不動産トピックス

今週の一冊

2023.09.18 13:26

「失われた30年」を経験した日本企業が世界でのプレゼンスを高める方法とは

ESG格差 沈む日本とグローバル荘園の繁栄
著者:松岡 真宏、山手 剛人、首藤 繭子
出版:日経BP
発行:2023年1月25日
価格:1980円(税込)

 SDGs(持続可能な開発目標)という言葉は、この数年で日本国内での認知度を飛躍的に高めた。しかし海外ではSDGsという言葉で表現されることは少なく、「ESG」や「D&I」といった言葉がむしろ一般的であるという。
 「ESG」は「Environment(環境)」・「Social(社会)」・「Governance(企業統治)」の頭文字を組み合わせたもの。そして「D&I」は「ダイバーシティ&インクルージョン」の略称であり、人間の多様性を認識し、かつ各人を尊重して受け入れる社会環境を整備する動きを指す。SDGsは17の独立した目標があり、企業や個人はそれぞれが達成を目指すべき目標を設定し、そのための活動を行う。一方でESGは環境・社会・企業統治を総体として、社会の持続可能性を追求する運動である。
 現在、世界の経済活動を支えるグローバル大企業は、ESGの推進をいち早く展開し、自社の成長につなげてきた。一方、かつて企業の時価総額ランキングで上位を独占してきた日本企業は、「失われた30年」を経てこれらのグローバル大企業とは時価総額でも、ESG推進の面でも大きく水をあけられる格好となった。日本企業が以前の勢いを取り戻すために、ESGは非常に重要なキーワードとなる。本書ではESGの戦略的な活用を通じた国家・企業の成長シナリオを、著者3名の多角的な視点から論じている。




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