を使用する予定。
今年5月に世界経済フォーラム(WEF)が発表した2021年の旅行・観光競争力ランキングで日本は初めて首位に立ち、コロナ禍で外国人観光客の受け入れ停止が続いた中でも、日本ならではの観光資源の豊富さや、交通・宿泊等のインフラや文化面での豊かさが評価されている。
6月10日から徐々に外国人観光客の受け入れが再開されたことで、今後の観光産業復興の期待が高まっている。
今後日本への本格的なインバウンド旅行者増加による観光需要回復に備え、両社は日本全国の地域資源を活用。利用価値を高めた遊休不動産を観光コンテンツ化、国内外のユーザーへ発信するなど、地域の活性化につながる取り組みを実施していく。
共立メンテナンス 「ドーミーイン岡山」オープン
全国にビジネスホテル「ドーミーイン」やリゾートホテル「共立リゾート」を運営する共立メンテナンス(東京都千代田区)は、岡山県岡山市に「天然温泉 吉備の湯 ドーミーイン岡山」を8月8日にオープンさせた。
同ホテルは、全国(国内)で89棟目、岡山県内で2棟目のオープンとなる。JR「岡山」駅東口より徒歩約5分の立地にあり、県を代表する「岡山城」や「岡山後楽園」などの観光地にもアクセスが良く、ビジネスはもちろん、観光需要を期待している。
最上階11階には、男女別の天然温泉大浴場(アルカリ性単純温泉)を完備しており、セルフロウリュの高温サウナ、水風呂、露天風呂を利用可能。朝食は、ご当地メニューの「岡山ばら寿司」のほか、岡山県産の鰆を使用した「鰆のたたき」など約50品目のメニューを用意する。
客室は、質の高い睡眠を提供できるよう、全客室にシモンズ社製ベッドを完備。また、リモートワークにも便利な全室専用Wi-Fiも完備。夜食には、ドーミーイン名物のあっさり醤油ラーメン「夜鳴きそば」、風呂あがりにはアイスや乳酸菌飲料を無料で提供する。
同ブランドは、寮事業のノウハウから続く「我が家のような寛ぎ」と快適性を備えたビジネスホテルチェーン。「快適に、シンプルに、『住むホテル』」をコンセプトに、スタンダードなビジネスホテルや和風プレミアムブランド「御宿 野乃」などのブランドを展開。ドーミーイン岡山を含め、国内89カ所、海外1カ所、計90カ所を展開している。
共立メンテナンスは1979年に設立し、企業の給食受託業務から事業を開始した。その後「ヒューマンメンテナンス」の精神を基軸に、学生寮・社員寮「ドーミー」を運営する寮事業、ビジネスホテル「ドーミーイン」・リゾートホテル「共立リゾート」を運営するホテル事業、高齢者向け住宅「ドーミーシニア」を運営するシニアライフ事業、自治体と連携して公共サービスを支援するPKP(Public Kyoritsu Partnership)事業を展開している。
アパグループが広島に出店用地を取得
アパグループ(東京都港区)はこのほど、広島市内にホテル開発用地を取得した。取得会社はアパホーム。
同案件地は、JR山陽本線、山陽新幹線、芸備線「広島」駅 南口より徒歩4分の立地で、更に広島東洋カープ本拠地となる「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」へ徒歩4分でアクセスが可能となる好立地。ビジネスやレジャー需要に加え、球場利用客やイベント参加者の利用も見込めることから今回の計画に至ったもの。
開発計画は、ホテル名を全242室の「(仮称)アパホテル〈広島駅スタジアム口〉」とし、2024年秋の開業を目指す。 デラックスツインルーム・バリアフリールーム等、バリエーション豊かな客室タイプを設けると共に、同プロジェクトでは隣り合うシングルルーム同士を繋げて利用できるS〓Sコネクトツインルーム(シングル〓シングルコネクトツインルーム)を標準として配しており、平日のビジネス需要、週末の観光需要、この先のインバウンド需要にも対応していく。
広島市内では現在、「アパホテル〈広島駅前大橋〉」(全727室・2016年10月6日)、「アパホテル〈広島駅前〉」(全91室・2008年12月19日)、「(仮称)アパホテル&リゾート〈広島駅前タワー〉」(全600室・2026年3月開業予定)を運営・建築中であり、同計画を含めると計4棟・1664室となる。 今後も地方中核都市については、駅前開発用地の取得を中心にアパホテルネットワークの拡充を強化していく。
東急ホテルズ パンパシフィックブランドを採用 東京・歌舞伎町複合施設で
東急ホテルズ(東京都渋谷区)は2023年春、東京・新宿に開業予定の「BELLUSTAR TOKYO(ベルスタートウキョウ)」、「HOTEL GROOVE SHINJUKU(ホテルグルーヴシンジュク)」において、世界的なホテルチェーン、パン パシフィック ホテルズ グループ(本社・シンガポール共和国)とのソフトブランド契約を締結した。
2つのホテルは、東急、東急レクリエーションが2023年4月にオープンする「東急歌舞伎町タワー」に開業を予定している。
「BELLUSTAR TOKYO」は、地上の喧騒から離れた空間を楽しむラグジュアリーリゾート。39~44階に位置する客室は、日本の伝統文化を織り交ぜたインテリアと、幅約7mの窓から眼下に東京を一望できる抜群の眺望が特徴。45階には3層吹き抜けのレストランなどの食空間、47階にはスパを有する。
一方、「HOTEL GROOVE SHINJUKU」はタワー内のエンターテインメント施設で体験した感動や喜びなどの余韻に浸ることはもちろん、歌舞伎町のまちを遊びつくすための拠点となるライフスタイルホテル。20~38階に位置する客室は、使い勝手を追求した快適な空間が特徴。17階にはこのまちの人と旅人とをつなぐ社交場として、同ホテルが運営するレストラン、バー、オープンテラスやパーティールームも備える。
今回締結する「ソフトブランド契約」は、パン パシフィック ホテルズ グループ初の契約形態で、同社が培ってきたノウハウに、インターナショナルホテルチェーンが有するグローバルスタンダードな体制をフレキシブルに適合させた運営を進めるもの。
アジアをはじめグローバルマーケットで、パン パシフィック ホテルズ グループが確立しているブランド力を活かし、セールス、マーケティング、会員組織等のネットワークを最大限に活用できる契約となる。
パン パシフィック ホテルズ グループは、シンガポールの上場企業であるUOLグループの一員で、アジア、オセアニア、北米、ヨーロッパの31都市で、開発中の施設も含め約50カ所のホテル、リゾート、サービススイートを所有・運営している。
「東京ガーデンテラス紀尾井町」ゼロエミッション
西武リアルティソリューションズ(東京都豊島区)が保有・運営する大規模複合ビル「東京ガーデンテラス紀尾井町」(東京都千代田区)では、10月1日より施設内で使用する全ての電力を実質的な再生可能エネルギー由来の電力にする。これにより実質CO2排出ゼロ(実質ゼロエミッション化)を達成する。
今回導入する再エネ電力は、全電源平均電力にFIT非化石証書、再エネ指定の非FIT非化石証書を組み合わせた電力で、企業が事業で使用する電気を100%再生可能とすることにコミットする協働イニシアチブである「RE100」にも対応可能なものとなっている。
これにより、「東京ガーデンテラス紀尾井町」に入居する企業及びテナントでも、専用部内で再エネ電力の利用が認められる。
同施設はこれまでも、環境への取り組みに対する認定・認証を取得しており、今回の再エネ電力導入でさらに環境に配慮する街づくりに取り組んでいく。
西武グループでは、グループの経営理念である「グループビジョン」に基づき、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを「サステナビリティアクション」として積極的に推進している。
地球温暖化抑制への更なる貢献に向け、環境負荷削減目標として、CO2排出量をグループ全体で2030年度までに2018年度比46%削減、2050年度までにネットゼロを設定しており、今回の取り組みも「サステナビリティアクション」の一環として、積極的に推進している。