不動産トピックス
今週の一冊
2023.09.25 10:54
築地市場の文化、歴史、建築を膨大な写真とともに紹介
築地考
著者:杉山 圭
出版:建築資料研究社
発行:2023年9月1日
価格:6930円(税込)
本書はクリエイティブディレクター、アートディレクターとして活躍する著者が、2016年から築地市場最後の数年間の記録や街の発展を、膨大な撮りおろし写真とともに考察していく一冊。
江戸時代、埋め立てによって誕生した土地の成り立ちから、旧汐留貨物駅を通じて全国各地から魚が届けられた往時を振り返りつつ、築地市場独特の風土を紹介。貨物駅からの輸送効率を最大限に生かす扇形の建物は、バウハウス様式のモダニズム建築の集大成ともいえる。
真っ白な板に筆で屋号を記した看板文字は、築地文化を代表する職人技。市場の機能は豊洲に移転したものの、築地には場外市場が営業中で、休日ともなると国内外の観光客で大いに賑わう。築地の文化、歴史、建築の魅力がつまった本書を片手に街歩きをしてみれば、築地の今と昔を学ぶ機会にもなるだろう。