不動産トピックス
今週の一冊
2023.03.20 10:35
ビルメンテナンス業界の「生みの親」の生涯とは
日本のビルメンテナンス産業創成の礎-浅地庄太郎伝
著者:浅地 正一(監修)/岡田 玉規(編著)
出版:知玄舎
発行:2023年2月4日
価格:2200円(税別)
ビルの維持管理に欠かせない存在であるビルメンテナンス。日本におけるビルメンテナンス業は、建築物内の環境衛生管理を規定したビル管理法の成立施行によって、都市産業としての基盤が確立された。その後も建築の技術革新や環境への対応をいった業務範囲の多様化を繰り返しながら、ビルメンテナンス業界は今も発展を続けている。そしてこの業界の礎を築き、発展に尽力してきたのが、全国ビルメンテナンス協会会長や世界ビルサービス連盟終身名誉会長など数々の要職を歴任してきた浅地庄太郎氏である。浅地氏は日本のビルメンテナンス業を新しい産業として創出し、ビルメンテナンス業を日本の産業界の一角に位置付けた人物であり、いわば「我が国におけるビルメンテナンス業界の生みの親」である。
本書は浅地氏の生涯を少年時代から紹介しながら、講和条約の発効とともに興ったビルメンテナンス業の浅地氏の奔走の日々が語られている。浅地氏は日本初のビルメンテナンス会社・日本ビルサービス(現グローブシップ)の初代社長に就任。1983年(昭和58年)8月、ビルメンテナンス業界の発展を先導し続けた浅地氏は、その生涯に幕を閉じた。病床で語った最後の言葉は「再び生まれてくるとしたら、私は、再び同じ仕事をする」。現在の業界の発展は浅地氏なくしては語れない。