不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2022.10.17 10:31
星乃リゾートが相次ぎ新施設をオープン
「OMO7」は横浜市庁舎跡、「リゾナーレ」はグアム
街区活用事業として客室数約280室
国内外に60施設を運営している星野リゾート(長野県北佐久郡)では、相次いで新施設を開業させる。
国内に11施設を展開する都市ホテルブランド「OMO(おも)by 星野リゾート」で初めて横浜に進出する。
「OMO7(おもせぶん)横浜 by 星野リゾート(仮称)」は、「横浜市旧市庁舎街区活用事業」として運営する。同事業は、三井不動産を代表企業とする8社により推進。「新旧融合」を特色とし、旧市庁舎行政棟を保存、活用することで横浜の文化を継承し、格式ある景観を形成するとともに、次世代の横浜を象徴するエンターテインメント&イノベーションの拠点を作ることを目指す。
2025年12月に竣工および供用開始、2026年春に開業予定のホテルは、8階建ての旧市庁舎行政棟を保存活用し、国内外の観光客を受け入れ、新たな横浜探訪の拠点になることを期待している。
「OMO」の後ろにある数字はサービスの幅を表しており、同ホテルの「OMO7」はカフェ・レストランなどを備えた都市のランドマークとなる客室数約280室のフルサービスホテルを予定している。
1859年に開港して以来、横浜では海外と日本の文化が出会い、発展してきた。現在でも、横浜中華街や、明治から大正にかけて建てられた洋風の建物があり、異国情緒を感じることができる。
同ホテルは、野毛・伊勢佐木町エリアとベイエリアの中間に位置する。
横浜での滞在をより深く楽しむためのサービス「Go-KINJO(ごーきんじょ)」を展開し、街を知り尽くした「ご近所ガイド OMOレンジャー」、ガイドブックには載っていない街のディープな魅力を提供する。
館内のパブリックスペース「OMOベース」では、街歩きの前におすすめスポットを調べたり、散策の合間にひと休みしたり、街歩きを楽しくする仕掛け満載の遊び心あふれた空間を提供する。
「OMO7」ブランドは現在、北海道・旭川市、大阪府・大阪市の2か所に展開している。
ブランド海外初進出 既設をリブランド
同社はまた、2023年4月に米国グアム準州で運営する「Onward Beach Resort Guam(オンワード ビーチ リゾート グアム)」を「星野リゾート リゾナーレグアム」に名称を変更し、リブランドオープンさせる。同ホテルは、リゾートホテルブランド「リゾナーレ」の海外初の施設となる。
同ブランドは、その地域特有の個性的なテーマを設定し、その土地が持つ自然や景色に合わせて設計された空間演出やイベント、子どもが楽しく学べるアクティビティなど、カップルや夫婦、小さな子供連れのファミリーまで幅広い世代に楽しんでもらえるサービスを提供するブランド。
グアムにおいても、ユニークなローカル体験、恵まれた自然環境を最大限楽しむための空間演出を提供する。同社は「リゾナーレグアム」として運営することで、リゾート滞在の価値をさらに高めることができるのではないかと熟考を重ね、リブランドをすることとなった。
同ホテルは、客室数428室、客室面積44~75㎡、ウォーターパーク、レストラン、フィットネスクラブ、コインランドリー、ショップ等を併設する。今後リブランドに向けて、「リゾナーレ」のブランドコンセプトに沿い、施設の特徴や立地を活かしたコンテンツの開発、改装案の検討を進めていく。
星野リゾートは、独創的なテーマが紡ぐ圧倒的非日常「星のや」、ご当地の魅力を発信する温泉旅館「界」、自然を体験するリゾート「リゾナーレ」、テンションを上げる都市観光ホテル「OMO」、ルーズに過ごすカフェホテル「BEB」の5ブランドを中心に、国内外で60施設を運営している。
KIRAKU ハイアットと協業し温泉旅館 合弁会社設立
Kiraku (京都府京都市)はこのほど、ハイアット ホテルズ コーポレーション(本社・米国イリノイ州)と業務提携、ハイアットグループが日本内外のグローバル・トラベラーをターゲットとする新タイプの温泉旅館事業に参入する。
出資比率を両社50%とする合弁会社を設立し、今後新ブランド「ATONA」の温泉旅館を日本国内で展開する。
日本各地には世界中の旅行者にまだよく知られていない地域独自の自然や風土が豊富に存在する。そのため、合弁事業として今後、日本の資源である温泉を中心に、日本の美しい風景や、その土地でしか出会うことのない新たな体験・発見を宿泊者に提供し、「旅の拠点となる館=旅館」を展開する。
新ブランド「ATONA」のクリエーティブディレクターには日本を代表するデザイナーの一人である原研哉氏を迎え、同ブランドの旅館を日本国内で2025年より展開する予定だ。
Kirakuは日本における地域特有の自然や文化資源など、過小評価されている資産に対し、「価値創造(value creation)」と「持続可能性(sustainability)」を軸に、革新的かつ持続可能なソリューションを提供している。
案件ごとに特有の諸条件を見極め、活用方法を計画することにより、投資家をはじめとするさまざまなステークホルダーや地域社会のために長期的な価値を創造し、日本の豊かな地域資源を「次世代のための持続可能な資産」とする商品づくりを手掛けていく。
2022年現在、京都と東京に拠点を置き、日本各地でプロジェクトを展開している。
一方、ハイアット ホテルズ コーポレーションは、2022年6月30日現在、世界6大陸の72カ国で1150以上のホテルやオールインクルーシブ施設を展開している。
共立メンテナンス 「定山渓ゆらく草庵」ミドル世代ターゲット
全国にリゾートホテル「共立リゾート」やビジネスホテル「ドーミーイン」を運営する共立メンテナンス(東京都千代田区)は、北海道札幌市定山渓に「定山渓 ゆらく草庵」を開業させる。
同施設は、JR函館本線「札幌」駅から、じょうてつバス定山渓温泉行きで約1時間10分。地上7階建、地下1階建て、客室数は全102室(ツイン、デラックスツイン、フォース、和洋室、ユニバーサルほか)、共用施設として天然温泉大浴場2カ所、貸切露天風呂4種、湯上り処、バー、マッサージコーナー、エステサロン、レストランなどを併設する。
定山渓は、札幌から約1時間ほどにある北海道を代表する温泉地。道外はもちろん、北海道在住のミドル世代もターゲットとしており、滞在型のニーズを見据えている。
同ブランドは、絶景を愉しむリゾートホテル「ラビスタ」シリーズやペットとの滞在を愉しむ「ルシアン」シリーズ、個性豊かな「和の湯宿」など、上質でありながら肩の凝らないおもてなしが味わえるリゾートホテル・癒しの湯宿。現在『定山渓 ゆらく草庵』を含め、全国に40ヵ所展開している。
共立メンテナンスは1979年に設立し、企業の給食受託業務から事業を開始した。その後「ヒューマンメンテナンス」の精神を基軸に、学生寮・社員寮「ドーミー」を運営する寮事業、ビジネスホテル「ドーミーイン」・リゾートホテル「共立リゾート」を運営するホテル事業、高齢者向け住宅「ドーミーシニア」を運営するシニアライフ事業などを展開している。
コアグローバルマネジメント 1階ロビーに「マンガライブラリー」
コアグローバルマネジメント(東京都中央区)が運営する「リリーフプレミアム羽田」(東京都大田区)では、1階ロビーに蔵書約8000冊の「MANGA Library」を新設し、「クインテッサホテル東京羽田 Comic & Books」としてリブランドオープンさせた。
同ホテルは、自社ホテルブランド「Comic & Books』として、「クインテッサホテル福岡天神 Comic & Books」、「クインテッサホテル大阪心斎橋 Comic & Books」、「ザ エディスターホテル京都二条 Comic & Books」に続く4店舗目で関東地方初出店となる。
同ホテルは、「羽田空港第1・第2ターミナル駅」から京急空港線快特で約8分に位置。プライベートからカップル、女子旅、家族旅行、ビジネスまで、幅広い需要を期待している。客室は全120室、レストランを併設する。
客室は、スタンダードシングル、スタンダードダブル、スタンダードツイン、モデレートダブル、デラックスツインの5タイプ。全室にミラブルシャワーヘッド、加湿空気清浄機を完備している。
エアビーアンドビー 自動翻訳機を追加
世界最大級の旅行コミュニティプラットフォームのAirbnb(エアビーアンドビー 本社・米国カリフォルニア州)は、2021年の冬季アップグレードで公開された60以上の言語で、ホストとゲストにシームレスな体験を提供する「Translation Engine」を強化、さらに便利な自動翻訳機能によってメッセージのやりとりや各リスティングに記述されているレビューの確認が可能になった。
60以上の言語に対応し、ホスト・ゲスト間でメッセージをやりとりする際、正確かつ高品質の翻訳をリアルタイムで提供する。
また各リスティングに掲載された過去の宿泊利用者によるレビューにも対応したことで、Airbnbのプラットフォームのほぼすべてのホストとゲストのインターフェースに翻訳技術が機能することになった。
インバウンド旅行客需要の回復は、日本在住の方々がホストとなって副収入を得たり、地域の雇用や経済成長を促進する絶好の機会でもあると、エアビーアンドビーは、今後の需要拡大に期待している。