不動産トピックス
クローズアップ 家賃保証編
2022.09.26 10:12
国土交通省の調べでは、2016年に結ばれた賃貸借契約のうち約6割で家賃保証会社が利用されたという。それから6年が経った現在、利用率は8割超ともいわれている。当たり前となった家賃保証は、差別化の段階に入っている。
ジェイリースが新TVCM 満島真之介さんが若手社長演じるストーリー
家賃保証サービスを展開するジェイリース(大分県大分市)は、満島真之介さんを起用した新TVCM「オフィスにて…」の発表会を行った。
ジェイリースはアパート・マンションなどの住居用賃貸物件とオフィス・店舗などの事業用賃貸物件の両市場で家賃保証のサービスを展開。大分県で創業し、現在は全国32拠点に進出している。
コロナ禍以降、テナント・オフィスの賃貸不動産市場では多くの不動産オーナーが悩みを抱えている。一例として借り手の事業・財務状況などの悪化に伴う賃料、早期解約の違約金、退去時の原状回復費用などの滞納リスクによる不安や、テナントの入居審査時にどのような借主と巡り合えるかわからないなど。そこで“不動産賃貸を信用でつなぐ”をコンセプトとする同社は、オーナーの抱える悩みをユニーク化し、その解決の一助となる同社のテナント・オフィスの賃料保証サービスをより多くの人に知ってもらうことが、今回のTVCM放映の背景にある。
TVCMでは満島真之介さんが若手社長を演じる。オフィスで忙しく仕事をしていると、突如左右の窓から謎の大きな手が侵入し、顔や体を触り始める。謎の手は不動産オーナーであることがわかる。借主である満島さんのことをよく知るために触りまくるものの「わかるわけないでしょう」と頭を捻っている様子で、“オフィスの借主さんが、どんな人なのかわかりにくい”という悩みをメッセージとして伝えている。
発表会の冒頭で取締役副社長の中島土氏は「例えば、これから自分自身が仕事を始めたり会社を興すときに、当初は信用がなかなかないわけです。その信用を私たちが保証させて頂くことによって、『起業することで社会に貢献したい』、『自分自身の人生を全うしたい』といった考えを、サポートさせていただきたいと考えています。『スタートアップ企業やフリーランスの方を応援したいけれど、なかなか審査って難しい』という不動産業者さんも多くいらっしゃいます。そこを私たちの数十年のノウハウによって、保管をさせて頂ければと存じます」と話した。
TVCMは今月30日から全国で放映される。
家賃保証の申込みにクレジットカード情報を活用「セゾンの家賃保証」
クレディセゾン(東京都豊島区)は、「セゾンの家賃保証」において、セゾンカード会員の会員情報を活用した、家賃保証の申し込みができる家賃保証サービスを提供している。
同サービスにより、家賃保証の申し込み後、結果を即時に知らせることができ、賃貸借契約にかかる手続きの時間を大幅に短縮する。
「セゾンの家賃保証」は、賃貸物件に入居する賃借人に代わって、賃料等を賃貸人に立替払いを行うサービス。
今回開始したセゾン会員向け新サービスは、セゾンカード会員専用スマートフォンアプリ「セゾンPortal」より家賃保証の申し込みを行うことで、即時に結果を知らせる手続き方法。申し込んだセゾンカードを賃料等の支払い方法として自動で設定するので、申し込みから決済までシームレスな手続きが可能。また、家賃等支払金額に応じて永久不滅ポイントを付与する。貯まったポイントは各種アイテムへの交換に加えて「ポイントde家賃充当サービス」の利用で、「月々の家賃」や「保証料」に充当可能。
同サービスは、不動産仲介店舗の「セゾンの家賃保証」の取り扱いがある物件で利用可能となっている。
家賃と住宅設備機器 二つの保証をパッケージ化
新日本信用保証(東京都墨田区)は、AlphaValue(東京都墨田区)と連携し、不動産管理会社・不動産オーナーに向けて家賃保証と住宅設備機器の保証を組み合わせたパッケージサービス「メガサポ」を販売している。
同サービスは、家賃保証と住宅設備機器の保証を組み合わせ、住宅設備機器の修理・交換のスピードを上げるための仕組みとしたサービス。これにより、管理会社の事務手間を可能な限り軽減する。
家賃保証は独自のスコアリング審査により減少したリスクコストを管理会社または入居者に還元可能。保証期間は保証開始日から退去明渡しまで。保証限度額は賃料など合計額24カ月分。
保証の対象となる住宅設備機器は、製造後20年までのもの。物件の築年数には制限が無く、保証の利用回数は無制限。一回の修理・交換は10万円(税別)が上限。対象はエアコン、給湯器など1物件につき9品目まで、組み合わせて選択することができる。
家賃保証とクレジットカード決済を組み合わせたサービス
JR東日本グループのビューカード(東京都品川区)は、家賃保証サービスのあんしん保証(東京都品川区)と共同で、家賃保証とクレジットカード決済を組み合わせた「VIEW家賃保証プラス」を提供している。
「VIEW家賃保証プラス」は、入居希望者が賃貸物件に入居の申込みを行う際、家賃保証サービスに申し込むのと同時に、ビューカードによる家賃の支払いを選ぶことができる一体型サービス。入居者は、賃料と保証料の支払方法に、ビューカードか口座振替かを選ぶことができる。
ビューカードを支払い方法として選んだ場合の保証料は、初回保証料が賃料等の10%、月額保証料が賃料等の1・25%、年間保証料が1万円となる。
賃料等と保証料をビューカードのクレジット払いで支払う場合は、JR東日本グループの共通ポイント「JRE POINT」が1000円(税込)につき5ポイント貯まる。
対象となる物件は、2022年7月22日に入居募集を開始した「目黒MARCレジデンスタワー」が1物件目となる。同物件を皮切りに、今後、順次拡大していく予定。
ビューカードでは、これからも顧客の様々な決済ニーズに応えられるよう、利便性の向上ならびに価値あるサービスの提供に努めていくとしている。