不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2023.09.04 10:07
リロバケーションズ 日本初のリゾートコンドミニアム・レジデンス稼働 富裕層向け新滞在を提案
「BLISSTIA」12月15日オープン
会員制リゾート事業、ホテル・旅館運営再生事業を展開しているリロバケーションズ(東京都新宿区)では、サンケイビル(東京都千代田区)と東急不動産(東京都渋谷区)が開発した「BLISSTIA箱根仙石原」(神奈川県足柄下郡)の運営を担当する。オープンは12月15日。
同施設は日本初の分譲型リゾートホテルコンドミニアム・ホテルレジデンス。リロバケーションズは同ホテルの運営を担っており、会員制リゾート事業、ホテル事業両軸での運用を行っていく。
同施設は「仙石原小学校前」バス停下車徒歩1分に位置。敷地面積6746・22㎡、延床面積6272・18㎡、構造・規模は、本館が鉄筋コンクリート造、地上4階。温泉棟は、地上1階地下1階。客室数全63室、大浴場、レストラン、湯上りテラス、ファイヤープレイス等を併設する。
同施設はリゾート地にありながら、スーパーやドラッグストア、飲食店などへも徒歩圏内でアクセス可能、非日常でありながら日常の快適さも兼ね備えた「自由な滞在」をテーマとしたサービス・コンテンツを提供する。
全客室50㎡超のスイートルーム仕様。温泉半露天風呂付から80㎡を超えるプレミアムタイプまで様々な客室を用意する。
「ホテルコンドミニアム」とは、オーナーが所有する1室を運営会社との賃貸借契約に基づき賃貸。オーナーは、自身が利用しない日を所定の手続きに従って、運営会社に客室として提供し、運営会社は提供のあった客室を一般利用客へ販売する。
「ホテルレジデンス」は、オーナーが所有する1室を運営会社との賃貸借契約に基づき賃貸。運営会社は、事前に定められた各月の半分ずつ(前半と後半)を民泊新法に基づき宿泊施設として一般利用客へ販売し、オーナーは、残りの年間185日間無料で自己利用することが可能だ。両システムとも、自身が利用しない日を一般利用客に販売することで賃料収入を得ることができる。
同社はまた、9月1日より同社のリロホテルズ&リゾーツ会員プログラムサービスをポイント付与制度へと刷新。
これまでの会員プログラムでは利用金額に応じて会員グレードが変動し、そのランクにより受けられる特典が追加されていくスタイルだった。今回のリニューアルではベストレート保証やレイトチェックアウト特典はそのままに、宿泊時の金額に応じて最大10%分の旅コイン(=ポイント)が付与され、次回の宿泊代金に利用できるようになる。
「リロホテルズ&リゾーツメンバーシップ」は、リロバケーションズが運営する「ゆとりろ」「天翠」「風雅」をはじめとするリゾートホテル・旅館の会員プログラム。ミニアプリをダウンロードし、会員情報と連携することで様々な機能を利用可能なる。
同社は「ゆとりろ」「風雅」「天翠」などをはじめとした、個性的なホテル・旅館を全国39カ所で展開している。
同社は、経営の厳しいホテル・旅館の再生案件や売却案件に対し、グループ力を生かした再生ビジネスを手掛けてきた。
企業や健保組合にとって負担になっている保養所などを得意としているが、既存の旅館の再生も手掛け、多くは客室が50室前後と比較的小規模なものが多く、他社が手掛けない施設が多いのが特徴だ。
土地建物の取得はもちろん、「支配人派遣」「保証」といったコンサルティングから、「予約業務代行」「自社サイト集客拡大プログラム」「リノベーション・ブランド提案・支援」など、オーナーの意向に合わせた再生メニューを用意、90日間での黒字化を目指した様々な支援を行ってきた。現在、全国でリゾートホテル、旅館を運営・運営代行をしている。
同社は全国のリゾート施設と提携し、ポイント制による会員向け施設を提供。強みは会員という強固なストックビジネスモデルだ。これを生かし、集客力を高め、経営の安定化を進めていく。
大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ 「TAOYA」ブランド5棟目
大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京都中央区)では、同社が展開する温泉リゾートホテルブランド「TAOYA」の5つ目のホテル「TAOYA那須塩原」を栃木県那須塩原市にオープンさせた。
同施設は「大江戸温泉物語 かもしか荘」を「TAOYA那須塩原」にリブランドするもの。那須塩原ならではの自然美である「洞窟」をデザインコンセプトに館内を改装、施設を新設した。
客室は60室。現代の生活スタイルを考慮し、和モダン客室を新設。畳の上にベッドを設置し、休みの際の利便性、寛ぎの時間の使い勝手の良さを追求した。
コートヤード(中庭)を挟んだ反対側にラウンジを新設。洞窟の岩を彷彿させる黒を基調とした空間には暖炉を設置。中央に設えたオールインクルーシブアイテムが並ぶカウンターから、ワインやハーブティーを提供する。
今回のリブランドに伴い、最も大きく変えたのがレストラン。デザインコンセプトを「洞窟」とし、レストラン内だけでなく、レストランに至る回廊から「洞窟らしさ」を演出。足元照明だけのほの暗い通路を進むと、次は洞窟の天井、岩と岩の間から光が差し込む様子を表現した明るい空間が現れる演出。更に進み辿り着いたレストランはラウンジと同様、洞窟の岩を彷彿させる黒を基調にした空間とした。
同ブランドは、「ゆったりと、たおやかに。」をコンセプトとする。これまでに開業している4つの「TAOYA」はいずれも客室数が約100室以上だが、同施設は全60室とゆったりと滞在できるのが特徴だ。
ヒルトンが「キャノピー」沖縄へ
三菱地所(東京都千代田区)と、鹿島建設(東京都港区)はこのほど、両社が事業主となって開発を行う「(仮称)宮古島トゥリバー地区2期ホテル計画」を着工した。
同計画は「ヒルトン沖縄宮古島リゾート」の隣接地に位置しており、開発するホテルもヒルトン(本社:米国バージニア州)が運営、「キャノピーbyヒルトン沖縄宮古島リゾート」(地上12階建て、310室)として2026年春に開業させる予定だ。
同ホテルは、宮古空港から車で15分、下地島空港からも車で25分、宮古島の中心市街地や伊良部大橋至近の宮古島・トゥリバー地区に位置する。敷地面積4万5943㎡、建物面積ホテル棟2万2037㎡、賑わい施設棟1788㎡。ホテル客室数310室、ホテル共用施設キャノピー・セントラル(オールデイダイニング、バー&ラウンジなど)を併設する。
ライフスタイルブランドの「キャノピーbyヒルトン」は、世界で約40軒を展開している。また、「キャノピーbyヒルトン」のハブである「キャノピー・セントラル」では、「ルーフトッププール&バー」、シャワールームとロッカーを完備した「トランスファー・ラウンジ」などの施設を有する。
ホスピタリティオペレーションズ 「スマイルホテル」69店目
全国でホテル、グランピング、スキー場、ゴルフ場、飲食事業、保育園などのホスピタリティ事業を展開するホスピタリティオペレーションズ(東京都千代田区)では9月1日、東京都葛飾区に「スマイルホテル東京新小岩」をリブランドオープンさせた。スマイルブランドのホテルとしては全国で69店舗目の出店となる。
同ホテルは、JR総武線「新小岩」駅より徒歩約2分に位置する。東京駅まで約13分、秋葉原まで約14分、東京スカイツリーまで約15分と都心へのアクセスも良く、ビジネスはもちろん東京観光での需要を期待している。
建物はSRC陸屋根8階建て、延床面積4747・47㎡。客室は全232室で、シングル・セミダブル・ダブル・ツインと用途に合わせて利用可能だ。
全室シモンズベッドを導入し快眠をサポートする。朝食は、24時間営業のレストラン「jonathan's」で、モーニングビュッフェで提供する。
同社は、2005年の説立以来、「ホテル運営事業」「リゾート運営事業」「レストラン運営事業」「運営コンサルティング」「太陽光発電事業」を展開。主力のビジネスホテルである「スマイルホテル」は全国的なチェーン展開を行っており、既存ホテルの賃貸借、運営受託、フランチャイズなどオーナーの希望にあった契約形態で提案も行っている。
トラストパーク 「車泊」モデル広がる
トラストパーク(福岡市博多区)が代表機関の九州周遊観光活性化コンソーシアムが、九州を中心に通過型地域や過疎地域など全国64カ所で展開しているのがシェアリングエコノミー型着地型観光DX事業モデル「車泊(くるまはく)」だ。
同機関ではこの度、中部・関東エリアで、キャンピングカーのレンタル事業等を行うサーバント(岐阜県可児市)とTEN(仙台市宮城野区)と共創パートナーとしての業務提携を提携。地域密着型で車泊導入・サポートを推進する。
車泊とは、未利用スペースや不稼働時間帯の駐車場等をシェアリング活用するサービス。来訪者と地域にとって、より良い有料車中泊のルール整備を実施。無人・キャッシュレス・非接触運用が可能な電源提供型「休憩駐車管理システム(RVパークsmart)」の導入により、通過型地域や過疎地域など、本来は泊まることができない場所に滞在する仕組みをつくり、地域経済の活性化や関係人口増を図るシェアリングエコノミー型のDX事業。