不動産トピックス
【4/7号・今週の最終面特集】新築ビルが続々と誕生 御徒町エリア

2025.04.01 10:42
昨年末「NEWS X 御徒町」竣工
賃貸オフィスブランド「NEWSシリーズ」の6棟目 売却を視野に開発
築年数の経過した物件の多い御徒町エリア。昨年末から今年秋にかけて同地ではビル建替えの竣工が続く。都営地下鉄大江戸線「新御徒町」駅の近隣でも複数件あるなど、新規供給が続いていることから、既存オフィスからの移転や新たに同地へ移る企業の誘致にも期待がかかる。
各階はバルコニー付き 室内入り口に顔認証装置
TPM(東京都中央区、旧社名トゥループロパティマネジメント)は昨年末、東京メトロ日比谷線「仲御徒町」駅から徒歩4分に賃貸オフィスブランド「NEWSシリーズ」の6棟目「NEWS X 御徒町」を開発した。
2004年3月設立のTPMは、オフィスビルや賃貸マンションの開発、建築設計を専門に展開してきた。グループ全体でのビル開発件数は120棟以上。賃貸マンションは80棟以上。合計で200棟以上の開発実績を持つ。子会社には不動産運営管理事業やプロパティマネジメント事業等を展開するサブリース(東京都中央区)、有価証券等の媒介・私募の取り扱い業務やファイナンシャル・アドバイザリー業務等を行うエスピーシー証券(東京都中央区)、アセットマネジメント事業を行うSPCアセットマネジメント(東京都中央区)がある。グループシナジーを生かした不動産事業を展開してきた。
新たに竣工した「NEWS X 御徒町」は、RC造・地上10階建てのオフィスビル。延床面積1594・22㎡。基準階貸室面積は185・62㎡(56・15坪)。1階はエントランスで、貸室は2~10階。ビルの正面(北側)を中心に3面がガラス面となっており、反対の南側にはコア機能を集約した。執務スペースは幅約13m×奥行き約12mの無柱空間。上層階は3面から見える眺望が特徴で、東京スカイツリー等も見える見晴らしの良さを生かしたリーシングに期待がかかる。制震・免震構造を採用。各階にバルコニーがあり、室内入り口には顔認証装置を取り付けた。同地でも希少な新築オフィスビルから、近隣企業の新築需要にも応える。設計はMMAAA(東京都世田谷区)、施工はナカノフドー建設(東京都千代田区)が担当した。
2007年より展開してきたNEWSシリーズのコンセプトは、リクルートスーツのようなオフィス。経営者がオフィスビルを選ぶとき、「どの様なビルに入居したいか」がオフィスビルの本質と捉えている。入居するビルは企業の印象にも大きく影響を与え、「信用できるか」や「入社したいか」にもつながる。企業の事業活動に相応しい空間イメージをリクルートスーツと表現し、清潔さやフレッシュさ、シンプルなデザイン、不快感を与えない点をオフィスビルに落とし込んだ。特に重要な要素は外観。外から見て美しい建物であることは必要不可欠な機能と認識している。
代表取締役の佐々木泰樹氏は「『他にはない、ニュースになるビルを造る』との思いから、NEWSと名付けました。上野の御徒町界隈は、築年数の経過した物件の多い地域です。その中でも一際目立つ、視覚的に魅力的なオフィスビルを造ることで、何年経っても不動産の価値が下がらない、築年数の経過が賃料に影響を与えない、『NEWS X 御徒町』のような外観となりました。経営者・入居者にインパクトを与えられることに最も価値があると思います」と力説した。
外観は鉄筋コンクリートの斜め柱を露出。RC架構を外に見せることで最初にインパクトを与え、自社の独自性も表現した。建物を隣地からセットバックしたことで、執務スペースの大半は延焼ラインに掛からない。結果、架構に合わせて大きな開口部を設けることができた。現在空き9フロアの内、5フロアに申し込みが寄せられている。残りの空室解消、満室稼働も早々に達成しそうだ。
視覚的に魅力的なビル RC架構を外に見せる
「2007年から開始したNEWSシリーズは元々、『テナントが埋まり次第売却する』方針で建設してきました。その後リーマンショックが発生。以来長年にわたって賃貸オフィスビルとして運用してきました。これまでに手掛けた『NEWS 京橋』や『NEWS 平河町』も含めて、再びNEWSシリーズは売却を視野に開発していきます」(佐々木氏)
「CASBEE建築(新築)」Aランクも取得予定
東京メトロ日比谷線「仲御徒町」駅から徒歩1分で、多慶屋本館の建替えプロジェクトが行われている。今年10月1日に「クロスポイント御徒町」が竣工予定だ。
同ビルは昭和通りと春日通りが交わる交差点角地で進行中の建替え事業。従前は多慶屋本館を含め11棟の物件が建っており、これらが地上10階建てのテナントビルへ生まれ変わる。1~2階は飲食店舗フロア。3階以上の空中階はオフィスフロア。延床面積は6572・57㎡で、基準階貸室面積は544・53㎡(164・72坪)。パントリー付きの長方形のオフィスレイアウトを採用。特徴は日比谷線「仲御徒町」駅や都営地下鉄大江戸線「上野御徒町」駅、JR「御徒町」駅、東京メトロ銀座線「上野広小路」駅などが利用できる交通利便性。「上野」駅や「東京」駅にも近く、都内における支店・営業所のニーズも見込める。また近隣には中規模クラスの新築オフィスビルも希少。新築需要にも応えた。「CASBEE建築(新築)」Aランクも取得予定で、環境認証制度を重視する企業にも好ましい。
建築主の多慶屋は1947年創業の商業施設。創業後に増床増築等を複数回にわたって行っており、売り場は44区画に増加。狭小多層階に細分化されていたことから、早期の効率化等が求められていた。約15年前には旧本館も含めた西地区再開発計画が立ちあがったが、諸事情から計画は途中で中止。その後も利用客およびテナントの利便性向上・効率化も加味した建替えが求められていたことから、今回のプロジェクトに取り掛かった。
代表取締役社長の竹谷宗二氏は「御徒町エリアは元々ポテンシャルの高い街です。交通利便性は良く、台東区と隣の千代田区では新規成約賃料の相場を比較した場合、割安な地域となります。加えて『御徒町』駅の乗降客数は多く、昼間人口も多いです。最近は周辺でマンションの供給も続いていることから、オフィスと店舗の両方で需要があります。職住近接の街としても好ましい環境が揃っていると思います」と語った。
阪急阪神不動産の「スイテ新御徒町」
阪急阪神不動産(大阪市北区)は、都営地下鉄大江戸線・つくばエクスプレス「新御徒町」駅から徒歩1分の交差点角地で「スイテ新御徒町」の建設を進めている。同ビルは地上8階建て、延床面積は3962・87㎡の中小規模。1階は店舗フロアで、2~8階がオフィスフロア。基準階面積は466・50㎡。特にオフィスはレイアウトの自由度を高める無柱空間を実現する。またワーカーのサードプレイスとなる屋上テラスも計画している。多彩な植栽とウッドデッキで構築し、カウンターデスクやテーブルも配置予定だ。