不動産トピックス

クローズアップ リノベーション編

2023.10.16 10:16

 「新しい価値の提供」は、リノベーションにおいて不可欠な要素。昨今はこの価値が多様化し、物件の差別化にも直結してきている。ニーズに合わせた価値の構築が肝要だ。

築30年小規模事務所ビルの最上階を高額賃貸住宅に 多様なライフスタイルのニーズの高まりが後押しし上場の反響に
 リノベる(東京都港区)は築30年の小規模オフィスビルの最上階をリノベーションし、賃料100万円超のペントハウスとして再生した。
 小規模オフィスビルの7~8階の元オーナー住戸をペントハウスとしてリノベーションし、大型賃貸住宅へのバリューアップを図ったプロジェクト。
 物件は都営浅草線「高輪台」駅徒歩4分に立地する築30年のオフィスビル。リノベーションの経緯について、不動産本部 法人担当の田村実氏は「オーナー様は、前のテナントが退去して高額賃貸へのリノベーションを検討されていました。オフィスビルの高層階という条件を強みとして捉えなおし、既存の躯体を最大限に生かしたこれまでになかった自由度の高い空間とすることで、周りの賃貸物件との差別化を図れると考え、多様なニーズに対応する場へのリノベーションを提案しました」と話す。
 賃室面積は7~8階合わせて約174・04㎡。7階は豊富な開口部と約3mの天井高を生かして、おおらかな空間の屋内リビングのほか、外部キッチンを設けたウッドデッキ敷きのアウトドアリビングを設けた。リビングの奥にはインナーテラス付きのジャグジーを設置。ワークアウトやヨガも行える余白スペースを設けて、リラックスも社交も叶う空間を整えた。
 8階には、オフィス、ギャラリー、アトリエ、スタジオ等多目的に使えるスペースを用意。職住その他が混在する多様なライフスタイルに対応した。
 2フロアでそれぞれに玄関があることを活用し、多目的スペースと一体的に利用できるセカンドリビングも完備。7階から階段で直接行き来ができる寝室やウォークインクローゼットなどを備えたプライベートエリアも設けている。
 「多目的スペースは個人事業主様の事務所の規模としても丁度よく、住宅兼オフィスとして活用しやすい間取りになっています。バルコニーやリビングも十分な広さがあり、住宅としてだけでなく、サロンやゲストハウス的な使われ方もあると考えています」(田村氏)。
 昨今のライフスタイルに対応した自由度の高い内装が功を奏し、早々に入居者も決定。多様なライフスタイルに対応するリノベーション事例は、今後もさらに需要が伸びていくに違いない。

富山県内の3団地をリノベーション 2万円台からの低賃料を実現、地域で暮らす人を支援
 ビレッジハウス・マネジメント(東京都港区)は、富山県内の3つの団地のリノベーションを手掛けた。
 富山県南砺市の築51年の団地を「ビレッジハウス福野」、同市築28年の団地を「ビレッジハウス高瀬」、同県射水市の築52年の団地を「ビレッジハウス二口(ふたくち)」としてリノベーションし、9月に新規入居を開始した。富山県内での賃貸住宅需要の高まりを受け、団地を再生することで地域への転入者の住まいニーズや地元住民の住み替えに対応したという。
 「ビレッジハウス福野」は2棟80戸のうち、まずは5戸をリノベーションした。間取りは2K、33・54㎡。賃料は2万1000~2万4000円/月。追加オプションで、キッチン給湯器やガスコンロ、温水洗浄便座などを用意している。
 「ビレッジハウス高瀬」は2棟60戸のうち、まず4戸をリノベーション。間取りは3DK、53・08㎡。賃料は2万2000~2万7000円/月。 エアコン、キッチン給湯器、ガスコンロ、温水洗浄便座などの追加オプションを用意している。
 「ビレッジハウス二口」は2棟80戸のうち、まず5戸をリノベーションした。間取りは2K、33・09㎡で、賃料は2万1000~2万4000円/月。前記2物件と同様の追加オプションを用意している。
 同社は全国47都道府県で、賃貸住宅「ビレッジハウス」1061物件(2906棟、10万6876戸)の運営、管理を行っている。既存の団地を活用、再生することで、いずれも低賃料での提供を実現。将来にわたって地域で暮らす人々の増加、地域の活性化、地域経済へ貢献していくとしている。今後も地域での住み替え需要、法人による複数戸のまとめ借り、外国人労働者の住まい探しなどに応えるため、順次リノベーションを行っていく構えだ。




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