不動産トピックス

クローズアップ オフィス内装編

2023.04.03 10:46

 仕事の内容や人数などに合わせて最適な環境を選択して働く、いわゆる新しい働き方を採用する企業が増えている。オフィスのかたちも大きく変化し、企業の数だけオフィスのかたちがある、そんな時代が迫っている。

ワンストップでオフィス構築 デザイン・工事から家具手配までグループ全体で
 47ホールディングス(東京都渋谷区、ヨンナナ)は、ワークプレイスの総合コンサルティングを行っている。傘下の47(同上)では、借主の仲介手数料無料のオフィス検索サイト「officee(オフィシー)」を運営している。その他、グループ会社を通じて内装工事やオフィス家具の手配も請け負う。
 officeeは首都圏をはじめ北は札幌、南は福岡まで対応した、全国のオフィスエリア対象の検索サイト。契約実績は6000社以上で、リピーターも多い。需要の背景には、移転目的をしっかりと自社オフィスに落とし込む重要性が増しているため。「なぜ移転するのか」、「どの程度の面積が必要なのか」、「新しいオフィスにはどの様な役割や機能・効果を期待しているのか」といった内容まで掘り下げてヒアリング。「社員が行きたくなるオフィス」を求める企業には必須の項目となった。同社では前述のニーズに応えつつ、企業の成長戦略に合った坪数や環境を提示している。
 これまでに多く見られたケースが、企業側が移転先の適正な坪数を把握できていないこと。現状の賃貸面積から見て「これくらいかな」との算段で探していることは意外と多い。同社では移転検討中の段階で社長や担当者と直接話し合い、成長戦略や拡張ビジョンとも照らし合わせてオフィスを探す。社員数が増加しても対応できるオフィスを見つけ、一緒に現地内覧も実施。移転先となる「スペースの最適化」へ、企業と伴走するようなイメージで取り組む。また移転後の運営面のサポートも欠かさない。オフィス環境が社員へ正しく機能しているかなどは把握しにくい。単にテレワークも意識したオフィスを造るのでなく、目的や効果の具現化に繋がるような環境づくりも行う。
 グループ会社には、移転時における内装工事等を請け負う47内装がある。会議室の新設や床・壁紙の張り替えといった部分的な変更やメンテナンスにも対応。企業の求める設備環境や室内デザインを、イニシャルコストも踏まえて構築する。
 47内装 取締役の隅中至誠氏は「移転先のビルやオフィスの設備環境等によっては、できない内装やデザインがあります。契約後にそのことが発覚し『こんなはずではなかった』や『使いにくいならば、このオフィスに移転しなければよかった』と不満を抱えることも考えられます。一緒に現地内覧を行うこと、移転におけるビジョンを共有することで、移転でのミスマッチや不満を解消。加えて入居後のメンテナンスも想定した、3カ月、6カ月用のアフターフォローも行っています。使用しながら改善点を洗い出し、ブラッシュアップしていくことが可能です」と語った。
 直近では、産業廃棄物の収集運搬やリサイクル関連業務を行う企業の移転に協力。物件探しから移転まで、1年以上かけた大型プロジェクト。新規オフィスは約200坪で、複数拠点からの集約移転となった。しかし元は何から始めれば良いか分からず、適正な面積も掴めていない手探りの状態。何が必要なのかキャッチアップし、PMとして進行。2022年12月に完了。様々な箇所にリユース品やリサイクル品を採用し、テナントの事業を表現。エントランスにはモニュメントの設置を提案。事業への注目と話すきっかけも作った形だ。
 同社はスタートアップの20坪から、大型の500坪も対応する。今後移転先を探す場合は内装業者も一緒に協力する姿勢が主流になってくるだろう。

オフィスコム 本社オフィスをショールーム化
 オフィス家具の製造販売、内装工事を手掛けるオフィスコム(東京都千代田区)が、3月1日に東京・市ヶ谷の本社を約1・5倍に増床リニューアルし、ショールーム機能を兼ねた新オフィスとしてオープンした。
 「ICHIGAYA Workplace『∞』(イチガヤ ワークプレイス インフィニティ)」と名付けられた新オフィスでは、働き方の変革を社員自らが体験・実践し、その経験を顧客に向けてアウトプットすることを目指す。
 同社では、オフィスにおける無限の可能性を、商品・サービスという形で顧客に発信していくとしている。

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