不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2022.10.10 10:49
「アパホテル<蒲田駅前>」リニューアルオープン 東京・大田区内では6棟1185室へ
アパホテル(東京都港区)ではこのほど、「アパホテル〈蒲田駅前〉」(全142室)のリニューアルを完了、グランドオープンを迎えた。
同ホテルは、JR京浜東北線「蒲田」駅徒歩3分に位置。「蒲田」駅からは羽田空港行きの路線バスが多く運行しており、国内有数のターミナルである「品川」駅や「横浜」駅へもアクセス至便。コロナ禍でも直近の客室稼働率は90%を超えており、今後もビジネスだけではなく、国内レジャー、インバウンドなど幅広い宿泊需要を取り込んでいく。
2階にあったフロント・ロビーを1階へ移設し、新たに装飾鏡やシャンデリア、自動チェックイン機などを設置・導入したほか、メインエントランスには、特有のオレンジ色のゲートを新設するなどホテル館内外のリニューアルを行った。
また、2階部分はすべて客室化し、12室増室、総客室数は130室から142室となった。
客室にはプレオープンまでに50型の大型液晶テレビと明るさにこだわったシーリングライトを設置するなど、アパホテル仕様へ。他にもテレビ画面上に館内案内を表示した「アパデジタルインフォメーション」、通信速度とセキュリティの面で優れたWi-Fi無料接続、BBCワールドニュース無料放映などを導入している。
現在、国内の直営アパホテル全店と一部FCホテルの全客室でVODを標準サービスとして無料で提供しており、同ホテルでも滞在中、映画・アニメなど200タイトル以上が無料で見放題となる。 客室備品は全店導入に先駆け、快眠性を追求した仕様の異なる2種類の最新型オリジナル枕を導入している。
最先端のIT開発として、1秒チェックイン機(アプリチェックイン専用機)を導入。アプリチェックインを行うことで、当日のチェックイン手続きを大幅に簡素化することができる。さらに、ルームカードキーを投函するとリアルタイムでチェックアウト処理が行われる、エクスプレスチェックアウトポストも設置している。
同社では大田区で、現在5棟1013室を運営中。2024年には「アパホテル〈大森駅東口〉」(全172室)を開業予定で、建築・設計中を含めると6棟1185室の展開となる。
「キュレーションホテル協会」と連携 リソル不動産が別荘の過ごし方提案
リソルグループ(グループ本社・東京都新宿区)のリソル不動産は、「キュレーションホテル協会」と新規事業提携し、第一弾として熱海エリア3施設の運営を受託した。
高級一棟貸別荘需要の世界的な増加を受ける中、リソル不動産は「キュレーションホテル協会」と、インバウンドを含む富裕層市場への進出及び拡大を協力して行うことで、リソルステイ事業における優良施設確保と「スイートヴィラ」ブランド力の向上を図る。
同社は、「暮らす」ように「泊まる」という理念のもと、高級別荘やリゾートマンションを1泊から1カ月以上の長期滞在まで多目的に楽しめる、「リソルステイ」事業を関東中心のリゾート地に「スイートヴィラ」ブランドを展開している。
密を避ける傾向や休暇の分散長期化、ワーケーションなどで貸別荘需要が高まる中、別荘所有オーナーに開業から運営・集客をワンストップで行う仕組みを提案し、今後も多様なスタイルの貸別荘の新規開拓を推進していく。同時に、様々な宿泊ニーズに対応しながら新しい別荘の過ごし方を提案し、「リソルステイ」事業の更なる拡大を目指す。
“キュレーションホテル”とは、新しいコンセプトの宿泊施設を表す造語。「キュレーション」は、洋の東西や文化の新旧を融合させる独自のデザイン手法を指す。日本各地に残る歴史ある建築をリノベーションし、キュレーションの力を発揮しながら、唯一無二のデザインを持つ一棟貸しサロンへと再生する。
一方、リソル不動産では、「暮らす」ように「泊まる」という理念のもと、高級別荘やリゾートマンション、高級コテージ、コンドミニアム、アパートメントなど、1泊から1カ月以上の長期滞在まで個性豊かな宿泊施設が多目的に楽しめる「リソルステイ」事業を関東中心のリゾート地にて展開。現在、栃木、茨城、千葉、神奈川、静岡、山梨、長野で57室を運営している。
IVRy カプセルホテルのDX化をサポート
月額3000円から使える電話自動応答サービス「IVRy(アイブリー)」を提供するIVRy(東京都台東区)は、中部・九州地方を中心に温浴施設「ウェルビー」を展開するウェルビーが運営する温浴施設「サウナ&カプセルホテル ウェルビー福岡」に「アイブリー」を導入した。
同施設は、「アイブリー」を活用することで、予約やよくある質問などの問い合わせ電話への対応を自動化することによるDXの取り組みを開始。増加傾向にある客足に対応した、業務効率化とさらなる提供サービスの品質向上を同時に図っていく。
ウェルビーは名古屋に3店舗、福岡に1店舗の温浴施設兼サウナ&カプセルホテルを展開している。同社は2019年から、組織の変更を進めており、働き方改革も含めたDXの推進を行っている。こうした中、電話応対は24時間体制で対応を行っており、通常業務と両立させなければならないという課題を抱えていた。
また、高品質な電話対応に向けて、対応スタッフには業務全般に関する知識のインプットを義務化し、3カ月ほどの研修期間を設けており、現場オペレーションに高い負荷がかかっていた。こうした課題に対し、業務効率化や利用客の皆様に向けたさらなるサービス品質向上を図るため「アイブリー」の導入を決定したもの。
「アイブリー」は、様々なシーンでの電話業務を自動化・効率化し、普段の業務オペレーションへの集中や対応工数削減を実現するサービス。
自動応答の分岐を自由に設定、電話履歴の確認、録音再生確認、電話帳管理などの豊富な機能が利用できるため、営業電話・顧客からの問い合わせ・注文・予約等の様々なシーンへの対応が可能。2020年11月のサービス提供開始からこれまで25以上の業界に渡って利用実績を持ち、これまでに計200万件以上の着電の自動応答を実現している。
JR九州ホテルズ 最上位ブランドを京都に
JR九州ホテルズ(福岡県福岡市)では、「この旅に、この地にひらく感動の花を。」をブランドコンセプトに掲げる宿泊主体型ホテルの最上位ブランド「THE BLOSSOM」の4店目として、「THE BLOSSOM KYOTO」を京都府京都市に開業させた。関西地区ではJR九州グループとしても初の出店になる。
同ホテルは、京都市営地下鉄で「京都駅」、「四条駅」からそれぞれ1駅の「五条駅」より徒歩2分に位置。地上9階・地下1階(客室階層2階~9階)、客室数180室、レストラン、大浴場、フィットネスルーム、ゲストラウンジを併設する。
同ホテルのコンセプトは「やんわり つながる」。エントランスを抜けると、伝統的な京町家を思わせる「通り庭」が続き、陰影の美しさを再現した非日常の空間を演出する。
「通り庭」では、地元の香老舗「松栄堂」の香りから厳選し、同ホテル用に調製した京都伝統の香の香りに包まれ、京町家をイメージした建物の設えとも調和した心地よいBGMの音色に癒されながら、館内に進む。同ホテルでは、京都の美意識が散りばめられたアートワーク等の視覚的な表現はもちろん、京都ならではの音楽との出会いも楽しめ、音と香りで「古都・京都」をより感じる仕掛けとなっている。
客室は、随所に「和を感じさせるデザインを取り入れつつ利用者の旅のスタイルに柔軟に対応できるよう10タイプ、計180室を用意。多くの部屋タイプはモダンな畳を配し、靴を脱いでくつろげる空間となっており、グループや家族での旅行にも対応できるトリプル・フォースルームも常設している。
上階のみ各階1部屋ずつジュニアスイートタイプの客室「プレミアムツイン」(計3室)を用意。49m2の空間に加えて浴室のバスタブは特別仕様で、部屋ごとに五右衛門風呂をイメージした風呂と、檜と十和田石を使用した風呂の異なる2タイプを用意した。
エアビーアンドビー 日本国内検索ワード発表
世界最大級の旅行コミュニティプラットフォームのAirbnb(エアビーアンドビー 本社・米国カリフォルニア州)は、日本国内のAirbnbリスティング(宿泊施設)の検索数が多いゲストの居住国・地域の上位一覧、日本国内の検索ワードを発表した。
これは、日本政府が1日当たり5万人とする入国者数の上限撤廃や短期滞在ビザの取得免除、個人旅行の受け入れ解禁の方針を表明したことを受けたもの。調査の結果、韓国・アメリカ・香港・豪州に居住するゲストによる検索数が最も多く、日本国内別で見ると大阪、東京、新宿が旅行先検索ワードの上位であることが分かった。
同社では、過去3年間でアジア太平洋地域の多くの国と地域での宿泊数が増加しており、旅行先の分散はインフレが進む昨今、新たな経済的機会を生み出している。また、インバウンド旅行客需要の回復は、日本在住の方々がホストとなって副収入を得たり、地域の雇用や経済成長を促進する絶好の機会でもあると、今後の需要拡大に期待している。
ブロードエンタープライズ IoTシステムを提供
ヒーローライフカンパニー(東京都港区)とブロードエンタープライズ(大阪府大阪市)はこのほど、協業によりマンション向け高速インターネット「B-CUBIC」、IoTインターフォンシステム「BRO-LOCK」を導入したIoT物件の構築を開始した。ヒーローライフカンパニーが展開するトレーラーホテルの運営事業でシステムを構築する。
長期化するコロナ禍で、インターネットや非接触型のサービスの需要が高まる中、両社はそれぞれの強み・特徴を活かしたサービスを展開することで競争力を高め、今後の成長戦略を盤石なものとすることを目指す。
トレーラーホテル事業「Trail inn」は、ヒーローライフカンパニーが東日本大震災の経験から開発した工場生産型木質ユニットを車体に設置し、宿泊施設とするもの。
災害時の仮設避難場所やコロナ対策の隔離施設として要請があった場合は、移動して社会貢献活動が可能な「動くホテル」。無人チェックインシステムで非接触、完全独立型の部屋、密にならない開放廊下で感染症対策を強く意識している。