不動産トピックス

今週の一冊

2023.05.22 11:26

大将と常連客から学んだ年収1000万円へのヒント

ビジネスで大切なことはみんな吉祥寺の焼き鳥屋で教わった
著者:玉岡 一央
出版:秀和システム
発行:2023年3月31日
価格:1650円(税込)

 著者は、2020年に独立起業しSDGsを活用した不動産ビジネスを展開する玉岡一央氏。前職の大手不動産会社では年収1000万円以上を稼いでいたという同氏は、本書を通じて年収1000万円のサラリーマンになるための、自身の経験をもとにしたノウハウを記している。
 玉岡氏の半生は波乱万丈そのもの。高校を卒業しファッション関連の専門学校に進むも、2年に進級するころには学校へ行かずそのまま中退。その後、数百万円に及ぶ借金を抱え、離島での重労働で借金を返済するなど、27歳まで定職に就かずその日暮らしの生活を送っていた。生き方を変えるため一念発起した同氏は小さな不動産会社に正社員として勤務した後、大手不動産会社に転職して年収1000万円を稼ぐサラリーマンへと成長した。
 なぜ著者がこれほどの成功を収めることができたのか。それは著者の父親が東京・吉祥寺で営んでいた焼き鳥屋にルーツがあるという。
 父親である「大将」が営む焼き鳥屋は、店と客、そして客同士の連帯感や信頼感を生み出す独特な8つのルールが存在した。大将との固い絆で結ばれた常連客は皆個性的で、多種多様な職種の客が来店し、幼いころから店の手伝いで常連客と接してきた著者は将来目指すべき仕事選びの考え方や、対人コミュニケーション、自己分析や自己管理を自然と身に着けていった。
 著者は過去の自身を「正真正銘のダメ人間だった」と振り返る。しかし、過去の経験があったからこそ著者の今があるのは紛れもない事実。人生を好転させるきっかけやヒントは誰にでもある。本書はその気づきを与えてくれる一冊である。




週刊不動産経営編集部  YouTube