不動産トピックス

クローズアップ コンテナ編

2023.12.25 09:54

 貨物輸送用に開発されたコンテナは、堅牢性や耐久性、モジュール性などが認識され、さまざまな用途に活用されてきた。建築もそのひとつで、昨今ではコストやデザイン性にも注目が集まっている。

ランドピア 「コンテナ建築」に営業所を移転 スペースの有効活用として展開予定
 土地活用事業を展開するランドピア(東京都中央区)は11月1日、名古屋営業所を移転。名古屋市中川区のコンテナを利用した建築物「コンテナ建築」へ移転した。
 移転先は名鉄名古屋本線「山王」駅から徒歩2分に立地。昨年10月に先行してオープンした、屋上緑化付きのコンテナ型トランクルーム「スペースプラス山王駅前」と同じ敷地に建つ。建物は20フィートのハイキューブコンテナ8台を使用。1フロアに4台配置して重ねた2階建てのコンテナオフィス。コンテナ建築事業の展開に伴い、コンテナ建築のモデルルームも兼ねた名古屋営業所としてオープン。オフィスの延床面積は93.30㎡。将来的に移動が必要になった際にはSDGsの観点から、コンテナを再利用できるよう設計している。メリットは1コンテナごとに解体することで、移設が比較的容易。解体時の内装の損傷も最小限に抑え、コスト及び廃棄物も削減できる。
 またデザイン面での特徴は、吹抜の中庭を設けたこと。そのまま積み重ねただけでは無機質で重たい外観になりがち。同物件では行動に面した部分へ吹き抜けの中庭を設け植栽することで、周辺環境との調和を実現。同時に1階の中庭を加工3面全てを窓にすることで採光も確保した。2階部分は吹き抜けの横にバルコニーを設け、更に広い窓とした。応接スペースは東西両面に大きな窓を設け、十分な採光を確保している。
 敷地内に併設するスペースプラスの屋上には、屋上緑化に適した多肉植物のセダムのパレットを敷き詰めている。全体的に緑をイメージしながらも所々に、コンテナ自体のイメージでもある「コルゲート鋼板」がむき出しになっている壁面、鉄筋が手すりとして使われている階段、エントランスの床面や水回りスペースにはダイヤモンドパターンの金属板を使用。随所にコンテナ建築としての特徴的なデザインも見られる屋内となった。
 今後同社では名古屋営業所のようなコンテナオフィスを起点として、「コンテナ店舗」や「オフィス+ガレージ」、「店舗+コンテナ倉庫」などラインナップを拡張していく。コンテナ建築+スペースの有効活用として新しいサービスを開発・提供していく方針だ。

災害対応のコンテナホテル 75店舗が群馬県で開業
 デベロップ(千葉県市川市)は2024年1月から2月にかけて、コンテナホテル「HOTEL R9 The Yard(ホテル アールナインザヤード)」を群馬県大泉町と藤岡市で開業する。開業により、同シリーズは75店舗となる。
 「HOTEL R9 The Yard大泉」は群馬県邑楽郡大泉町に立地。東武鉄道小泉線「西小泉」駅から徒歩3分で、47台の駐車場も完備。2690㎡の敷地に客室となるコンテナが並び、客室数は全47室。うち41室がダブルルーム、6室がツインルームとなっている。
 「HOTEL R9 The Yard」シリーズは、災害時などに客室を避難所に転用可能。群馬県内では今回開業の2店舗を含め計7店舗があり、県内11自治体と災害協定を締結している。
 デベロップでは、県内のホテル間で連携を図り、地域の安心安全に寄与するホテルを目指すとしている。

誰でもどこでも育てられるわさびの栽培コンテナ
 マクニカ(横浜市港北区)は、NEXTAGE(東京都目黒区)の「わさび栽培モジュール」の販売を、2024年1月5日に開始する。
 「わさび栽培モジュール」は、わさびの水耕栽培に必要な設備を40フィートサイズの断熱コンテナに格納した、わさび専用の小型植物工場。わさび栽培に欠かせない環境を整え、モジュール内に設置したカメラ、センサー情報を元にNEXTAGEが分析を行い、的確な栽培作業を遠隔指導する。栽培知識がなくても、露地栽培の約半分の期間で安定して収穫できるという。
 コンテナ1つで「真妻(まづま)種」のわさび約1800株が栽培可能。LED照明や空調調整機、水温調整機、二酸化炭素供給管理装置、手洗場などを備え、栽培室と管理室を設けることで、栽培室内の衛生管理を行うことが可能。
 マクニカは販売に先立ち、新横浜本社横に本モジュールを導入。改善を目指すとともに、実証実験の場としての活用を開始する。

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