不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2023.01.30 10:00

SQUEEZE ライフスタイル型スマート施設を開業 クラウドによる運営管理
 SQUEEZE(東京都港区)は、ライフスタイル型スマートホテル「Minn 千歳」を昨年12月21日にオープンさせた。
 同ブランドは、グループや家族の「みんな」で泊まれることに、宿泊施設を意味する「inn」を掛け合わせたことに由来する。2017年に第1号店を大阪にオープン後、東京や長野にも施設を増やし、4名以上のグループやファミリー層でも1部屋に宿泊できる部屋を用意している。
 今回開業した「Minn 千歳」は、客室数合計51室(17室×3棟)。Minnの中でも広い客室が特徴で、一番広い客室は広さ114㎡、最大定員12名で宿泊することが可能。
 新千歳空港から1駅に位置するJR「南千歳駅」から徒歩8分の場所にあり、「アウトレットモール・レラ」とレンタカー村の真ん中に位置する。
 「Minn」ブランドのスタンダードであるオンラインチェックイン、エクスプレスチェックアウトを導入しており、予約からチェックアウトまでの手続きがスマートフォン上でシームレスに完結する。「クラウド運営チーム」によるクラウド運営チームが快適な滞在のサポートを行う。
 同社が提供する遠隔接客サービス「クラウド運営チーム」とは、複数のホテルを一元管理しフロント業務やマーケティング業務を遠隔にて提供できるクラウドサービス。同社は2019年に現地法人であるSQUEEZE Asiaをカンボジア・プノンペンに設立し、リモートコンシェルジュ事業をスタート。カンボジアのセンターからのみならず、その他国内外の在宅ワーカーによりホテル業務を遠隔サポートできる仕組みを構築した。24時間365日オンライン上でお客様のチェックイン・アウトや予約受付、電話・メッセージ対応、部屋の在庫管理、清掃業務管理等の幅広い業務を行っている。 

アドバンテック 初のゼロエネルギーホテルをオープン
 半導体関連機器製造を中心に、近年は再生エネルギーや地方創生・まちづくり事業も展開するアドバンテック(愛媛県西条市)と、「白井屋ホテル」「SORANO HOTEL」などのホテルを手掛けてきたGOODTIME(東京都渋谷区)は今春、日本初のゼロエネルギーホテル「ITOMACHI HOTEL 0(ゼロ)」を、隈研吾氏設計で愛媛県西条市に開業する。
 同ホテルは、地上2階(南棟)、地上1階(北棟/東棟)、延床面積2999㎡。レセプションカフェ、キッチン付きコワーキングスペース、多目的スタジオ、ランドリーなどを併設。客室数は57室。
 運営面で実質的に電力エネルギーを消費しない「ゼロエネルギーホテル」。日本国内のホテルで初めて、環境省が定める最高ランクの「ZEB」の認証を取得した。建物に省エネルギーと創エネルギーの機能を同時に備えることで、実質的な電力消費0を可能とした。
 建物用途別のエネルギー消費量で、ホテルは床面積あたりの電力使用量が飲食店に次いで2番目に高くなっており、ホテルの電力使用量を実質0にすることは、脱炭素社会を加速させる大きな可能性を秘めている。ゼロエネルギーホテルが増えることで、自然環境に負荷をかけることなく人の楽しみを創り出す、これからの時代の持続可能な観光及び宿泊体験を多くの人に届けることができるようになるという。
 同ホテルは、西条に新たな賑わい創出を目指し2020年に開業した「いとまち」の敷地内に建設。既に開業している施設も「ZEB Ready」認証を取得しており、現在までにオープンしたマルシェ、レストランは、そこで生み出された電力を活用し運営している。

HAMIRU 廃校をリゾート宿泊所にコンバージョン
 HAMIRU(千葉県市川市)は、千葉県香取郡多古町の廃校(旧常磐小学校)をリゾート施設としてコンバージョン。グランピングとオートキャンプ場が併設された新施設「TACO GLAMP THE MEXICO」(タコ グランプ ザ メキシコ)を3月7日にグランドオープンさせる。
 「地域の課題をリゾートで解決する」を経営理念に掲げる同社は、関東でグランピング事業を中心に宿泊施設の開発及び運営を行っている。2021年4月には、廃校となった旧高滝小学校を千葉県市原市より借り受け、「高滝湖グランピングリゾート」を開業させた。リゾート施設と地元食材や豊かな自然等の観光資源を組み合わせたアクティビティを提案することで、来訪客に地域の魅力を発信している。
 同社では、地域に眠る遊休地をリゾートとして活用することで地域に「宿泊型」観光入込客数の増加、地域資源の活用・地域雇用などの新しい需要を生み出し「すみ続けられるまちづくり」の体現を目指している。先の「高滝湖グランピングリゾート」では年間2万人以上の集客実績があるという。
 今回の「TACO GLAMP THE MEXICO」は、千葉県最大級のリゾート施設となる。同施設では同社だけではなく、「地域のひと、訪れるひと、応援してくれるひと、みんなで作り上げることでより多くの人に愛される場所にしたい」という考えから、史上初の試みとしてクラウドファンディングを実施する。
 同施設が位置する千葉県香取郡多古町は、成田空港から車で約30分に位置。豊かな自然に恵まれ、米の作付け面積当たりの収穫量が日本1位であり、「おかずのいらない米」と評される「多古米」をはじめとした農畜産物が多いのが特徴。
 一方で多古町はまだまだ知名度が低く、人口は約2・2万人だった1950年から減り続け2022年調べでは約1・3万人だという。少子化も進み、過去20年で合計3校廃校になった。同社は「TACO GLAMP THE MEXICO」をきっかけとして、多古町に「宿泊型」観光入込客数の増加、地域資源の活用・地域雇用などの新しい需要を生み出し地域の活性化を目指していく。
 グランピング場には3種類のテントとトレーラーハウス、合計23棟の宿泊施設を配置。
 グランピング場内にはキャンプファイヤー場、星空の下でドリンクを提供するクリアドームのバー、プールと、本格北欧風のバレルサウナを設置。人工温泉貸切風呂や、フォトスポットなども配置し雨の日でも子供から大人まで遊べるアクティビティを用意した。

共立メンテナンス 「ラビスタ」シリーズ函館に
 全国にリゾートホテル「共立リゾート」やビジネスホテル「ドーミーイン」を運営する共立メンテナンス(東京都千代田区)は、北海道函館市に「ラビスタ函館ベイANNEX」を2月4日にオープンさせる。
 同ホテルは、JR函館本線「函館」駅から市内循環バス。地上10階建てで、客室数は全74室(ツイン、フォース、和洋室、特別室、ユニバーサルルーム)。天然温泉大浴場2カ所(内湯檜、内湯寝湯、露天風呂、樽風呂、ドライサウナ、岩盤浴、水風呂)、貸切露天風呂3種、湯上りコーナー、バーラウンジ、喫煙室、エステサロン、レストラン、売店などを併設する。
 2008年にオープンした「ラビスタ函館ベイ」よりワンランク上の滞在提供する別館として、共立リゾート41棟目となる。道外はもちろんのこと、北海道在住のミドル世代もターゲットとしており、滞在型のニーズを見据え、「贅を知る大人のための静謐な空間」を提供する。
 同社の「ラビスタ(La Vista)」シリーズとは、スペイン語で「眺望」を意味する。同社では、日本各地にある眺めを一望できるリゾートホテル、およびビジネスホテルをラビスタシリーズとして各地に運営実績を持つ。
 同社のリゾート事業は、「ラビスタ」シリーズやペットとの滞在を愉しむ「ルシアン」シリーズ、個性豊かな「和の湯宿」などのタイプを展開している。

ソラナリゾート トレーラーハウス活用した施設
 トレーラーハウスの製造から販売、運用まで手掛けるソラナリゾート(東京都千代田区)では、同社が運営するプライベートドッグラン付きトレーラーハウス「Solana」の2施設目を栃木県日光市にオープンさせる。
 全部で3棟のトレーラーハウス宿泊施設を配置、各部屋に「プライベートドッグラン」と「BBQができるウッドデッキ」を用意する。
 施設は、トレーラーハウス1棟に1ドッグランを完備しており、完全プライベートドッグランとして利用が可能。各トレーラーハウスには、バーベキューができるウッドデッキを配置。地元の料理を調達してきたり、持参した食材を調理することなどが可能だ。バーベキューグリル、ガス、食器類はすべて完備する。
 例えば「Stanley(スタンレー)」という部屋は、世界の美しい公園ランキングにも選ばれたスタンレーパークより命名。スチールやアルミなど無骨な素材でコーディネート。グレーグリーンで空間にアクセントをつけているのが特徴だ。

KPG 「ATAMI海峯楼」を大幅リニューアル
 カトープレジャーグループ(東京本社・東京都港区)は、水とガラス」をテーマに設計された宿泊施設「ATAMI 海峯楼(かいほうろう)」(静岡県熱海市)をリニューアルオープン。ラグジュアリースイートルームを新設した。
 ラグジュアリースイート「誠波(せいは)」「風科(ふうか)」は90m2の客室。波しぶきをイメージしたカーペットや波柄の大判タイルは客室から眺める雄大な太平洋を表現。部屋の露天風呂には熱海の天然温泉を引き、インフィニティの水盤と相模湾を眺めながら入浴時間を過ごすことができる。
 同施設のもう一つの特徴は、金屏風に囲まれた特別な空間。明治から平成にかけて活躍した版画家・徳力富吉郎氏が描いた松と波は、この地から望む景色を力強い筆触で表現しており、ここにしかない特別な空間を演出した。 




週刊不動産経営編集部  YouTube