不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2023.01.16 10:22
ケン不動産リース プレミアホテルグループ35件目が金沢に 地元色強めたデザイン
ケン不動産リース(東京都港区)が運営するプレミアホテルグループは、石川県金沢市に「THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA」(ザ ホテル山楽 金沢)を12月21日に開業させた。同ホテルは金沢市内では「金沢白鳥路 ホテル山楽」に続く2軒目、プレミアホテルグループ全体では35軒目となる。
同ホテルは、金沢城公園と兼六園を囲む百万石通りの内側に位置し、近江町市場へ徒歩1分、金沢城公園へ徒歩3分、兼六園へ徒歩10分、ひがし茶屋街へ徒歩15分と、人気観光地の中心にある。
建物は、地下1階、地上6階。敷地面積4057㎡、延べ面積1万6105㎡。客室数は全215室(うちスイートルーム13室)。金沢ダイニング「きざはし」、ロビーラウンジ&バー「Saison」、クラブラウンジ、スーベニアショップ、ランドリー、授乳室などを併設する。
客室は、中庭を眺望するスイートやガーデンツインのほか、大人数にも対応のコネクティングルームなどを用意。全室32㎡以上の造りで、黒を基調とした空間に、金色や加賀五彩、金沢の伝統工芸の要素が浮かびあがるデザインが特徴。全室に九谷焼の茶器やシモンズベッドを導入しているほか、兼六園の「藤の花」、加賀友禅の梅染と加賀藩藩主 前田家の家紋にちなんだ「梅の花」、そして稀少伝統工芸の「加賀水引」を優美に描いたベッドボードを配した。
バスルームには全室レインシャワーを備え、バスローブ、アルガンやフェラガモのブランドアメニティも用意した。中庭側の部屋には、窓際にデイベッド風のソファをセットし、部屋から中庭の四季の移り変わりを楽しめる。クラブバルコニーの客室は32㎡の広さがあり、外には12㎡のバルコニーを配した。
プレミアホテルグループは、首都圏の高級不動産業の先駆者であるケン・コーポレーショングループが展開するホテルグループ。自社ブランドに加え、HyattやHiltonなど外資系ブランドチェーンと提携したホテルを自社所有・自社運営を軸に展開。現在、国内は全国に26施設、海外はグアムを中心に9施設、計35施設・約8900室を展開している。
アパホテル 長崎市内の既存施設取得し再開業 市内3棟336室に
アパホテル(東京都港区)では、長崎市にある既存ホテルを取得し、「アパホテル〈長崎出島〉」(全150室)としてプレオープンを果たした。
同ホテルは、長崎電気軌道(路面電車)「大波止」電停徒歩1分、JR・西九州新幹線「長崎」駅も徒歩圏内の好立地。有名観光地の出島まで徒歩3分のほか、観光都市長崎の名所・史跡へもアクセス至便で、ビジネス、レジャー、インバウンドなど幅広い宿泊需要を取り込んでいく。
プレオープンにあたり、全客室にテレビ画面上に館内案内を表示した「アパデジタルインフォメーション」、通信速度とセキリティの面で優れたWi-Fi無料接続、BBCワールドニュース無料放映などを導入。プレオープン後は、営業を行いながらリニューアル工事を実施予定だ。
50型の大型液晶テレビやオリジナルベッド「Cloud fit(クラウドフィット)」の導入、ロビー・フロントの改装などアパホテル仕様の客室・共用部へと大幅なリニューアルを計画している。また、リニューアルに合わせて、シングルルーム同士を必要に応じ繋げて利用できるS-Sコネクトツインルームの新設など、36室の増室も予定している。リニューアル完了後のグランドオープンは2023年6月の予定。
最先端のIT開発として、1秒チェックイン機をプレオープン時から導入。アプリチェックインを行うことで、当日のチェックイン手続きを大幅に簡素化することができる。
現在、長崎市では「アパホテル〈長崎駅前〉」(全85室)、「アパホテル〈長崎駅南〉」(全101室)を運営しており、同ホテルの開業で長崎市内のアパホテルは3棟336室となる。
同グループは、アパホテルネットワークとして全国最大の716ホテル・11万220室を展開している。2010年4月にスタートした「SUMMIT 5(頂上戦略)」を継承し、2022年4月より新たな5ヶ年計画「AIM5~APA Innovative Movement」を始動。アフターコロナにおけるニーズの変化やDX化の波を捉えながら、国内で圧倒的なナンバーワンホテルチェーンとなるべく、2027年3月末までにアパホテルネットワークとして15万室展開を目指す。
ホテル鹿の湯 ロウリュ式サウナ備えた大浴場開設
ホテル鹿の湯(北海道札幌市)は、同施設地下1~2階の大浴場を一部改装し、オートロウリュ式のサウナとかけ流しの沢水風呂を備えた「サウナ・鹿の蒸(しかのじょう)」を12月26日にオープンさせた。
浴槽は内湯(あつめ・ぬるめ)、露天風呂、ドライサウナ、水風呂。
フィンランドサウナの醍醐味・ロウリュ。その中でもモニュメント的な存在である「iki(イキ)ストーブ」を完備。壁天井には国産ひのき材を贅沢に使用し、大量のサウナストーンが生み出す天然水の蒸気とともに、和を感じる爽やかな香りが全身を包みこむ。
また室内は温度差を楽しむスタジアム型・湿度差を楽しむサークル型と、男女で異なる形状を採用した。
初代北海道長官・岩村通俊によって名付けられた「鹿の湯」は、定山渓で唯一、固有の名を持つ名湯。大浴場の真下から湧き出るこの湯は、肌のさわりが優しく、熱の湯とも称される湯上がりの温かさが特徴。夜には渓流がライトアップされ、湯けむりに浮かぶ幻想的な風景が広がる。
大浴場のリニューアルに合わせ、ホテル鹿の湯4階の飲食コーナーもリニューアルオープン。昭和モダンを感じる店内では、サウナ後の定番ドリンク・オロポやオリジナルフロート、伊達市BOCCA直送の濃厚ソフトクリームなどを用意。また店内にある卓球台も飲食利用者は自由に楽しむことが出来る。
同施設は、札幌市中心部より車で約50分。定山渓温泉の湯の町中央に建ち、国立公園の山々と豊平川を望むことが出来る。創業96年の老舗宿らしく落ち着いた昭和レトロの佇まいと、名湯を味わう大浴場が特徴だ。
また全170室の客室は和室・和洋室の6タイプを用意。夕朝食は北海道の旬を楽しむビュッフェをメインに、グループで利用の際は和食会席膳も提供する。
イシン・ホテルズ・グループ 地域不動産とコラボプラン
全国12都市、都内9地域で、「the b hotels(ザビーホテルズ)」を運営するイシン・ホテルズ・グループ(東京都中央区)は、「the b 三軒茶屋」に続き、「the b 八王子」でも地域の不動産会社とコラボした新生活応援プランの予約受付を開始。宿泊者と不動産会社とホテルがWIN-WIN-WINになるビジネスモデルを実現していく。
駅周辺の好立地に展開する同ブランドは、遠方からの受験や上京後の住まい探しを目的として、多くの利用者が宿泊してきた。同ホテルでは、受験応援プランの開発や自習室の解放など、受験に貢献するサービスを展開する一方で、新生活の部屋探しにも貢献できないか、と考えてきた。
コロナ禍で打撃を受けた地域経済に活気を取り戻すことも、利用者の旅を支えるホテルの役割であると捉えている同社では、地域の不動産会社の活性化にも貢献したいと考え、今回の取り組みに繋がったもの。
部屋探しのために宿泊した利用者の宿泊代金相当額(1泊分)を、賃貸契約をした該当の不動産会社が利用者に還付する仕組み。
「新生活に向けて出費を抑えたい」という宿泊者は実質無料で宿泊が可能。不動産会社は、部屋探しを始める直前の客にアプローチすることができる上、成約がない場合には費用は発生しないため、効率的に成約率を向上できる。ホテル側にとってもオペレーションの変更や直接的な金銭のやり取りが発生しないため、現場に大きな負荷をかけることなく予約獲得につなげられる。
ソラナリゾート トレーラー型宿泊施設
トレーラーハウスの製造販売、運用を手掛けるソラナリゾート(東京都千代田区)は、プライベートドッグラン付きトレーラーハウス「Solana」の2施設目を栃木県日光市にオープンさせる。
全部で3棟のトレーラーハウス宿泊施設を配置、各部屋に「プライベートドッグラン」と「BBQができるウッドデッキ」を用意する。トレーラーハウス1棟に1ドッグランを完備しており、完全プライベートドッグランとして利用可能。
ウッドデッキでは、地元の料理を調達してきたり、食材を調理したりできる。バーベキューグリル、ガス、食器類も完備する。
各部屋は、「Stanley(スタンレー)」が世界の美しい公園ランキングにも選ばれたスタンレーパークより命名。スチールやアルミなど無骨な素材でコーディネート。グレーグリーンで空間にアクセントをつけているのが特徴だ。「Grouse(グラウス)」は、紅葉が綺麗なバンクーバーダウンタウン北部にあるグラウスマウンテンより命名。ウッドを基調とした素材とナチュラルな色使いで落ち着きのある空間に仕上げた。「Kitsilano(キツラノ)」は、ウッド、ファブリック、レザーなどの異素材をミックスし、カジュアルながら大人っぽい空間に仕上げた。
東急ハーヴェストにセルフチェックイン導入
アルメックス(東京都品川区)は、東急不動産(東京都渋谷区)が開発する会員制リゾートホテル「東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠」で、アルメックスが提供する「家具組込型KIOSK」を導入した。
東急ハーヴェストクラブへのセルフチェックインシステム導入は今回が初。今後、全国の東急ハーヴェストクラブ施設への導入を検討しているという。
「KIOSK」は2018年からアルメックスが提供している、宿泊施設向けセルフチェックインシステム。スタンド型、テーブルトップ型、家具組込型があり、今回導入した家具組込型は、フロントカウンターなどホテルの製作家具に各種機器を組み込めるため、ホテルの内装の雰囲気に調和する。