不動産トピックス

クローズアップ リフォーム・リノベーション編

2022.10.24 10:52

 既築ストックの増加とともに、リフォーム・リノベーション市場も拡大。住宅においては、家族の人数や生活形態に合わせた転居に加え、物件を改装するという選択肢が定着した。リフォーム・リノベーションも、目的に合わせて選びたい。

小さなリフォームから大規模リノベまでワンストップで対応 長く愛着持てる建物を構築
 2021年に設立されたスムスビ一級建築士事務所(東京都板橋区)は、住宅をはじめとする建物のリフォームやリノベーションの設計施工、コンサルティングなどをメーンに活動している。コンセプトは、気持ちの良い暮らしを提供することと、家づくりの経験を楽しんでもらうこと。小さなリフォームから、間取りの変更を含む大規模リノベーション、さらに物件の購入や売却の相談、DIYの手伝いなど、幅広い業務を展開している。
 目指すのは、自然素材や無垢材などの体や環境に優しい素材を使って、気持ちよく、長く愛着を持って使い続けられる建物の提供。また、家づくりやリフォームの進め方やそれにかかわる費用を分かりやすく説明し、「商品を買う」のではなく「家をつくる」という経験を楽しんでもらえるよう、細部までのサポートを心がけている。
 スムスビが取り組む「小さなリフォーム」は、「ここをもう少し変えられれば、使いやすくなるのに…」、「明るく開放的にしたい」、「リモートワークの環境を整えたい」などのちょっとした思いに応える改修工事プラン。現在使用している物件に少し手間をかけ、より使いやすくするためのものだ。
 一方の「大きなリフォーム」は、床や壁の仕上げ材、キッチンなどを新しくするフルリフォームから、物件をスケルトン状態にして間取りや設備、配管なども更新するフルリノベーションまで対応可能。使用中の物件はもちろん、購入した中古物件をまるまる生まれ変わらせることもできる。
 いずれのプランも、ヒアリング、現地調査から見積もり、設計打ち合せ、施工、引き渡し、アフターサービスに至るまで、スムスビのスタッフが一貫して担当する。
 「昔であれば近くの工務店さんや家を建ててくれた大工さんに相談すれば解決できていたような建物の困りごとが、今では相談できる工務店さんや大工さんがいなくなってしまいました」と話すのは、スムスビ代表の野口理人氏。築30年のマンションをリノベーションしたモデルルームでは建物に関する勉強会やセミナーも開催しており、建物に愛着を持ってほしいという同氏の思いを感じさせる。
 「建物や地域に愛着をもちながら、気持ちのいい毎日を送ってもらえるような建物づくりをしていきたいと考えています」(野口氏)

ワンルーム賃貸を「ゲーミング専用ルーム」に
 ゲーミングに特化した賃貸物件のプロデュースなどを展開するイーデックス(仙台市若林区)は、リノベーション事業などを行うエコラ(仙台市青葉区)と連携し、イーデックスが展開するeスポーツ(ゲーム)などのデジタル需要に特化した賃貸住宅サービス「eルーム」初のモデルルームを仙台市青葉区にオープンさせる。
 「eルーム」は、賃貸住宅にゲーム用のPCや、モニター、キーボード、マウス、ヘッドセット、デスク、チェアを設置するもの。eゲームに必要な設備をパッケージ化してワンルーム賃貸を「ゲーミング専用ルーム」にし、入居者募集ができる。
 入居者の負担は不動産物件の賃料のみで、これらの設備を自由に利用できる。契約から3週間程度で物件に設置されるため、入居初日から快適なゲーミングライフを送ることができる。
 パソコンやモニターはオプションで選べ、ゲーム(eスポーツ)以外にも、動画クリエイター向けや企業のテレワーク向けの賃貸ルームを構築することができる。必要に応じて防音工事も可能で、賃貸物件内に動画配信や録音用のスタジオを設置することもでき、幅広いニーズをカバーしている。
 アパート・マンションのワンルーム物件以外にも、戸建住宅への導入や、集合住宅まるごと一棟への導入など、物件オーナーや賃貸経営者のニーズに合わせた賃貸物件とすることができる。ライフスタイルや趣向に応じて間取りや設備等をアレンジしたパッケージを提供し、入居者には新たなデジタルライフの提案を、オーナーには競合物件との差別化を可能にする。




週刊不動産経営編集部  YouTube