不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2023.01.02 13:59

カンデオ・ホスピタリティ×東京建物×三津寺 大阪の名刹と一体化した開発プロジェクト
 宗教法人三津寺(大阪府大阪市)、東京建物(東京都中央区)、カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント(東京都港区)は、“大阪ミナミ”の三津寺と一体化した「カンデオホテルズ大阪心斎橋」(大阪府大阪市)を2023年11月26日に開業させる。
 同ホテルは、地下鉄御堂筋線「なんば」駅より徒歩5分に位置。4階部分がフロント、ロビー、レストラン、5階~14階が客室、15階にはスカイスパ(露天風呂、内湯、サウナ)を配置する計画となる。
 同ホテルが建つ三津寺本堂は1808年に再建され、本尊の十一面観世音菩薩が中央に、脇には薬師如来・弘法大師など数多くの古仏が安置されている。同プロジェクト実施にあたり、三津寺はもちろん、地元”大阪ミナミ”にとっても重要な本堂は、2度に渡る曳家工事を経て、ホテルと一体化した極めてユニークな建物として再建することとなる。
 同ホテルは、カンデオホテルズの“光り輝く”というコンセプトと、三津寺の本尊十一面観世音菩薩が放つ暖かな光を掛け合わせ、観光にきた人へのおもてなしはもちろん、地域の人々をおもてなしし、歓迎し、ともに文化を作っていく「地域共創型ホテル」を目指す。
 絵写経や瞑想体験を組み込んだホテルプランや、受付で配る1200年以上の歴史を持つ三津寺を中心とした地域を紹介する「カンデオホテルズ大阪心斎橋」ならではの「地域マップ」の作成に取り組み、現代を生きる全ての人々に対して日本の文化や伝統を継承していきたいという。
 今回の「三津寺ホテルプロジェクト」は、1933年に建てられた鉄筋コンクリート製庫裏の老朽化による建て替えと、江戸時代の文化を残す本堂を次の100年に繋ぐことを目的にスタートした。また、偶然にも御堂筋歩道の拡幅も行われることになったため、これまで三津寺筋にあった入口を御堂筋に変更し、今まで以上に難波・心斎橋の訪問者に開かれた寺にしたいとの意向があったという。
 同ホテルの標準客室面積は約24㎡。クラフトマンシップを感じる空間の客室を、浴室とトイレセパレートタイプのキング、ツイン、トリプルルームの3種類のバリエーションで用意する。
 「なんば」駅、「心斎橋」駅共に5分圏内とアクセスが良く、目的に合わせて選択できるバラエティ豊かな客室を用意することで、ビジネス、レジャーなど様々な需要を期待している。また最上階には約55mからの眺望の露天風呂、内湯、水風呂、サウナを完備。最上階のスカイスパ・サウナには、最新スペックのSAWO(サヴォー)社オートロウリュサウナを導入した。
 館内は、エントランス、ロビー、廊下、エレベーター内など、随所に日本の匠の技術を生かしたデザインコンセプトで空間をトータルプロデュース。ホテル内ショップ「カンデオデリカ」では厳選ワインやクラフトビール、ジュース、燻製つまみ等を用意する。
 同ホテルでは、“地域共創型ホテル”を目指すため、地元の方々や地元商店体験など、ここでしかできない体験を通じ、観光客はもちろん、地域の人々へのおもてなしも行っていく。例えば、日本文化として根付く「写経」と仏の姿を写す「写仏」を融合させた『絵写経』体験ができるプランや、精進料理をモチーフにした朝食が食べられるプランなどを計画しているという。
 今後は、既存の「カンデオホテルズ大阪岸辺」、「カンデオホテルズ大阪なんば」、「ザ シンギュラリ ホテル & スカイスパ アット ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」とも共創し、多様な面を併せ持つ大阪の各エリアの良さを引き出せるホテルとして進化させていく。

アコー 「メルキュール」ブランド飛騨高山に
 フランス・パリを拠点とする世界最大級のホスピタリティグループ・アコー(本社・フランス)のホテルブランド「Mercure(メルキュール)」では、日本有数の温泉地・飛騨高山に、その土地ならではの魅力を発見する「メルキュール飛騨高山」(岐阜県高山市)を12月20日にオープンさせた。
 同施設は、JR線「高山」駅から徒歩4分に位置、9階建て、客室数は161室。客室面積は約22・4㎡から25・7㎡。レストラン&バー「ホーバル」オールダイニング、ロビーラウンジ&バーを併設する。
 同ホテルは、飛騨高山の自然や文化にインスピレーションを受け、伝統的な要素を現代の視点で表現し、メルキュールブラントの持つ欧州のエッセンスを落とし込んだ空間。また、露天風呂、室内温泉浴場、貸切露天風呂といった多彩な温泉を用意する。
 全161室の客室は、飛騨染や山中和紙といった土地の伝統や文化を取り入れながら、モダンで洗練されたデザインが特徴。コネクティングルームや、バリアフリールームなど、さまざまなニーズに対応する7種類のタイプを用意した。
 メルキュールは、国際的なネットワークの強みとその土地での真の経験を組み合わせたミッドスケールブランド。一方、アコーは国内8都市に19のホテルを運営している。「メルキュール飛騨高山」は日本での8番目のメルキュールホテルで、世界の60の国々にある810を超えるホテルに加わることになる。
   フランス・パリを拠点とするアコーは、世界110ヶ国で5300を超えるホテルやレジデンス、1万を超えるレストラン、バー施設を展開し業界を牽引しているホスピタリティグループ。

アパホテル 「アパホテル<郡山駅前>」リニューアルオープン
 アパホテル(東京都港区)は、リニューアル工事の為休館していた「アパホテル〈郡山駅前〉」(全89室)を、増室13室を含むホテル館内外の全面改装を終了。フルリニューアルオープンさせた。
 同ホテルは、JR「郡山」駅徒歩2分に位置。県を代表する商業都市である郡山市は、経済・工業・交通の要衝として栄えており、福島県内のみならず東北や北関東へもアクセス至便だ。コロナ禍にありながらリニューアル前の客室稼働率は90%を超えており、今後もビジネス、国内レジャー、インバウンドなど幅広い宿泊需要を取り込んでいく。
 2階部分はすべて客室化、総客室数は76室から89室へ13室増室。客室は「新都市型ホテル」仕様へ全室フルリニューアルし、壁掛けの大型液晶テレビやシーリングライト、オリジナルベッド「Cloud fit(クラウドフィット)」、オリジナルユニットバスなどを導入した。また、全店導入に先駆けて、照明スイッチ、空調リモコン、コンセント、USBポート、HDMI端子等を集約させた枕元集中コントローラーには一括消灯可能な「おやすみスイッチ(GOOD NIGHTスイッチ)」を採用した。
 客室備品では、従来品よりもふんわりと厚みのある寝具の西川社製の羽毛布団や仕様の異なる2種類のオリジナル枕を導入するなど、今まで以上に快適な客室空間を提供する。
 同社独自の1秒チェックイン機では、事前にオンライン決済し、「アパ直」予約で前日15時から、OTA予約で当日15時からの部屋選択を完了することで、当日のチェックイン手続きを大幅に簡素化することができる。 同社は、アパホテルネットワークとして全国最大級の710ホテル・10万8672室を展開している。2010年4月にスタートした「SUMMIT 5(頂上戦略)」を継承し、2022年4月より新たな5ヶ年計画「AIM5 ~APA Innovative Movement」を始動。アフターコロナにおけるニーズの変化やDX化の波を捉えながら、国内でトップホテルチェーンとなるべく、2027年3月末までにアパホテルネットワークとして15万室展開を目指す。

大江戸温泉物語 「TAOYA」2号関東初出店
 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京都中央区)では、「大江戸温泉物語 日光霧降」(栃木県日光市)を2023年4月10日に「TAOYA日光霧降」としてリブランドオープンさせる。
 同ブランドは、2019年4月、同社の新しい取り組みとして誕生した温泉リゾートホテルブランド。第1号ホテルである「TAOYA志摩」に次いで、同ホテルは第2号で関東初出店となる。
 同ホテルは、JR「日光」駅下車。同ブランドは同社の従来の展開に対し、「ゆったりと、たおやかに」をコンセプトとする。非日常のひと時の提供を目的に、ハード面の充実のみならず、宿泊料金内に食事や夕食時のアルコール、ウェルカムドリンクや湯上りサービスなど、館内サービスの利用料金が含まれる「オールインクルーシブ」の導入、接客などのソフト面を充実化させた。
 レセプションイメージは、霧降高原の自然と調和するアースカラーをベースにした落ち着いた雰囲気を演出する。
 今回のリブランドにあたり、目玉のひとつとなるのがレストランだ。フルライブキッチンで宿泊客の目の前で料理を作り提供する。客室は、露天風呂付客室を新設した。




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