不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2023.08.07 10:15
アパ 博多エリアでのドミナント戦略順調 「渋谷」駅近では開発用地を取得
アパホテル(東京都港区)はこのほど、全109室の「アパホテル〈博多駅前4丁目〉」のリニューアルを完了、新たにオープンさせた。
リニューアルオープンにあたり、エントランスには独自アパオレンジのゲートを新設。フロント・ロビーにはシャンデリアや自動チェックイン機を導入するなど内装・設備を一新した。
客室は「新都市型ホテル」仕様へ全室改装。全室に50型の大型液晶テレビやシーリングライト、1400mm幅のオリジナルベッド「Cloud fit Grand(クラウドフィットグラン)」のほか、全店導入に先駆けて、照明スイッチ、コンセント、TVに接続するHDMI端子等を集約させた枕元集中コントローラーに客室照明を一括消灯可能な「おやすみスイッチ(GOOD NIGHTスイッチ)」を導入した。家具の入れ替えやユニットバスの設備リニューアルも行った。
最先端のIT開発として、1秒チェックイン機(アプリチェックイン専用機)と自動チェックイン機を導入。事前にオンライン決済することで、チェックイン手続きを大幅に簡素化できるようにした。
同社は博多エリアでドミナント戦略を展開しており、現在、福岡市内で10棟2400室が営業している。ドミナント戦略のメリットを生かした相互送客による売上向上や業務効率化を図っていく。
同社グループではまた、「渋谷」駅にホテル開発用地を取得。
同案件は、東京メトロ半蔵門線・銀座線・副都心線・東急東横線・東急田園都市線「渋谷」駅より徒歩2分、京王井の頭線「渋谷」駅より徒歩2分、JR各線「渋谷」駅より徒歩6分に位置する。
同社は運営中の「アパホテル〈渋谷道玄坂上〉」(全173室)が開業以来稼働も好調なことから、既存棟隣地にて増築棟(全74室)を建築しており、2棟合わせて247室のホテルプロジェクトを進行中だが、更なる需要獲得を目指し、同案件地の取得に至った。
道玄坂エリアが大型再開発により変貌を遂げる中、同計画も街づくりの一環として貢献し、ビジネスだけでなく、レジャーやインバウンド需要にも幅広く対応していく。
同社は2010年4月にスタートした「SUMMIT 5(頂上戦略)」を継承し、2022年4月より新たな5ヶ年計画「AIM5 ~APA Innovative Movement」を始動。アフターコロナにおけるニーズの変化やDX化の波を捉えながら、国内で圧倒的なNo.1ホテルチェーンとなるべく、2027年3月末までにアパホテルネットワークとして15万室展開していく。
リーガロイヤルホテル IHGシステムに参画
リーガロイヤルホテル(大阪府大阪市)では、IHGホテルズ&リゾーツのシステムに加盟し、IHGで国内最大となる、大阪で7番目のホテルとなった。
同ホテルでは、大規模改装を経て日本初の「ヴィニェット コレクション」に生まれ変わる姿を示す完成予想図を公開。約135億円の改装費を投じ、2025年に「リーガロイヤルホテル ヴィニェット コレクション」としてリブランドオープンさせる予定。
IHGは、不動産所有者であるベントール・グリーンオーク、ロイヤルホテルと緊密に連携し、関係者全員が協力しながら、同ホテルが培ってきた要素やレガシーを守っていきたいという。
同ホテルは、計1039室の客室のほか、18のレストラン&バー、56の宴会場、会議室、婚礼施設、プール、フィットネスセンター、小売店などを併設している。
「ヴィニェット コレクション」は、2021年に誕生したIHGのラグジュアリー&ライフスタイルホテルコレクションブランド。アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、米国で6軒のホテルを開業しており、開業予定を含めると世界に21軒のホテルを展開している。さらに、今後10年間で100軒以上の展開を目指している。
IHGは現在、日本市場においてかつてない成長の時期にあり、近年では「voco」、「キンプトン」、「リージェント」、「ホリデイ・インエクスプレス」といったブランドの日本初参入を果たしてきた。今回、ラグジュアリーブランド「ヴィニェット コレクション」が加わることになる。IHGは今後も更にビジネス展開に注力し、日本におけるポートフォリオの拡大を目指していく。
スクウィーズ 「Minn」ブランド開業 8月には相次ぎ2棟
SQUEEZE(東京都港区)では、自社運営ホテルとして25、26棟目となるライフスタイルホテル「Minn 祇園」(京都府京都市)、「Minn 上野新御徒町」(東京都台東区)を8月に相次いで開業させた。
「Minn 祇園」は「Minn」ブランド初となるゲスト専用プライベートスパ&サウナを設置する。同ホテルは最大収容人数136名。花見小路通りに面した、三条に近く落ち着きある北側の地域にある。京都観光の中心地である祇園お茶屋街、四条、八坂神社エリアなども散策できる位置に立地している。
「Minn 上野新御徒町」は、25室で最大収容人数94名。新御徒町駅から徒歩1分に位置する。客室にはキッチンを配置、家族やグループでの旅行需要に合わせ、畳のスペースを多く設けているのが特徴。また、鍵の受け渡しが不要なスマートロックや、利用者自身のモバイルデバイスによるチェックイン・チェックアウトも可能になる。
この2つの施設は、同社ホテル運営の特徴である「クラウド運営ソリューション」を活用。2019年に現地法人としてカンボジア・プノンペンに設立したSQUEEZE Asiaに在籍するリモートコンシェルジュ、国内外の在宅ワーカーにより、オンライン上で宿泊者のチェックイン・アウトや予約受付、電話・メッセージ対応、部屋の在庫管理、清掃業務管理等の幅広い業務サポートができる仕組みを構築している。
また、これらの対応を自社開発するクラウド宿泊管理システム「suitebook(スイートブック)」を用いて行うことで、遠隔地からでも漏れのない効率的なゲスト対応や清掃管理を可能にしている。
同社の「Minn」ブランドは、グループや家族の「みんな」と、宿泊施設を意味する「inn」を掛け合わせた言葉で、大切な家族、友達、恋人と「みんなで一緒に泊まれる」をコンセプトとしたホテル。キッチン付き25㎡以上の部屋を中心とした造りで、東京、大阪、北海道、金沢、京都と、全国に事業を拡大している。
ナインアワーズ 自動電話応答サービス導入へ
ナインアワーズ(東京都千代田区)は、同社が運営するカプセルホテル「ナインアワーズ」13店舗、泊まれるサウナ「ドシー(℃)」などを含むホテル5店舗に、IVRy(東京都台東区)が提供する電話自動応答サービス「IVRy(アイブリー)」を導入した。
ナインアワーズが運営するほとんどの店舗のフロントをワンオペレーションで行っている状況のため、来店者の対応をしていると、電話対応ができない状況だった。1日何十件もの電話がかかってくる中、接客等の対応につき、ほぼ電話に出られていない状況で、利用者からも電話がつながらないというクレームが頻繁に発生していたという。
スタッフの業務負荷を減らしつつ、カスタマー・エクスペリエンスを改善したいと考え、電話の自動応答化の検討を開始。SMS送信ができる点と、初期費用が抑えられる点からIVRyの導入を決定したもの。
主な活用法としては、予約にまつわる問い合わせは、自動応答後にSMSを送信。Webページの予約ページへ誘導し電話対応削減。よくある問合せやホテルまでのアクセスに関する電話も、自動応答後にSMS送信機能で、FAQのページや地図のページを送信。サウナに関する営業時間や定休日、注意点など基本概要は自動応答の説明で完結。スタッフの対応なく、終了するため対応工数削減、などに効果を期待している。
リソルG ゴルフ場近接ヴィラ販売開始 会員制リゾートクラブ
リソルグループ(東京都新宿区)が運営する「スパ&ゴルフリゾート久慈」では、新たに「ゴルフバケーションクラブR 久慈」の募集を開始。
「スパ&ゴルフリゾート久慈」は、ゴルフコースが一望できる眺望抜群のヴィラが、フェアウェイに沿って建ち並び、ゴルフ場に暮らしているかのような非日常空間が味わえるのが特徴。
今回販売する「ゴルフバケーションクラブR 久慈は、1棟を22口に分割した施設利用権方式による会員制リゾートクラブで、募集金額は363万円(税込)となり、宿泊利用権として年間15泊(占有利用日3泊+フリー利用日12泊)の利用が可能だ。
施設は、スイート仕様のリビングやコースと一体化したデッキテラスからの雄大な眺望が楽しめるとともに、24時間プライベート天然温泉の利用が可能となる。また、部屋のキッチンには自炊設備も整っており、連泊の滞在利用でも快適に過ごすことができる。
リソルグループでは、プライベート空間と開放感が同時に楽しめる「フェアウェイフロントヴィラ事業」について、グループコースの「瀬戸内ゴルフリゾート」でも展開しており、「大熱海国際ゴルフクラブ」でも計画を進めている。