不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手に探る

2023.02.27 10:59

リロバケーションズ リゾート管理業をスタートし9月にリブランド 共有部と客室を区分所有
 会員制リゾート事業、ホテル・旅館運営再生事業を担う、リロバケーションズ(東京都新宿区)では、日本ビューホテル(東京都台東区)が所有・運営するホテル「那須高原ホテルビューパレス」(栃木県那須郡)の一部客室及び共用部を取得した。これにより同施設は4月1日より、リロバケーションズが運営する。また9月末までにリブランドも予定している。
 今回の売買契約によって取得したのは、ホテル運営に必要な共用部(レストラン、浴場、フロント等)及び客室(88室中32室)であり、区分所有となる。 
 「那須高原ホテルビューパレス」は、那須ICから車で約20分に位置。レストラン、ラウンジ、大浴場を併設する。広大な土地を要し、那須高原でも高台に位置しておりロケーションに優位性があることからこの度の取得に至ったもの。
 また、同件はリロバケーションズ初の管理組合(第三者物件を管理)案件であり、同社のリゾート管理業としての第一歩となる。施設は4月1日よりホテル事業で運営を開始し、9月末までには新たな名称の元、リブランドオープンする予定だという。
 同施設は、“想いをつむぎ新しさでつなぐ”をコンセプトとした、リロバケーションズ(旧ワールドリゾートオペレーション)が運営するリゾートホテル・旅館。「ゆとりろ」「風雅」「天翠」などをはじめとした、個性的なホテル・旅館を全国36か所で展開している。
   同社は2009年設立。経営の厳しいホテル・旅館の再生案件や売却案件に対し、グループ力を生かした再生ビジネスを手掛けてきた。  企業や健保組合にとって負担になっている保養所などを得意としているが、既存の旅館の再生も手掛け、多くは客室が50室前後と比較的小規模なものが多く、他社が手掛けない施設が多いのが特徴だ。
 土地建物の取得はもちろん、「支配人派遣」「保証」といったコンサルティングから、「予約業務代行」「自社サイト集客拡大プログラム」「リノベーション・ブランド提案・支援」など、オーナーの意向に合わせた再生メニューを用意、90日間での黒字化を目指した様々な支援を行ってきた。現在、全国でリゾートホテル、旅館を運営・運営代行をしている。

リソルグループ 「スイートヴィラ」ブランドを拡大 熱海に開業
 リソルグループ(東京都新宿区)のリソル不動産は2月17日、「スイートヴィラ キュレーション 熱海 須藤水園」(静岡県熱海市)を開業させた。
 リソル不動産では、「暮らすように泊まる」をコンセプトに滞在を楽しむ旅のスタイルをリソルステイと名付け、その空間を「スイートヴィラ」と呼び、施設拡大を図っている。今回新しくオープンする同施設は、一般社団法人キュレーションホテル協会のリノベ物件“スイートヴィラ キュレーション”シリーズ第三弾の施設となる。
 同施設は、JR「熱海」駅より徒歩約4分に位置、木造瓦葺2階建て、客室数1棟で最大6名様まで。築100年という伝統を残しながら快適に過ごせるようリノベーションを施し、各所に散りばめられた伝統技術が生きる建築意匠や、デザイン性の高い調度品、アートが特徴的。
 リビング・ダイニングスペースにはインテリアデザイナーによる家具が配置され、現代的でありながら和の雰囲気を演出。自分の別荘のようにくつろぎながら、美術館のような上質な文化を体験できる宿泊施設となった。 キュレーションホテル協会が手掛けるキュレーションホテルは、「地域の特性への理解」の上に成り立ち、そこから生まれる新たなデザインや価値観を通し、今までにない観点から地域の魅力を再発見する場所を目指している。「アーツ&クラフツツーリズム」をキーワードに企画・デザインを手掛け、芸術や伝統工芸の技を楽しめる「高付加価値宿泊施設」として再生を図り、リソル不動産が「スイートヴィラ キュレーション」シリーズとして運営を行っていく。 
 密を避ける傾向や休暇の分散長期化、ワーケーションなどで貸別荘需要が高まる中、リソル不動産では、別荘所有オーナーに開業から運営・集客をワンストップで行う仕組みを提案。多様なスタイルの貸別荘の新規開拓を推進する。同時に、様々な宿泊ニーズに対応しながら新しい別荘の過ごし方を提案し、今後も「リソルステイ」事業の拡大を図っていく。

霞ヶ関キャピタル 「FAV HOTEL 両国」3月10日オープン
 霞ヶ関キャピタル(東京都千代田区)では、同社の100%子会社である霞ヶ関パートナーズが展開する「FAV HOTEL」ブランド10施設目となる「FAV TOKYO 両国」(東京都墨田区)を3月1日に開業させる。同ホテルは、都心部に出店する「FAV TOKYO」シリーズの2号店となる。
 同ホテルは、JR「両国」駅より徒歩約6分に位置する。2023年は「インバンド再生元年」として、本格的な訪日観光回復への期待が高まっているなか、国内はもとより、訪日外国人観光客の利用も見込む。 
 同ホテルは、両国の夏の夜空をイメージしたミッドナイトブルー色をアクセントカラーとしており、リラックス感のある客室が特徴。一部客室にはキッチンを完備、豊富な収納も兼ね備えるなど、機能面にも配慮した。 最大4名から6名が宿泊可能な客室は、グループや家族での観光や旅行など、用途に応じて利用可能。最大6名が宿泊可能な2種類のスイートルームを設置しており、40㎡の空間でのホテルステイを提供する。スリーベッドバンクを除くすべての客室にはカウンターキッチンを、共用部には洗濯機も設置しているため、友人や家族とのグループ旅行や長期滞在も暮らすように快適な空間造りに注力した。
 また、多様な両国の魅力を楽しんでもらうため、江戸の雰囲気を色濃く残す観光地や、ネオカルチャーを感じるグルメスポットなどをRPGゲーム風にまとめたオリジナルの観光ブック「FAV Tabi MAP~PLAY!RYOGOKU~」を用意する。  さらに、「FAV TOKYO 西日暮里」同様、ホテル1階には世界トップ10ロースターにも選ばれたニュージーランド発のスペシャルティコーヒーロースター「Coffee Supreme」監修のカフェを併設する。
   「FAV TOKYO」シリーズは、都会の中心に位置し、「Enjoy the Mixture」をテーマとして、多国籍な利用客に楽しんでもらえるホテルとして昨年12月に誕生した。
   東京2施設目となる「FAV TOKYO 両国」は、「FAV HOTEL 広島平和大通り」「FAV TOKYO 西日暮里」と同様、イギリスのデザイン会社「PDP LONDON LLP」が内装を担当する。

伊東園ホテルズ 既存施設をリニューアル
 温泉旅館・リゾートホテルを運営する伊東園ホテルズ(東京都豊島区)では現在、新規出店や既存ホテルのリニューアル改装工事を順次進めている。今回、山梨県の石和温泉郷に位置する「ホテル君佳」を伊東園ホテルズとして、3月1日にオープンさせることとなった。
 同ホテルは、石和・春日居の名湯、山梨の大地の恵み、富士山や南アルプスの遠山の眺めが四季を通じて楽しめる宿。石和温泉郷には名物のほうとう店が多く点在し、駅前には足湯やワイナリーもある。昇仙峡、桔梗信玄餅テーマパークなど、山梨県の観光の拠点としての需要も期待している。
 同ホテルは、新宿駅からJR中央本線「石和温泉」駅より送迎バス。部屋数全40室。大浴場・露天風呂・売店・ゲームコーナーなどを配置する。
 伊東園ホテルズは「温泉という日本の文化をもっと多くの方に知ってほしい、そして何度も足を運んでほしい。」という思いから、リーズナブルな料金で東日本を中心に、リゾートホテルを49館運営。基本となる「1泊2食付バイキングプラン」では、和洋中の豊富なメニューに加え、生ビールを含むアルコール飲料も飲み放題。

「びわ湖大津プリンスホテル」最上階にバンケットルーム新設
 「びわ湖大津プリンスホテル」(滋賀県大津市)ではこのほど、ホテル最上階に「トップオブオオツ バンケットルーム」を新設する。
 新たに誕生する「バンケットルーム」は、アフターコロナを見据え、宿泊客の利用人数や目的・時間など、あらゆるシーンに対応した環境を整え多目的に利用しやすい空間にした。これから徐々に需要回復が見込まれるMICEやインセンティブ旅行の提案する。
 「スカイラウンジ トップオブオオツ」は、1989年4月22日のホテル開業とともにオープンし、最上階のラウンジとして、世界の銘酒やカクテルを楽しめるバーとして営業してきた。
 同ホテルは、来年35周年の節目の年を迎えるにあたり、地域共創を目的とした滋賀の魅力を伝える起爆剤の一つとして、開業以来初めて、びわ湖を見渡せる80名規模のパーティーが可能な宴会場を新設。ホテルコンセプトである「びわ湖の特等席」を最大限に感じてもらえる提案を利用客のニーズに合わせて今後も展開していく計画だ。




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